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リーダーシップの4つのスタイルを使い分ける

リーダーシップの4つのスタイルを使い分ける

(2020年10月 8日更新)

 
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リーダーシップのスタイルは十人十色といわれます。メンバーの成熟度に合わせてそのスタイルを使い分けることも大切になってきます。リーダーシップについて改めて考えてみましょう。


リーダーシップの定義とは

リーダーシップについて、PHP通信ゼミナールのテキスト『プレイングマネジャーの仕事術』では次のように定義づけされています。

リーダーシップ
組織の目標を達成するためにメンバーの行動に影響を与えること、またその力のこと。その力とは、統率力・影響力・動機づけ能力(人をやる気にさせる力)など。

統率力とは「あの人についていきたい」と思わせる力、影響力とは「リーダーがいないところでもメンバーを自発的に行動させる力」、動機づけ能力とは上記の通り「人をやる気にさせる力」を指します。プレイングマネジャーを育成してリーダーシップを身につけていただくうえで、これら3つの力を伸ばしていくという視点が必要になるでしょう。


リーダーシップのスタイルは十人十色

リーダーシップという言葉から、例えば学校の運動部のキャプテンのように、朗らかにメンバーを鼓舞したり、時に厳しく叱咤したり指導したりする「力強いイメージ」が湧いてくる人も多いと思われます。しかし、プレイングマネジャーを務める人材の誰もがそのようなキャラクターを持っているわけではありませんし、それを全員に求める必要もありません。リーダーシップのスタイルは十人十色であり、その人のタイプにあったリーダー像を追求していくべきでしょう。ヒントとして、歴史上の人物や世界の名リーダーの中から「似たタイプ」を探し、彼らの行動や言動を参考にするのもいい方法です(例:織田信長タイプ、豊臣秀吉タイプ、松下幸之助タイプ、スティーブ・ジョブズタイプ等々)。


メンバーの成熟度に合わせたマネジメントを

いっぽう、「メンバーの成熟度合に応じてリーダーシップのスタイルを使い分ける」という考え方も有効です。同テキストから、P・ハーシーとK・ブランチャードが提唱した「状況対応型リーダーシップ(Situational Leadership=SL理論)」をご紹介しましょう。下の4つのスタイルから、相手によって最適なスタイルを選び、柔軟に対応していきます。


(1)指示命令型(指示は多く、支援は少なめにする)
「まだ仕事を覚えていない新人」に対して、どんな仕事をしてもらうかをマネジャーがすべて決め、具体的かつ明確な指示を与える。

(2)コーチ型(指示は多く、支援も十分行う)
「担当業務はこなしているが、まだ経験不足なメンバー」に対して、やるべき仕事はマネジャーが決め、責任も負うが、十分に話し合ってやる気と自信を持たせるようにする。

(3)支援・サポート型(指示は少なく、支援は十分行う)
「業務の知識があり、後輩の指導も行えるが、まだ大局的な判断ができない中堅メンバー」に対して、よく話し合いながらやるべきことを一緒に考える。しっかりサポートをして不安を解消する。

(4)委任型(指示は少なく、支援も少なくする)
「安定したベテラン」に対して、マネジャーは基本的に問題提起のみを行い、どんな仕事をするのか、どうやって課題を解決するのかはすべて本人に任せる。


組織を機能させる「チームマネジメント」

各メンバーに対するリーダーシップとともに、チーム全体の実力や相乗効果を引き出す「チームマネジメント」も、マネジャーが担う重要な役割です。経済学者のチェスター・バーナードによれば、チームが機能するためには「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」が不可欠であるとのことです。組織の劣化はコミュニケーション不足から始まるともいわれます。そこで、マネジャーが中心となってインパクトのある「共通目的」を設定します。これにメンバーが共感すれば、自然に「貢献意欲」が高まっていくでしょう。そしてその目的を達成するために、チーム全体で緊密にコミュニケーションをとるように努めれば、やがてよい結果に結びつくはずです。


「理念」と「ビジョン」を浸透させる

マネジャーがチーム力を高めていくためには、「理念」と「ビジョン」をメンバーに浸透させていくことも不可欠です。理念とビジョンの定義は以下の通りです。

理念
その組織で大切にしている考え方や行動の仕方

ビジョン
目標達成から生まれる状況がどのようなものかをイメージして明快に提示するもの

ここでいう「理念」とは、会社からチームを託されたリーダー自身が定める「チーム固有の理念」のことです。もちろん会社の経営理念をベースにしながら、チームに合った「等身大」の理念を考える必要があります。シンプルでわかりやすく、覚えやすい理念が構築することが求められます。
さらに、「チームとして今後こんなふうになれたらいいな」というイメージを示すビジョンも併せて作成します。これらを周知し共有することで、チームが進んでいく方向性を示すことにつながります。


「チーム効力感」を高める


「なぜ部下は思い通りに動いてくれないのか」の記事ではメンバーの「自己効力感」を高めて「内発的動機づけ」を促すことで、失敗を恐れず積極的に行動するようになることをご紹介しました。これはチーム全体のマネジメントにも当てはまる考え方です。すなわちチームとして「頑張れば達成できるレベル」の課題にトライし、「成功体験」を積むことで、「皆で力を合わせればできる」という自信が生まれます。あるいは他のチームの成功事例を話して「代理的経験」を認識させることで、「皆でチャレンジしよう」という勇気が生まれます。さらにミーティングなどでポジティブな声かけをして「言語的説得」を試み、チーム全体のやる気を引き出していくのです。
プレイングマネジャーに対して、「リーダーシップ」や「チームマネジメント」に関するこのような教育指導を行い、会社としてレベルアップを図っていくことが肝要です。

※本記事は、PHP通信ゼミナール『プレイングマネジャーの仕事術』のテキストを抜粋・編集して制作しました。



通信教育「プレイングマネジャーの仕事術」





森末祐二(もりすえ・ゆうじ)
フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。


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