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報連相の不足で問題が発生するが職場の意識は向上しない~報連相Q&A

報連相の不足で問題が発生するが職場の意識は向上しない~報連相Q&A

(2018年10月11日更新)

 
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職場の報連相の意識が上がらない、そんな悩みを持つ上司の方のご相談です。いろいろと手を尽くしているにもかかわらず職場の報連相の意識が今一つ上がらないのは、どこに問題があるのでしょうか。

 

【質問】

私の職場ではなかなか報連相の意識が向上しません。報連相のキャンペーンを行ったり、本や研修用DVDを使用した勉強会を実施していますが、いまいち効果が上がっていないように思います。私も部下に対して口酸っぱく「報連相の徹底」を言ってはいるのですが、いざ仕事がはじまると、どうも職場全体で報連相の意識が今一つできていないのです。

何か問題が発生し原因を追究していくと、たいていの場合は職場の報連相不足が出てくるのですが、いつも問題が発生して初めて報連相不足を認識するといった、後手々々に回っている感じがあるのです。

職場の報連相の意識を高めるために、何かよい方法はないのでしょうか?

(Kさん・製造業 マネージャー)

*   *   *

 

【解説】

色々と手を尽くしているにもかかわらず職場の報連相の意識が今一つ高まらない。実はこのような悩みは質問者のKさんの職場特有のことではなく、多くの組織でも同様の現象が起こっています。

しかし、報連相の意識が高く、しっかりと必要な情報の共有化を行い、仕事の成果や生産性の向上につなげている組織もあります。実際の職場で報連相の意識が高まらない組織と、報連相の意識を高く持てている組織とでは、いったいどこに違いがあるのでしょうか。

 

報連相の意識を高められない組織にありがちな2つの誤解

実際の職場で報連相の意識が高まらない組織には、報連相に対するいくつかの誤解があります。そのもっとも多い誤解には次の2つがあります。1番目は『報連相は、報告・連絡・相談のこと』という誤解。そして2番目は『報連相は、職場のコミュニケーション』という誤解。Kさんの職場でも心当たりはないでしょうか。

これら2つの誤解がなぜ起こっているかというと、書店に並んでいるような報連相のビジネス書や、世間一般に行われているほとんどの報連相研修は、新入社員のビジネスマナーレベルを対象とした内容で語られているものがほとんどだからです。

しかし、実際の職場では新入社員のビジネスマナーレベルではない、現場ならではの現実的な報連相が存在しています。

 

報連相は「情報の共有化を深める取り組み全般」を指す言葉

報連相というと、多くの人は「報告・連絡・相談の頭文字をとった略称」と考えていますが、それは大きな誤解です。報連相について書かれている多くの書籍でも、最初に「報告とは」「連絡とは」「相談とは」といったような言葉の定義から入るものがほとんどです。しかし、実際の職場で行われている報連相は、そんな言葉の定義通りにスパッと切り分けられて報告や連絡が行われているわけではありません。報告とも連絡とも取れるケースもありますし、報告や連絡の延長線上で相談に発展するケースもあります。それ以前に、職場での報告・連絡・相談は抽象的な場合も多く、本人たちも意図せず報告・連絡・相談を行っているケースさえあるのです。

そして、職場での報連相は、仕事で必要な情報を関係者同士で共有化するために行うものですが、職場での「情報の共有化を深めるための取り組み」は何も報告・連絡・相談だけではありません。

確認、質問、訂正、提案、調整、意見具申、根回し、問題提起、課題の共有、情報収集、情報発信、すり合わせ、打ち合わせ など、その種類は多岐に渡ります。

ですが報連相を報告・連絡・相談の略称と考えている組織では、これら「情報の共有化を深めるための取り組み」はすべて「報連相とは認識されないままになっている」のです。しかも、実際の職場で仕事をしていると、報告や連絡や相談よりも上記の項目を行っている場合の方が圧倒的に多いのが現実です。

報連相の意識を高めたいのであれば、まずは報連相とは「情報の共有化を深める取り組み全般」を指している言葉であることを意識するとよいでしょう。

 

報連相は単なる職場のコミュニケーションではない

報連相の話をすると、よく「これは職場のコミュニケーションですね」という人がいます。確かにそうかもしれませんが、報連相は単なる職場のコミュニケーションではありません。それでは、報連相とコミュニケーションとではどこに違いがあるのでしょうか。

まずコミュニケーションについてですが、そもそもコミュニケーションとは「言葉や身振り手振りで意思疎通を図ること」です。報連相も意思疎通を図るという点ではコミュニケーションとも言えますが、報連相とコミュニケーションとの間には決定的な違いがあります。その決定的な違いとは何か、それは「目的(何のためにそれを行うのか)」です。

報連相には、明確な目的があります。それは「報連相は、情報の共有化を深め、○○するため」という目的です。

この○○の中には、組織ごとに独自の目的が入ります。たとえば接客サービス業を行っている、とある企業では「私たちにとって報連相とは、情報の共有化を深め、仲間同士でサポートしあえる合える組織をつくるため」と定義づけていました。仲間同士でサポートし合うための情報の共有化は、すべて報連相であるというのです。

またある製造業の企業では「私たちにとって報連相とは、情報の共有化を深め、互いに助け合い生産性を高める俊樹をつくるため」と定義づけをされていました。報連相が、単なる職場のコミュニケーションではないことがよくわかります。

 

上司自身が報連相を誤解してはいないか

報連相が浸透しないことの原因は、他にもいくつかあります。たとえば「報連相は部下が上司にするもの」という考えや「報連相は新入社員のビジネスマナー」というのもよくある誤解です。

しかし、いずれにしても実際の職場で報連相の意識が向上しないのも、上司からして報連相を誤解している、というのが一番の課題になっている場合が多々あります。

Kさんの組織でも、一度職場の皆さんで「自分たちにとって、報連相とは何か」を徹底的に話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。

 

 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。


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