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部下の意見具申に怒りだすプライドの高い部長を、どう変える?

2017年7月 3日更新

部下の意見具申に怒りだすプライドの高い部長を、どう変える?

部下から痛いところを突かれるような意見具申をされて「そんなことはいいから、さっさとコレをやってくれ!」と怒りだす部長。プライドの高いその部長は、部下の意見が正しくても、受け入れて改めようとすることはありません。

あなたの職場にプライドの高い部長はいませんか?

一般的に、プライドが高い部長は、過去の功績や自分の考え方に自信を持っています。部下から間違いを指摘されても、それを絶対に認めません。部長に反論しようものなら、「お前に言われなくてもわかっている!」「誰にそんな口きいてるんだ!」と怒りだします。
部長が過去に築いてきたやり方に対して、部下が改善提案や部署のメンバーからの要望の声をまとめて伝えると、「そんなことはお前らの考えることではない!」と一喝します。自分の非を認めることで、部長の権威が揺らいでしまうと思っているのでしょうか?

プライドが高いことの弊害

地位が高くなったり、これまで成功してきた人はプライドが高くなります。プライドを持つことはいいことですが、プライドが実力以上に高い人は自分を過大評価しすぎています。また、プライドが強くなり過ぎると、「素直になれない」「謝らない」「人を誉めない」「人を認めない」という心が狭い人間になります。
こうしたプライドの高い部長は、地位や過去の成功体験だけでしか自分を保てないのです。つまり、自信のなさを隠すための自己防衛本能で怒ってしまうのです。
部長ともなれば、たとえプライドがあったとしても、正しいことを取りいれて、古いやり方や制度を壊して部門をどんどん変革していかなければなりません。

部下に責任を擦り付けて周りを責める

部下の意見具申や改善提案を批判する部長は、必ず「でも……」「しかし……」と否定から入ります。自分が正しくて、部下は間違っていると決めつけるから、意見具申した部下はうんざりしています。部下のモチベーションを下げるだけでなく、職場の問題が放置されて、将来、大きなトラブルが生じる可能性もあります。
また、自分が承認したにもかかわらず、部下が失敗したときには「なぜ俺の指示通りにやらなかったんだ?」と部下のせいにする部長もいます。責任を擦り付けられた部下は、一気に心が離れていきます。「あの部長の下で働きたくない」「あの部長は信頼できない」と陰で言われて、部長はどんどん孤立していきます。

不要なプライドを捨てるためには?

部下の意見や提案を受け入れない、自分の過ちを認めないというような不要なプライドは、部長自身の成長の機会も奪ってしまいます。また、意地を張ったり、人を批判したりするため、人間関係を悪くする要因となります。不要なプライドを捨てることは、自分の可能性を拓くことにつながることを教えてあげなければなりません。
部長が部下を活かすためには、信頼関係を築くことが絶対条件です。そのためには、「自分の弱さを知ること」「周りに感謝すること」「謙虚に生きること」です。そのためには、自分の力はたかが知れている。周りに助けられてここまでの地位になれたと考えることが大切です。
そして、常日頃から、部下の短所を見るのではなく、長所をしっかりと見てあげなければなりません。まずは1日1つでも、部下のことを褒めることから始めてみましょう。さらに、部下のおかげで仕事がうまくいっていると考えて、感謝の気持ちを込めて「ありがとう」と言ってみてください。
そのような心境になれない場合は、禅を学んでみることをおすすめします。京セラの創業者でありJALの再建を担った稲盛和夫氏や、Appleの創業者のスティーブ・ジョブズ氏など、世界の成功者が禅を実践していたことは有名です。部長ともなれば、自分自身を見つめ、今後の人生を見つめ直し、心を整え、行動を変えていくことが必要です。
Googleがリーダー研修に禅を取り入れて注目を集め、Apple、Intel、Facebook、SAP、LinkedIn、ゴールドマン・サックスなどの企業も次々に導入しています。
部長研修にマインドフルネス研修も有効ではないでしょうか?

これからは弱いリーダーが成果を出す時代!

今までは圧倒的に結果を残し、カリスマ性を持った強いリーダーが活躍していました。しかし、ダイバーシティなど価値観が多様化している現在では、一人のリーダーだけで引っ張っていくことに限界が出てきています。
不確実性の時代の部長は、プライドを捨て去り、弱さをさらけ出した方がいいのです。不要なプライドから解放されて、部長と部下がお互いにオープンであることが大切です。そこに信頼関係が生まれます。
たとえば、「部下よりも優秀でなければならない」と考えていると、部下に教えてもらったり、部下の力を借りたりすることができなくなってしまいます。
また、常に実績や肩書にばかりこだわっていると、自分に媚びる部下をかわいがり、意見具申をする有能な部下を承認しようとしません。そうなると大切な情報が入ってこなくなり、問題の本質から離れた意思決定がなされてしまいます。ビジョンを共有して会社を成長させるためには、お互いの弱さを見せ合うことが必要です。
そのために、社内運動会や社員旅行などの社内イベントを実施し、仕事以外において、腹を割って話す機会を設けることも有効でしょう。

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【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)

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