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部下と会話できない上司必見! 若手社員への質問の仕方

部下と会話できない上司必見! 若手社員への質問の仕方

(2019年7月 1日更新)

 
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部下(若手社員)との会話が弾まない上司のみなさん、「質問」をひと工夫すればコミュニケーションは変わってきます。人事部長も知っておきたい会話のポイントをご紹介します。

 

 

まずは部下・若手社員の傾向を理解する

まず初めにお伝えしたいのは、時代とともに若手社員は、緩やかにではありますが、考え方や仕事の取り組み方が変化しているということ。当然、今の管理職・上司や人事部長の世代が若い頃とは異なっています。つまり、自分が若い頃に指導・教育された方法は、今どきの若い世代には通用しにくくなっているということです。

それは、若手社員とのコミュニケーションや、「質問の仕方」でも意識しなければなりません。まずは次の3つをふまえて質問することが大切です。

 

(1)今どきの若手は「自分で考えること」が苦手

今の若い世代は、自分で考えることが苦手です。苦手というのがおかしければ、経験や習慣が足りません。原因は社会人になる前の教育全般にあるのですが、そこまで遡らなくても、社会人になってからでも「考えない」ことが多いのです。

仕事上の覚えるべきことも、なぜそうするのかを考えずにマニュアル化してしまいます。上司も単に指示することが多く、なぜなのか、どうして必要かなどと考える機会を与えませんから、考える機会そのものも少なくなっています。

稀に「君の考えは?」と質問するような上司がいても、「なぜ、そう考える?」までさらに聞くことは少ないのです。

ですから、「君はどう思う?」などと、いきなり若手の考えを聞く質問をするのはNGです。もちろん、相手の考えを聞くのは悪いことではありません。しかし、タイミングと文脈が大切なのです。大前提として、若手は考えるのに慣れていないし苦手ということを念頭に置いておくといいでしょう。

 

(2)叱られることに慣れていない

これは、上司が質問に限らず大きな声で話すと、叱られたととらえる部下もいるという意味でもあります。

叱られた経験が少ない若手に、上司が大きな声で「昨日はどこに営業に行ったんだ?」と質問しますと、何か問題があったのかととらえたり、これから叱られるんだと考え過ぎてしまうことがあります。

声だけでなく、表情が険しいとか、態度が怖いという印象を与えるものですと、相手は身構えてしまいます。今どきの若手は、褒められることはあっても、叱られ慣れていないので、質問するときの態度から誤解してしまうこともあるわけです。上司は、スマイルで話したり、姿勢や態度に気を配ったりと、誤解を招かないようにしたいものです。

 

筆者が研修を行ったときに、「上司が前に来ただけで怖い」という年代差のある部下の話を聞きました。これは、上司の年代の人は、表情筋が加齢とともに固くなってしまうのも原因の一つです。上司は事前に鏡でスマイルをしてから、部下と話すくらいで良いのです

 

ここまでを簡単にいえば、質問は、考えさせるものは、まずは相手の様子を見ること。さらに、強く言われることに慣れていない若手が、どうとらえるかまで考えておくことがポイントです。これらは、世代が離れている人に対して心がけるべきことなのです。

 

(3)マニュアル・手本があると強い!

今どきの若手は、自分で考えるオリジナリティに欠ける傾向はあります。しかし、マニュアル化されていたなら、要領よく行動できるのも特徴と言えます。そこで、質問する前に、まずは「手本」を示すのも良い手です。

言い方は変ですが、質問の答えをまずは誘導するのです。あまり大きな声では言えませんが、私が研修のコメントを口頭でもらうときに応用しています。

いきなり、「今日の研修のコメントをください」と言ってもなかなか出てきません。そこで、こんな感じの言い方で誘導しています。

「それでは、受講者の皆さんから、この研修で得たこと、学んだこと、仕事で使えそうなことなど、何でもいいですからコメントしてもらえますか?」

言い方として、“何でもいい”と言いながら、“得たこと、学んだこと、仕事で使えそうなこと”と、考えを前向きな内容に向けるのです。

前向きなコメント例を示すこともあります。

「たとえば『優先順位のつけ方が役立ちました』というような一言で構いませんので、コメントをもらえますか?」

答え方の手本を示すことなく、ただ「感想をください」では、すぐには出てこないものです。しかし、肯定的なサンプルを示して質問形式で感想を求めると、活発に答えが出てきます。今どきの若手社員はマニュアルがあると強い! 「手本」を示せば答えが出てくるのです。

 

質問には「相手が答えやすい形」がある

相手の年代に関係なく、質問には「相手が答えやすい形」があります。たとえば、自分の意見を軽く言ってから質問するのはその一つです。「自分は○○と思うけど、あなたの意見は?」という質問の仕方です。

これは特に年代の違う若手社員に、人事部長のあなたが質問する時にも有効です。もともと若手は自分で考えて、自分の主張をするのが苦手であることに加えて、人事部長を前にして緊張感も高くなっているわけです。ですので、まずはあなたの考えを話してから、手本的な答えも示唆しつつ答えを待つくらいにしたなら、質問の答えは返ってきやすいでしょう。

今どきの若い人は反応が薄くて困る、という話をよく聞きますが、年代差のある若手社員に質問するときには、質問する側の気配りが必要ということを心にとめておくといいでしょう。

 

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松本幸夫(まつもと・ゆきお)

人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。


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