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管理職に求められる能力~「考える力」を高める2つのポイントとは?

管理職に求められる能力~「考える力」を高める2つのポイントとは?

(2019年12月16日更新)

 
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変化の激しい時代、管理職には、市場の変化を感じ取り「今何をなすべきか」を考えながら実行するスタンスが求められています。今や「考える力」は、管理職には欠かせない能力。では、これをどう磨き高めていけばいいでしょうか。

 

今の管理職に「考える力」が備わっていない理由とは?

最近の管理職研修の傾向として、「考える力」を磨き高めることを目的としたプログラムが求められることが多くなってきました。右肩上がりで経済成長が続いていた時代は、経営者や本社から与えられた課題を粛々と取り組んでいれば成果が出ましたので、現場では考える必要がありませんでした。

ところが、現代は変化が激しく市場を取り巻く環境も複雑化・多様化していますので、成果を出すための方策を本社が決め、それを現場に一律に実行させるというやり方が通用しなくなりました。したがって、市場の変化を敏感に感じ取り、「今何をなすべきか」を考えながら実行するスタンスが現場の一人ひとり、特に管理職には求められているのです。

しかしながら、長年指示待ちのスタンスで育ってきた管理職の人たちには考える力が備わっていないし、そもそも考えるという習慣が身についていないので、改めて研修という場で「考える」をテーマに学び直そうということなのでしょう。

 

考える力を高めるポイント(1)―抽象化―

「考える」という行為は、人間を人間たらしめる最大の特徴(能力)であり、人は誰でも常に考えています。しかし、その質と量(深さと幅)において大きな差があるのです。例えば、少し考えて、一つ答えが見つかると、そこで考えることをストップする人と、他にないかと考え続ける人。その差が、成果・成長・優秀さの差となって現れます。いわゆる“頭が良い”人も、理解力や記憶力、あるいはヒラメキなどだけでは不十分で、“よく考える頭”がなければならないのです。

知識や経験は、「考える」という過程を経て初めて智慧となり力となります。そして、最も重要なのは、「本質」を見抜く考え方です。これが「抽象化力」と言われる力。そしてそれを的確に整理し表現する力として、「論理的思考力」と「表現力」がリーダーには必須です。

中国古典研究家の守屋淳氏は、

「一見関係のないジャンルでも、思考の抽象度を上げて考えてみる。こうして関係のないもの同士を結び付け、そこから考えを導き出したり、新たな原理・原則を発見する能力を得ることこそ、教養を身につける最大の意味である」 

と述べ、本質を見抜く思考法として抽象化の重要性を指摘しています。

 

考える力を高めるポイント(2)―定義づけ―

考える力を高めるために、仕事や人生における重要なキーワードを10個ぐらい選び(例えば「仕事とは」「経営とは」「会社とは」、あるいは「幸福とは」「人間とは」等々)、それぞれについて自分の言葉で定義づけすることをお勧めいたします。

ここでいう定義づけとは、国語辞典に書いてあるような「その言葉の意味」を客観的に説明することではなく、この言葉の本質的意味合いを自分はこう理解している、ということを最も的確な言葉で表現することです。そのためには、自身の知識と体験を総動員し、多面的に、深く掘り下げて考えなければ、的確な表現にはたどり着きません。また、ある言葉の定義づけができても、それがベストであるとは限らないので、機会を見つけてブラッシュアップしていく作業が必要になります。

定義は自身の主観的表現であっていいのですが、独りよがりで身勝手な定義づけでは意味がありません。「なるほど」と多くの人に共感される表現が大切です。このようにして作り上げていくプロセスが、考える力を高める上で非常に効果的な訓練となるのです。そして、出来上がった定義は、単なる「意味の説明」ではなく、「自分は固くこう信じている」という自らの「信念の表現」です。したがって、仕事や人生における判断基準・行動基準のベースとなるべきものであり、その人の「哲学」とも言えるものなのです。

 

信頼されるリーダーになるために

目の前に次々に現れる仕事上のテーマには、これまで積み重ねた知識・経験をもとにして少し考えるだけで答えが見つかる、あるいは判断がつくことが多いものです。しかし、時にはこれまでの経験・知識では対応できないテーマにぶつかることがあります。そういうときに、何を基準に判断するか。そのつど考えていては間に合いません。少なくとも、最終的な基準というものは予めもっていて、それに基づいてその都度の判断の根拠を明確にすることが望ましいでしょう。

この最終的な基準がはっきりしていることによって、その人の判断にはブレがない、あるいは一貫している、という信頼が生まれるのです。そのためには、考える訓練を日々積み重ねることによって、「最終的な基準」というものを、時間をかけてじっくりと練り上げておきたいものです。

 

課長研修

 

的場正晃(まとば・まさあき)

PHP研究所 人材開発企画部部長

1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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