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若手社員に教えたい「気がきくコミュニケーション」

若手社員に教えたい「気がきくコミュニケーション」

(2017年7月 4日更新)

 
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「気がきくコミュニケーション」ができる若手社員を、いかに育てるかについて考えていきましょう。

 

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皆さんは、相手の何気ない一言で「この人は気がきく人だ」と思ったことはありませんか? 気がきく人は相手の心を察することができます。なぜ相手の心を察することができるのでしょうか? 「読心術」を身に付けているからでしょうか? スキルや能力ではなく、相手の心を伺う気配りができるからです。

 

「伝える側」の気配りでコミュニケーションの質が決まる

コミュニケーションは「伝える側」の気配りで相手の受け止め方が決まります。最初にコミュニケーションの前提を整えておくことが大切です。当たり前のことですが、その前提とは笑顔で挨拶をする、一声かける、感謝の言葉を惜しみなく伝えあうことです。

そのうえで、相互に相手に関心を持ち、相手のコミュニケーションのスタイルや考え方、価値観を理解することからコミュニケーションは始まります。

まず「伝える側」のコミュニケーションは、1回で100%相手に伝わりきらないことを前提に、その伝え方を工夫することが大切です。自分が伝えたことを、相手がどのように受け取っているのか、相手の反応をよく観察しながら伝えることに意識を向けましょう。

一方「受け取る側」のコミュニケーションでは、表面的な言葉だけではなく、言葉に表れていないところまで察することが大切です。気がきく人のコミュニケーション力は、一歩踏み込んで本質的なところを捉える、言葉に現れない心まで察するからこそ、より深いレベルでコミュニケーションが図れるのです。

 

コミュニケーションは相手の価値観を知ることから

仕事の質は人間関係で決まると言っても過言ではありません。しかし、昨今、メールやパソコン、スマートホンの普及により、コミュニケーションが言葉で内容を形式的に伝えることが増えて、感情や想いが触れ合う人間関係が希薄になっています。こうした状況下でも、気がきく人は、いつも相手の心を察し、自分の想いの伝え方に配慮をして、よい人間関係づくりを図っています。若手社員にはそのことを伝えたいものです。

組織は様々な価値観を持った人たちで成り立っているため、周りに意識や関心を向けて、関わる人への理解を怠らないことが大切です。そのためにはまず、コミュニケーションの前提を整えておくことです。また、自分と相手は違うという認識のもと、相手のコミュニケーションのスタイルやクセ、考え方、感情、行動などを観察し、相手の価値観の理解に努めます。

たとえば皆さんの職場に「時間」を大切にする価値観の人がいるとします。その人と待ち合わせをして、あなたがその時間に1分遅れました。相手は遅れたことに対して、文句を言います。あなたにとってはたったの1分という感覚ですが、時間の価値観を持った人にとっては貴重な1分が無駄になったと思うわけです。

したがって、相手の価値観を理解すると、なぜそのような言動をとるかという背景が見えてきます。それによって相手の取る行動が理解しやすくなり、コミュニケーションが取りやすくなることを、若手社員に教えることが必要です。

 

「伝える側」のコミュニケーションは相手の反応を確認しながら

「伝える側」は、1回言ったから100%相手に伝わらないことを前提にして、コミュニケーションを図ることが大切です。たとえ伝える側が100のことをしっかり伝えたとしても、受け取る相手には一般的に70のレベルしか伝わりません。ましてやこちらの想いや意図は伝わらないと考えたほうがいいでしょう。

伝える内容を相手がどう受け取るかは相手次第で、伝える側はそれをコントロールできないのです。そこで、気がきく人は自分が伝えたことを、相手がどのように受け取っているのか、相手の言葉や反応を確認しながら話を進めています。解釈の違いで誤解を招く、言葉不足・曖昧な言い方によって相互の理解レベルが異なる、憶測や推測、一方的な決めつけで不正確に伝わることを防がなければなりません。

例えば、「頑張れ!」という言葉で部下を激励したとします。解釈の仕方ひとつとっても次の通りです。「時間以内に頑張る」「残業しても頑張る」「期限に遅れても、いいものができるまで頑張る」、また「自分一人で頑張る」のか「他者の力を借りて頑張る」のかも不明確です。

気がきく人は、相手の反応を受け取りながら、相手が理解できるレベルに合わせて、わかりやすい言葉で明確に伝えています。伝えたことが、「伝える側」と「受け取る側」の間で共通認識をするためにも、まず、目的や根拠、全体像を伝えることが大切です。相手が経験豊かな中堅社員であれば、その手段は相手に考えさせてもいいでしょう。相手が経験の少ない新入社員であれば、具体的なやり方を示すことが必要です。

また、人はすぐに忘れることも肝に銘じてください。「1回言ったから伝わった」と思わずに何度も繰り返して伝えることも必要です。

 

「受け取る側」は相手の言葉の背景にある考えを読み取る

相手が「何を言っているか」という表面的な言葉のみを受け取って行動すると、気がきく行動になりません。しかし、伝える側の表情や目の動き、動作やしぐさからその言葉の深層にある相手の考えを読み取ることで、相手が「何を言わんとしているのか」という想いや意図を察することができます。表面的なコミュニケーションにとどまらず、相手の心の声に耳を傾ける本質的なコミュニケーションを目指したいものです。

さらに、相手の想いや意図が読み取れない場合は、必ず質問してください。次に、復唱して確認をする。そして、メモを取って記録に残します。

また、想いや意図を理解できない場合は、正直に「わからない」と言える人間関係も必要です。そのためには、伝える側は不機嫌な気持ちを出さないことも大切です。それは相手が、伝える側の機嫌も受け取ってしまい、それ以上のコミュニケーションが難しくなるからです。

このように「伝える側」と「受け取る側」双方が相手の深層心理を読み取ることで、気のきいた行動が生まれ、気がきく社員を育てることができます。若手社員のコミュニケーション向上に、ぜひお役立てください。

 

 

 

 

若手社員研修

 


 

増谷淳子 (ますたに・じゅんこ)

株式会社ソフィアパートナーズ 代表取締役。日本航空(株)の客室乗務員として培ってきたおもてなしの心とコミュニケーション力を活かし、企業の人材教育企画、指導、育成に従事。2006年、株式会社ソフィアパートナーズ設立。「人間力教育」により「使命感」「気配り」「感謝の心」を育み、組織に貢献できる社員に導くことを使命とする。教育に関する問題解決のため、「ひと」のマインド&スキルアッププログラム提案、カスタマイズされた誠実な教育には定評があり、リピート依頼も多数。


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