課長職にマネジメントの革新を!
RSS

フィードバックを組織に導入する意義

フィードバックを組織に導入する意義

(2019年4月 3日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

企業規模の大小や業種を問わず、多くの企業・団体で「フィードバック」の導入が進んでいます。なぜ今、フィードバックが求められるのでしょうか?

 

 

最強の部下育成法「フィードバック」とは

PHP研究所では、『フィードバック入門』(PHPビジネス新書)の発刊を機に、著者である中原淳氏(立教大学経営学部・教授)とタッグを組み、フィードバックの普及に取り組んできました。

フィードバックとは、「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと」であり、以下の2つの機能を通して、問題を抱えた部下や、能力・成果のあがらない部下の成長を促進することを目指すものです。

 

1.【情報通知】機能

たとえ耳の痛いことであっても、部下のパフォーマンス等に対して情報や結果をちゃんと通知すること(現状を把握し、向き合うことの支援)

2.【立て直し】機能

部下が自己のパフォーマンス等を認識し、自らの業務や行動を振り返り、今後の行動計画をたてる支援を行うこと(振り返りと、アクションプランづくりの支援)

 

このうち「情報通知」機能はティーチング的なアプローチであり、「立て直し」機能は、コーチング的なアプローチであると言えます。すなわち、フィードバックは、ティーチングとコーチングを包含した部下育成手法なのです。

 

フィードバックが求められる理由

フィードバックは現在、企業規模の大小や業種を問わず、実に多くの企業・団体で導入が進んでいます。なぜ今、フィードバックが求められるのでしょうか? その理由として、考えられるのが以下の5つの要因です。

 

1.組織のフラット化

経営の効率化のために推進した組織階層の削減(フラット化)の結果、一人の管理職が見るべき部下の数が増え、一人ひとりへの育成が疎かになった

 

2.「突然化」「若年化」するマネジャー

組織のフラット化に伴い、「監督職」での準備期間を経ずに突然管理職に昇進したり、早期選抜で若くして昇進するなど、部下指導に自信がない管理職が増えた

 

3.「二重化」するマネジャー

かつての管理職はマネジメント専任であったが、昨今はプレイヤーとマネジメントの両方を担っているので、部下としっかり向き合う余裕がなくなった

 

4.若手社員の価値観の変化

今の若い世代は、所属する組織への帰属意識が以前よりも低く、ハラスメントへ過剰な反応を示す傾向があるので、指導育成する難しさが高まっている

 

5.多様化する人材

人材の多様化の進展で、年上部下、外国人、非正規社員、等々が増加し、組織としての一体感をつくるのが難しくなった

 

現在の多くの職場は、これら5つの要因が複雑に絡み合い、「人が育ちにくい状況」に陥ってしまいました。現に、精神疾患にかかっている人の増加や、モチベーションの低下、離職率の増大等、人に関する問題を抱えた職場が急増しています。こうした人材育成の危機に対するソリューションとして、フィードバックに注目が集まっているのです。

 

フィードバック導入による個と組織の変化

では、フィードバックを導入するとどんなメリットが得られるでしょうか。

上司がフィードバックを的確に使いこなせば、部下は自分自身を客観的に見つめる機会が増えるので自らの課題に気づきやすくなります。そして自らの課題を克服するための行動を起こしつつ、さらなるフィードバックを受けることで的確な軌道修正がなされ、成長が促進されるでしょう。

また、最近の若手社員の中には、成長願望が強く自らの成長につながるフィードバックを求めている人が案外多いと言われています。そのような若手社員の求めに応じてこまめにフィードバックを行い、「この職場にいれば成長できそうだ」という感覚をもたせることができたら、離職率の低下、定着率の向上につながります。

そして、フィードバックを通じて上司と部下が本音を伝え合い、何でも言える関係を作ることができれば、自由闊達な職場風土が醸成されていくでしょう。

個人の能力開発だけでなく、職場の組織開発という観点からも大きな可能性を秘めたフィードバック。フィードバックは今後も多くの組織で導入が進み、職場のさまざまな問題を解決するソリューションとしてより一層注目を集めることになるでしょう。

 

※参考文献『フィードバック入門――耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』中原淳著(PHPビジネス新書)

 


 

部下と職場を立て直す「フィードバック」を導入するための企業研修プログラム(公開セミナー・講師派遣セミナー)、社員研修 DVD、通信教育をご紹介しています。
通信教育については、テキスト(抜粋版)を無料でお取り寄せいただけますのでぜひご利用ください。

 

中原淳監修フィードバック

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所 人材開発企画部部長
1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

リーダー・管理職研修 最新記事

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ