課長職にマネジメントの革新を!
RSS

今どきの若手社員の悩みと育成支援

今どきの若手社員の悩みと育成支援

(2017年9月29日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

まじめで意欲も低くないが、あえて挑戦しない若手社員が多いと聞きます。彼らは日頃どんな悩みを抱えているのでしょうか。また、どう支援すれば成長するでしょうか。PHPゼミナールの人気講師が解説します。

 

*   *   *

 

今どきの若手社員の特徴

若手社員は将来、会社を背負って立つ大きな財産です。いずれは会社の中心選手として活躍をしてほしいわけですが、早期離職やメンタルヘルス問題もあり、なかなか思うように育成が進まない現状は、人材開発を担当する皆様にとっては悩み深いところではないでしょうか。

少子化で、多くのオトナの目が届く環境の中で育ってきた彼らは、与えられることに慣れています。自ら手を伸ばして獲得するというよりは、外的環境に従順に沿っていくことを選びがちです。まじめであり、意欲も決して低くはないが、あえて挑戦をするような果敢さは、さほどない。そんな特質傾向のある若手を、どのように育成支援していけばよいでしょうか。

 

若手社員の内発的なやる気・主体性引き出す

若手社員育成のためには、内発的なやる気・主体性引き出すことが肝要です。外から「やれ」と命令されてやる成果がたとえば「レベル1」とするならば、自分で仕事対象に納得共感をして、主体的にやろうと決めてやる成果は「レベル10」以上。たとえ成果が出せなかった場合でも、内発的やる気によって取り組んだ仕事のプロセスから得る経験は、その後、他の仕事にまで波及する大きな、そして長いスタンスのモチベーションになります。

その内なるやる気を引き出すには、まず若手との関係を築き、会話の相手になることです。とにかく「話を聴く」。今、何を思い、考え、仕事をしているのか。そして本当はどうなりたいと思っているのか。会話の中から、少しずつ若手社員自身に成長目標を意識してもらいましょう。「なりたい自分像」を自ら設定することが、内発的なやる気・主体性引き出すスタートです。

 

早期離職を招く孤立感から脱却させる

私は、講師として、またコーチ・カウンセラーとして多くの若手社員の相談を受けています。統計データというわけではありませんが、私が彼らに聞いた悩みをランキングにしてみました。

1位「わからないことを先輩上司に訊けない」

2位「仕事が時間内に進まない」

3位「上司に叱られてばかりいる」

4位「自信がないので、何ごとも積極的になれない」

こうした悩みがつのると、職場内ひきこもり状態などになりやすく、結果、メンタル不全や早期離職につながりかねません。

ここで重要なのは、孤立感から離脱させることです。「悩んでいたり、困っていたりするのは自分だけではないのだ」という気づきを、いかに与えられるかです。

同期が身近にいない、同じ部署ではすぐ上の先輩と年齢が離れている、そのような立場の若手も多く、どうしても「自分だけが」悩んでいるという意識をもち、自信を失いがちです。ですので、広く社内同期が集まって話をするミーティングの機会をつくったり、部署はちがっても年の近い先輩社員がメンターとして悩みを共有したりといったことをお勧めします。

また、階層別の職場外研修に送り出して、他社の若手とのふれあいのなかで切磋琢磨するのは、本人の自覚を高める貴重な体験となります。自分だけが悩んでいるのではないと気づくことで、悩みを乗り越えて職場で生きていく“勇気”が生まれてくるのです。

 

現状と「なりたい自分」のギャップがモチベーションを創る

また、若手社員にとって大切なのは、日頃の自分の仕事ぶりを客観視することです。客観視することで様々なことが見えてきます。特に自分の強みと弱みを把握する「現状把握」は、前述の「成長目標を意識する」こととペアになって、モチベーションを高めてくれます。現状と「なりたい自分」のギャップがモチベーションを創るのです。

しかし、彼らには、まだ自分の仕事ぶりを自分“ひとりで”客観視する力がないかもしれません。失敗したり悩んだりしながらも、やり続けてきたことは何なのか。着実にできるようになったことは何か。自分に信頼をおけるところはどこか。また仕事をする上で弱い点は何か。うまくいかないことの共有点はどこにあったか。一対一で問いかける、あるいはグループ対話の機会を設け、彼らが自身を客観視するチャンスを与えることが大切です。

私が講師を務めるPHPゼミナールの若手社員研修では、こうした自己把握の取り組みのほか、他者とコミュニケーションをはかり人間関係をつくる力、自己表現をする力、リーダーシップを発揮する力、説得的プレゼンテーションをする力等を、ワークや発表などで身につけていただいています。存外にうまくできなかった、失敗してしまった等の経験も大切な糧となります。自分自身を過大評価していたことに気づきを得ることもあるでしょう。また、失敗しても最後までやりきれた要因は何なのか、思わぬアクシデントに自分はどのように対応できたのか。新たな局面における自分の底力を実感することもできます。プログラムの中で、講師からはもとより、受講者同士のフィードバックを得ながら、気づきを重ねて得た自分の強み弱みの把握、そこから生まれてくるモチベーションを明日からの実務に活かしていただいています。

 

内発的なやる気・主体性を引き出す、孤立感から脱却させる、そして自分の強みと弱みの現状把握をさせる――御社ではそうした育成支援ができていますでしょうか。将来を担う若手社員の育成のヒントになりましたら幸いです。

 

 

若手社員研修

 

 


 

吉田真知子(よしだ・まちこ)

住金物産(株)にて国内営業事務に従事後、フリーアナウンサーに転身。2000年より話し方・コミュニケーション研修を開始した。03年に産業カウンセラー、04年にキャリアコンサルタント資格を取得して以降、企業・自治体・教育機関等における人材開発に注力している。07年からは中央労働災害防止協会メンタルヘルス推進支援専門家として、事業所のコンサルテーションやカウンセリングを担う。現在は、人材活性・チームコンサルタントとして、講演・研修・チームコーングで人材・組織開発を展開。個人の個性と可能性を活かした参加型プログラムを得意とする。
一般社団法人全国チームコーチ連盟理事。大阪家庭裁判所委員会委員。PHPゼミナール講師。

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ