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タイムマネジメントの具体的手法を学ぶ

タイムマネジメントの具体的手法を学ぶ

(2019年2月21日更新)

 
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時間を効率よく使って仕事を進めれば、労働時間を短縮しながら生産性を高めていくことができます。「タイムマネジメント」は「働き方改革」を推進するうえでも欠かせないスキルといえるでしょう。では、社員がこれを習得するためには、具体的にどのような訓練が必要なのでしょうか。

 

 

「重要だが緊急でない仕事」を社員に取り組ませる難しさ

前回(残業が減らない職場は「タイムマネジメント」で社員の意識改革を!)に引き続き、働き方改革・生産性向上、さらには残業ゼロを目指す会社にお勧めしたいタイムマネジメントのポイントをご紹介しましょう。前回、仕事の優先順位に関して、次のような分類の仕方をご説明しました。

 

(1)「重要で緊急な仕事」

(2)「重要だが緊急でない仕事」

(3)「緊急だが重要でない仕事」

(4)「重要でも緊急でもない仕事」

タイムマネジメントのマトリックス

 

上のマトリックスのうち、進めるのが最も難しいのが、(2)の「重要だが緊急でない仕事」です。時間をかけて長いスパンで遂行していく必要があるため、日々の仕事の中で何をどれくらいやり、どういうペースで行えばいいのかが把握しづらいのです。緊急ではないために、忙しさにかまけてつい後回しにしたり、時間が経つうちに何をすればいいのかが分からなくなったり、やるべきことをうっかり忘れてしまったりします。その結果、長期間何も進めることができず、あとになって慌てて取り組み、最終的には残業を余儀なくされたりするでしょう。これではいつまで経っても残業を減らすことは困難です。

 

長期の重要案件は「エレファント・テクニック」で遂行

社員の多くにそうした傾向が見られる会社では、「エレファント・テクニック」の導入をぜひ検討していただきたいと思います。「エレファント・テクニック」について、PHP研究所から発刊されている通信ゼミナール『タイムマネジメントの基本と実践コース』では次のように説明されています。

 

「重要だが緊急ではない仕事」を着実に前に進めるためには、まずその仕事を細かくタスクベースにまで分解する(ゾウのような巨大な仕事を細切れの小さな単位の仕事にする)必要があります。

そして、それぞれのタスクに期日を設けることによって、各タスクを段階的に重要かつ緊急な仕事(=第1象限の仕事)に移していきます。これにより、たとえ第2象限の仕事であっても、日々着実に前進させることができるようになるのです。これが〈エレファント・テクニック〉です。

 

時間をかけて行う大きな仕事は、その内容を細分化し、細分化した一つひとつのタスクについて期限を設定すれば、日々の仕事の中で着実に進めていけるということです。

 

「長期案件進捗ガントチャート」を活用しよう

「エレファント・テクニック」を実践していくには、「長期案件進捗ガントチャート」を活用することが推奨されています。一つの長期重要案件について、例えば二段階で細分化する方法があります。一段階目として、案件の内容を「タスクA」「タスクB」「タスクC」「タスクD」の四つに分けたとします。それぞれのタスクをさらに細かく、「小タスク①」「小タスク②」「小タスク③」「小タスク④」といった具合に分解します。これらを表に書き込み、一つひとつの小タスクについて「期日」を設定します。これで準備完了です。

あとは、日々表を確認しながら、小タスクを一つずつ期日までに完了するように実行すればいいというわけです。最後の小タスクを実行し終えたとき、その長期重要案件が完遂したことになります。

テキストでは、チャートの記入例などを掲載して詳しく説明しています。社員教育に導入された際には、ぜひ活用していただきたいと思います。

 

「スキマ時間」を活かして時短につなげる

就業時間を最大限に活用する方法として、同テキストでは「スキマ時間」をうまく使うことを勧めています。例えば外回りの仕事の途中で、アポイントとアポイントとの間に中途半端に時間が余ったり、デスクワークでキリのいいところまで仕事が片づいたあと、次の会議が始まるまでに少し時間が余ったりすることはよくあります。この「スキマ時間」をしっかりと活用すれば、残業時間を減らすことにつながるのです。

気をつけたいのは、こうした「スキマ時間」は突然発生することが多く、そのときやるべきことが瞬間的に見つからない場合もある、ということです。そうなると、コーヒーを飲んでダラダラと時間をつぶしたり、メールをチェックしたりするくらいしかできなかったりします。これでは効率のいい時間の使い方とはいえません。

こうした事態を避け、スキマ時間を有効活用するために、スキマ時間で行える「細切れタスクリスト」を改めてつくっておくといいでしょう。「少し時間が空いたな」と思ったら、リストを見て、そのスキマ時間にちょうどできそうな仕事をしておくと、時間が無駄になりません。このような「コツ」を、社員研修を通して浸透させていけば、会社全体で時間の使い方が向上していくのではないでしょうか。同テキストでは、さらに詳しいスキマ時間の活用術が紹介されているので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

気持ちよく協力してもらえるコミュニケーションを心がける

誰にも手伝ってもらうことをせず、一人で仕事を抱え込む社員が多いと、チームとしての効率は低くなっていきます。普段はお互いに全然協力し合わないのに、忙しくなったときだけ周りの人に協力を願い出たとしても、必ずしも気持ちよく手伝おうという気持ちにはなれないものです。「人間は感情の動物である」という前提に立って考えれば、常日頃から社員同士のコミュニケーションを密にして、お互いに人として好感を抱くぐらいの人間関係をつくっておくことも大事になります。

好感を抱いている相手の仕事なら、多くの人が喜んで手伝うでしょうし、一つひとつ丁寧にやろうとするものです。こうした気持ちよく協力し合える関係性が、時短と生産性向上の両立につながります。社員研修を通して、社員同士がしっかりとコミュニケーションを取るように仕向けることも、チームが協力して効率よく仕事を進められるようになる重要な要素です。同テキストではケーススタディも紹介されており、職場の人間関係構築に役立てられるはずです。

 

※本記事はPHP通信ゼミナール『タイムマネジメントの基本と実践コース』を抜粋・編集して制作しました。

 

若手社員研修
 

 


 

森末祐二(もりすえ・ゆうじ)

フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。

 


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