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AI時代に求められる5つの「性格スキル」をどう伸ばす?

AI時代に求められる5つの「性格スキル」をどう伸ばす?

(2018年4月 3日更新)

 
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本格的なAI時代の到来を前にして、人間性の豊かな人、人格的に優れた人をいかに育てるかに注目が集まっています。そこで重視されるのが「性格スキル」という要素です。今回は、5つの「性格スキル」をご紹介するとともに、企業の人材育成のなかで、どう高めていくのかを考えます。

 

AI時代にこそ求められる人間性

将来、AI時代が本格的に到来したとしても、各種のビジネスにおいて、人対人で交渉が行われる場面がまったくなくなることはないでしょう。事業の種類や規模にもよりますが、人と人とが対面し、信頼関係を結んだうえで取引が進められることは、これから先も多いはずです。人と対面しないインターネットを通じた取引においても、広告の出し方やメールでのやり取り、納品する商品の梱包の仕方なども含めて、そこに「人間性」が垣間見えることがあります。メールの文言一つで相手に不快感を与えることもあれば、反対に、ちょっとした気遣いが伝わってファンになってもらえることもあります。

 

「性格スキル」の5つの要素とは

そこで重視されるのが、人間一人ひとりの「性格スキル」という要素です。米シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授らは、ビジネスパーソンに求められる「性格スキル」を研究しており、その内容は日本の経済産業省でも注目されています。

「性格スキル」は、次の5つの要素で構成されています。

 

(1)開放性=新しい経験に対して好奇心を抱き、前向きに受け入れる傾向のこと

(2)まじめさ=責任感が強く、勤勉で、粘り強く、サボったり手を抜いたりしないこと

(3)外交性=明るくて、社交性や積極性があること

(4)協調性=周囲の人たちとよい人間関係をつくり、快く協力したり相手に合わせたりできること

(5)精神的安定性=激昂したり消沈したりすることが少なく、常に穏やかな精神状態をキープできること

 

「性格スキル」を向上させることで、その人の人間性や人格を高めていくことができます。性格のよい人、人間性の豊かな人、人格的に優れた人は、周囲の人たちや取引先からも好かれ、信頼されるようになります。人として信頼されることで、ビジネスパーソンとしての評価が上がり、さらに成長していくことができます。もちろん企業の発展にも直結しています。こうした要素は、AIには求められないものといえるでしょう。

 

「まじめさ」と「協調性」

企業は、マンパワーの底上げを図る意味でも、若手社員や中堅社員に対して、「性格スキル」を向上させるような人材教育を検討していくべきだといえます。人間の基本的な性格は幼少期に形成されるものですが、実は青年期においても、さまざまな経験や学びを通して「性格スキル」を伸ばす可能性が十分にあります。

「性格スキル」の5つの要素の中でも、「まじめさ」と「協調性」は特に重要です。国内のある調査においても、「まじめさ」のポイントが高いと判定された人物は、低い人に比べて高学歴の傾向があり、社会人になってからも実績を残して高収入を得ているという統計が出ています。当たり前ですが、まじめな人は勉強も仕事もサボったりせず、常に努力し、何事も根気よく最後までやり抜きます。それがさまざまな面でよい結果を生み出すのです。

また企業や団体においては、複数の人間が一つの目標に向かって役割を分担したり、協力し合ったりしなければなりません。仕事を高いレベルで遂行していくには、高い「協調性」が必要です。そうした意味で、「まじめさ」と「協調性」が特に重視されるのです。

 

若手・中堅社員の「性格スキル」を高めるには

では、企業の人材育成において、この「性格スキル」は、どのようにすれば高めることができるでしょうか。

一つには「責任ある仕事を任せる」という方法があります。人は誰でも「任される」ことによって責任感が高まり、それをやり遂げようとして精一杯努力するものです。その過程で「まじめさ」が向上していくと考えられます。仕事を任せて結果が出たとき、上司がそれをきちんと認めて評価することも重要です。

また「協調性」を高める方法としては、「転勤」や他の部署への「配置換え」を行なうのも有効でしょう。新しい職場で新たに人間関係を構築しながら、互いに協力して仕事を行なうことで、「協調性」のスキルが向上します。

このように、今後、企業においては、若手・中堅社員の育成を考える際に、「性格スキル」を意図的に高めていくような取り組みに力を入れていくべきでしょう。AIに取って代わられることのない「人間力」を備えた人材が、これからの企業を牽引していくことは間違いありません。

 

 

若手社員研修


 

的場正晃(まとば・まさあき)

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

 


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