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叱るのが苦手な上司のための、ハラスメントにならない叱り方

叱るのが苦手な上司のための、ハラスメントにならない叱り方

(2019年7月11日更新)

 
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上司も部下も「叱る」「叱られる」ことに慣れていない時代。どちらかというと叱るのは苦手という管理職も多いものです。ハラスメントにならず、今どきの若手社員にも受け入れられやすい叱り方とは?

 

 

叱るのが苦手な上司、叱られるのに慣れていない部下

今は上司も部下もお互いが、叱ること・叱られることに慣れていません。上司の側は、イザそうなると、感情が先立つことも珍しくないようです。よく言われる「叱る」ではなく「怒る」という感情をぶつけてしまうわけです。

部下の側も、叱られたことがほとんどないのですから、対応がよくわからないのが正直なところでしょう。そんな傾向が珍しくありません。

筆者の子どもの頃ですと、社会的なマナーなどを大きく逸脱したら、周囲の大人が他人の子どもでもたしなめていたものです。ところが今は、他人の子どもどころか、自分の子どもでさえしっかり叱れないケースが見られます。学校は言うまでもありません。

つまり、今どきの若手社員は、子どものころからキチンと叱られていないのです。社会人になってからいきなり上司に叱られたら、思っている以上にショックを受けるということを、まずは認識しておくことです。

 

叱る前に質問形式で声掛けを

そこでお勧めしたいのが、質問形式の声かけで、心の準備をさせることです。質問には、潤滑油、あるいはクッションのような役割があります。本格的に会話に入る前に、ゴツゴツした感じや唐突感、人間関係の「棘」を和らげてくれる働きをします。

まずは部下に「ちょっと、あとで来てくれるかな? 話があるんだ」「クレームがきていてね、説明するよ。いい?」と事前に質問形式で声かけをしておきます。これが心の準備をさせることになります。この時点で部下は、上司から何か言われるな、というのがあらかじめわかるものです。

このあたりを省略して、いきなり「ダメじゃないか!」とか「クレームが来ているんだ!どう責任を取るんだ!」と大声を出すなどは最低の伝え方なのです。

叱る時には「冷静に、大声をださずに」は、鉄則です。

 

最初は事実確認の質問から

部下を叱るときには、最初に「君の今回のミス、原因はわかっているかな?」「クレームがきている○○社だけど、2回目だよね?」と、責めるのではなく事実確認という感じの質問をします。

この時点では、まだ部下も叱られたとは思いません。このような事実確認のような感じだけでは、反省もしませんし、戒めにもならないのです。

自分ではガツンと言ったつもりでも、一度録音して聞いてみてください。言葉のメリハリは、自分の思う2倍くらい出してようやく大きさに変化が出るものです。

逆に、叱ることに慣れていないと、叱るんだという意識が前面に出て、大きな声になり過ぎることがあります。「そんなに大きな声で言わなくても……」と部下に思われて、最悪ハラスメントと判断されたりします。原因は、前述した叱る側・叱られる側ともに慣れていないことが大きいのです。

 

大声を出さず、言葉で伝える

では、どうやって叱るといいのか?

まず「これから君を叱るから、そのつもりで」という意味の言葉を自然な声のトーンで話します。いつもは笑顔のあなたでも、この時だけは笑いは厳禁、真剣な表情で言います。

ポイントは、大声でけなすようには話さないことです。言葉で諭すような説諭が理想です。言い聞かせるように、冷静な話し口調で十分です。騒ぐよりも、かえって真剣さが伝わりますし、ハラスメントとは思われないのです。

そして「どう? わかりましたか?」くらいの質問形で締めます。感情で叱ると、ときにはモンスターペアレントが登場したり、ハラスメントで訴えられたりすることもあります。しかし、このような説諭する叱り方ですと、ハラスメントの危険も回避できます。

 

叱り方の基本の流れ

では、叱り方の流れをまとめてみます。

基本は、あくまでも一回に一つだけ叱ること。そして感情にまかせて大声を出さないことです。

 

(1)クッションの意味で、話があるので大丈夫かを尋ねる

ここで、軽い質問形で心の準備をさせておく。

 

(2)これから叱るのだと伝える

言葉で説いて聞かせるというのを忘れない。声は冷静に、ただし表情は真剣に。

 

(3)叱り終えてから、必ず理解できたのかを尋ねておく

「理解できましたか?」「わかった?」という冷静さを忘れない。

 

以前にコーチングの世界で、「叱る事をクッションにはさめ」といわれ、「褒めて、叱って、褒める」くらいのサンドイッチ方式が流行ったことがあります。私は、それでは弱い、叱ったことが伝わりにくい、逆に叱ることはハッキリ大きくというパワーコーチングを説いていた事もあります。ただ現代では、明らかにハラスメントと受け取られてしまいますね。まだ「トレーニング中は水を飲むな!」と言われていた時代の指導法の思い出話です。

 

課長研修

 


 

松本幸夫(まつもと・ゆきお)

人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。


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