階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

若手社員の「段取り力」を育てるには? 忙しさに負けない考え方を紹介

2018年9月 7日更新

若手社員の「段取り力」を育てるには? 忙しさに負けない考え方を紹介

入社してから2~3年経つと「時間に追われて忙しい」といった悩みを抱える若手社員が多くなります。そんな彼らの主体性を育て、チームの中核を担う中堅社員へと成長させるための考え方、仕事術を紹介します。

INDEX

「時間に追われて忙しい」と悩む若手社員がいたら

仕事には終わりがありません。ひとつの仕事が終わったら次の仕事というように、息つく暇もなく新しい仕事が舞い込んでくるものです。「時間に追われて忙しい」という若手社員がいたら、それは"段取り力向上のチャンス"だと教えてあげましょう。
段取りは仕事をスムーズに進めるために考えるものです。したがって、「忙しい」と感じるのは、立てた段取りが不十分だからだと考えることができます。言い換えれば、仕事の状況を把握して段取りをきちんと立てることができていれば、時間に追われて忙しいと感じることはありません。
「忙しい」は仕事の異常事態を知らせてくれる警告です。そういう時は、やみくもに仕事を進めさせるのではなく、一度立ち止まって段取りを考え直してもらうといいでしょう。

松下幸之助さんのエピソード

では、どのように段取りを考え直したらいいのでしょうか。そのヒントになるエピソードをご紹介しましょう。
パナソニックの創業者、松下幸之助さんは、毎日のように提出される全国の事業所からの報告書を、かなりの時間を割いて確認していました。その内容は、経営にかかわる重大なものから、各営業所の毎日の活動報告というようにさまざまでした。ある時、あまりにも届く数が多いので報告書の数を確認すると240種類もあったそうです。会社のことを把握するのは社長の仕事だとはいえ、これほどの数を確認して、1つひとつに判断を下していくのは時間もかかり大変な仕事です。
そこで、松下さんは「明日、会社が潰れると困るから、報告書にするのは今日読まなければ明日会社が潰れるものだけにして、それ以外は全部やめよう」と指示をしました。すると、それ以降、提出される報告書の数は42種類に減り、他の仕事をする時間を捻出することができたそうです。
松下さんが行なったのは仕事の整理整頓です。つまり、仕事の全体像(=240種類の報告書)を把握し、本当に必要な仕事(=42種類の報告書)だけを残す作業です。この作業こそ、段取りを考え直すヒントになります。

重要度と緊急度を把握して仕事の整理を

時間に追われながら行なっている仕事には、緊急でしなければならない仕事もあれば、重要度は高いけれど後回しでいい仕事、あるいは他の人に任せてもいい仕事というように、さまざまな種類があります。「忙しい」と言う若手社員は、仕事の種類を考えず、来た仕事をひたすら片付けているだけの状態かもしれません。

そこで、次の手順を参考に、仕事の見直しをしてもらうといいでしょう。

(1)仕事の整理整頓をして、仕事の種類(緊急度、重要度、行なう人)を分ける
(2)分けた仕事の種類の中から、本当に必要な仕事だけを残す
(3)残った仕事で段取りを立て直す

若手社員が「忙しい」と言う場合には、やみくもに仕事を進めさせるのではなく、いったん立ち止まって段取りの再構築を行なってもらいましょう。立ち止まる時間がないと言うかもしれません。しかし、忙しい時こそ段取り力向上のチャンスです。段取りを再構築したほうが、結果的にはるかに速いスピードで仕事を進めることができることを、この機会に覚えてもらいましょう。

難しい仕事へのチャレンジが若手社員を成長させる

若手社員の主体性を育て、仕事力を向上させるためには、彼らにとって少し難しい仕事にどんどんチャレンジさせていくことです。中堅社員になると、楽な仕事と難しい仕事の見分けがついてきます。そのような時に、うまく言い訳をして難しい仕事から逃げる人がいますが、それではいつまでたっても仕事力は向上しませんし、社会人としての成長もありません。
難しい仕事にチャレンジすれば、失敗することもあるでしょう。しかし、その失敗は次の成功の第一歩です。自分なりに創意工夫をして段取りを立て、試行錯誤しながら進めていけば、仕事力は自然とついていきます。そして、その積み重ねが彼らを、主体性をもって仕事を進めていける中堅社員へと成長させるのです。

※本記事はPHP通信ゼミナール『ダンドリ仕事術マスターコース』テキストを抜粋・編集して制作しました。

通信教育「ダンドリ仕事術マスターコース」

ダンドリ仕事術マスターコース

仕事には失敗がつきものです。どれだけ慎重に進めても、予期せぬトラブルなどで失敗してしまうことがあります。その失敗の可能性を低くするために重要なのが「段取り」です。仕事の完成形から逆算し、必要なことを必要な時に行なう方法を身につけることができたら、仕事の精度はグンと上がるはずです。

コースの詳細とお申込はこちら

中堅/若手社員研修・教育TOPへ

【監修者紹介】
桑原晃弥(くわばら・てるや)
1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)、『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(PHPビジネス新書)などの制作を主導した。『スティーブ・ジョブズ全発言』『ウォーレン・バフェット 成功の名語録』(PHPビジネス新書)など著書多数。

新着記事中堅/若手社員研修・教育

  • 中堅社員研修 意識革新コース(公開セミナー)
  • 若手社員研修 仕事力アップコース(公開セミナー)
  • 舘野泰一監修 若手社員のリーダーシップ開発研修
  • 若手・中堅社員研修DVDビデオ教材
  • 若手・中堅社員向け通信教育

×