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リーダーに求められるリベラル・アーツ~人間力をいかに高めるか

リーダーに求められるリベラル・アーツ~人間力をいかに高めるか

(2020年1月21日更新)

 
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人材育成の重要性が増していますが、「人を育てる人」であるリーダー(経営幹部、管理職)が自身の「人間力」をどう鍛えたらいいのか、その考え方と実践方法を考えてみましょう。

 

リーダーに求められるリベラル・アーツ(教養)

変化が激しく将来予測が難しい経営環境において、リーダーには決断を下すうえでの拠りどころをもつことが求められています。経営活動の究極の目的が人間を幸せにすることであるとするならば、正しい意思決定を行うためには「人間とはどういう存在であるか」を追求し続ける努力が必要になるでしょう。

昨今、企業内教育において注目を集めるリベラル・アーツとは、人間の叡智の結集とも言える歴史、哲学、芸術、古典などを総称したものです。これらは、人間の本質を学ぶには最高の教材であり、また意思決定を行う際にはたくさんのヒントを提供してくれる拠りどころにもなる“優れもの”です。

中でも、リーダーの方には『重職心得箇条』の一読をお奨めしたいと思います。これは、幕府教学の儒学者であった佐藤一斎が、美濃岩村藩からの要請で作った「重職のあるべき姿」を十七カ条で示した憲法です。その一節をご紹介いたします。

 

『重職心得箇条』に学ぶ、リーダーの条件

第八条

重職たるもの、勤向繁多と云ふ口上は恥べき事なり。仮令世話敷とも世話敷と云はぬが能きなり、随分手のすき、心に有余あるに非れば、大事に心付かぬもの也。重職小事を自らし、諸役に任使する事能はざる故に、諸役自然ともたれる所ありて、重職多事になる勢あり。

 

(口語訳)

重役たる者、仕事が多い、忙しいという言葉を口に出すことを恥ずべきである。たとえ忙しくとも忙しいといわない方が良い。随分、手をすかせたりして、心の余祐がなければ、大事なことに気付かず、手抜かりが出るものである。重役が小さな事まで自分でやり、部下に任せるという事が出来ないから、部下が自然ともたれかかって来て、重役のくせに仕事が多くなるのである。

参考文献:『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』安岡正篤著(致知出版)

 

リーダーが率先して学習する習慣をつける

今回は人間力を高めるための実践方法として、リベラル・アーツの学習、中でも『重職心得箇条』の一読をお奨めしましたが、学ぶ素材はそれ以外にもたくさんありますので、自分の問題意識に合ったテーマで素材を選んでください。

大切なことはリーダー自らが学び続けること。「共育」ということばがあるように、リーダーが育った分だけ社員も共に育つことができ、[社員の成長→仕事の質の向上→顧客満足度向上→業績向上→社員の満足度向上・さらなる成長→ …]という好循環が生まれるのです。

 

 

課長研修

 

的場正晃(まとば・まさあき)

PHP研究所 人材開発企画部部長

1990年慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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