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若手社員の育成は「スケジュール管理」から

若手社員の育成は「スケジュール管理」から

(2018年9月26日更新)

 
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「いつも忙しくて自分の仕事ができない」という悩みをかかえる若手社員には、実践的なスケジュール管理法を教え、自律型社員へとしっかり育成していきたいものです。

 

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若手社員が抱えがちな「いつも忙しい」という悩み

「なかなか自分の仕事ができない」「集中して仕事ができなくて、いつも“邪魔”が入ってしまう」――人事教育を担当する方は、若手社員との面談で、こうした悩みを聞くのではないかと思います。

例えば、大切な仕事をしようとしていると、上司から割り込みで仕事を頼まれたり、あるいは、先方とのアポイントで埋まってしまって、身動きが取れなくなる、などです。

若手社員がそんな状態になってしまうのには大きな原因があり、それを取り除かないと、いつまでたっても「忙しい」「仕事に振り回される」という状況から抜け出せなくなります。

この原因というのは、スケジュール上の「アポイント」の取り方にあります。アポイントの中には「取引先と会う」という外部ばかりではなく、会議とか、他部門との交渉など、内部の仕事も含まれます。

このように相手のある仕事の場合、「相手主義」でアポイントをいれてしまっていないでしょうか。先方の都合に合わせて

「来週、都合のいい日はありませんか?」

「水曜日の午後2時、14時ですね。わかりました」

といってスケジュールを決めたり、

「明日の10時からミーティングやるよ」

「ハイ、わかりました」

と上司から言われたら、何の考えもなくスケジュールにいれてしまう……。

これが進んでいくと、「空いている時間に自分の仕事をする」ということになってしまいます。もし若手社員が仕事に振り回されていると感じているのであれば、このことが大きな原因である可能性があります。

 

「自分アポイント」でスケジュール管理

「いつも忙しい」という状態から抜け出し、自分の時間を確保するには、どうアドバイスすればいいでしょうか。

それには「自分アポイント」を使います。自分で先に自分の大切な仕事を予約して、スケジュールを押えてしまうことです。そこは“聖域”にしてしまい、極力ほかのアポイントや仕事は入れないようにするのです。

もちろん、上司の都合や周囲との兼ね合いもありますので、自分アポイントがすべて実行できるとは限りません。そのあたりは、可能な限りでということになります。

一週間単位で、翌週のスケジュールを考えるとしましょう。今までなら、先方のアポイントの入った順にスケジュールを埋めていき、空いた時間に自分の仕事を行っていたとします。しかし、段取り上手な人は、まず始めに翌週で自分が「ここは自分の仕事をしっかりと集中して取り組みたい」というアポイント(自分アポイント)を取り、真っ先に埋めてしまうのです。

 

まずは毎日1時間の「自分アポイント」

このような自分アポイントは「毎日」取るのが理想的です。毎日1時間でも「自分だけのアポイント」が取れたならば、成果は上がることでしょう。目標は毎日1時間、自分アポイントとして能率の上がる時間帯に取ることです。

しかし、当然、割り込みがあります。緊急クレームのような突発的な仕事や、上司からの急ぎの仕事なども入ります。ですから、変更を前提に、少し多めに自分アポイントをしておくのです。初めは週に1回でも自分アポイントで大切な仕事が実行できたらよいというスタンスで取り組んでもらいましょう。

理想に至るまでは、自分アポイントを行って、その後に他からの仕事のアポイントをいれていくことを習慣づけるといいでしょう。そして可能な限り、極力、自分アポイントを崩さないという心構えで臨んでもらいましょう。

 

“できる若手社員”のスケジュールとは?

良いスケジュールとはどのようなものでしょうか。分刻みでビッシリ仕事がはいったものでしょうか。

自分一人で仕事をしているのであれば、そのスケジュールで問題ないかもしれません。ただ、仕事は上司や同僚、関係先などさまざまな人とのなかで進めていくものです。

上司から急ぎで仕事を依頼されるかもしれませんし、取引先からの突然のクレームで至急処理が必要な案件が発生するかもしれません。また、1時間で終わらせるつもりの打ち合わせが30分伸びてしまうこともあります。その結果、スケジュールの見直しを迫られ、予定通りに仕事が終わらなくなってしまうこともあるでしょう。

私は、仕事を効率よくこなし、かつ成果を出すための「良いスケジュール」には、「ブランクタイム」が欠かせないと思っています。ブランクタイムとは、空き時間のことです。「空き時間を作るなんてもったいない」「予定を埋めておかないと仕事ができない人と思われる」という人がいるかもしれませんが、ブランクタイムには2つの大きな役割があります。

 

1 スケジュール修正のための代替時間

スケジュール通り業務が進められなくなったときに、ブランクタイムがあればすぐに軌道修正でき、決断も早くできます。また、予定外の案件が急に入ってきたり、新しい仕事の依頼が来たとしても、この時間があれば受けることができます。

私にも、ブランクタイムのないビッシリと詰まったスケジュールを組んでいた時期がありました。当時は研修がオフのときは、午前中は原稿執筆、午後は打ち合わせなど人に会う仕事を行うと決めていて1日平均3、4人の人に会っていました。ところが、午後一番に会った人と思わず話が盛り上がり、気づいたら予定を20分以上オーバーしてしまい、次に約束していた人たちに謝罪と予定変更の連絡をしなくてはならなくなり、移動もバタバタして落ちつかなかったという経験を、何度かしたことがありました。ブランクタイムさえ作っていれば、防げたミスです。このようにブランクタイムはスケジュールに必要なのです。

 

2 自分の仕事を振り返る時間

忙しく、日々の仕事をこなすことに精いっぱいになっていて、じぶんのしごとをふりかえることができていない人のための時間としても必要です。もっと効率の良い仕事の進め方はできなかったのか、どうしてあの仕事をうまく進めることができなかったのか、など、自分に問いかけて改善を常に行うことは大切です。

多くのビジネスパーソンは、ブランクタイムをつくることに抵抗を覚えます。しかし、週に1~2時間は仕事を振り返るブランクタイムをつくることが、さらに効率の良い仕事を行うためのコツになるのです。

 

※本記事は、PHP通信ゼミナール「スピード仕事術マスターコース」のテキストを抜粋・編集して制作しました。

 

 

若手社員研修

 


 

<監修者>

松本幸夫(まつもと・ゆきお)

人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』『仕事が10倍早くなるすごい!法』(三笠書房)など著書は220冊を超える。

 


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