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カンタン! うっかり忘れて発生する「メモリーミス」の対策

カンタン! うっかり忘れて発生する「メモリーミス」の対策

(2020年6月 8日更新)

 
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うっかり忘れてしまって発生する「メモリーミス」といいます。仕事をしていると、誰にでも経験があるものです。そこで、簡単にできるメモリーミス対策をご紹介します。

 

 

なぜ「メモリーミス」が発生するのか

ミスの種類は、大きく次の4つに分けることができます。

 

1)うっかり忘れる「メモリーミス」

2)見落としてしまう「アテンションミス」

3)伝わっていないか聞いていない「コミュニケーションミス」

4)判断を間違える「ジャッジメントミス」

 

今回は、これらのうち(1)の「メモリーミス」の原因と対策について考えていきましょう。

誰でも日常生活の中で「うっかり忘れる」経験をしているはずです。例えば何か用事があって立ち上がり、別室に移動している間にその用事を忘れてしまうことがあります。こうした日々の動作・作業における記憶は、脳の「ワーキングメモリ(作業記憶)」という場所に一時的に保管されています。このワーキングメモリは非常に容量が小さいうえ、脳にしっかりと定着せず、ほんの短い時間だけ覚えているに過ぎません。そのため何か他のことをしたり、別のことを思い浮かべたりするだけで、簡単に直前の記憶が消えてしまい、消えたことに気づかない場合すらあるのです。これが「メモリーミス」が起きる原因となります。

 

「メモを取る」「すぐに行う」

この「メモリーミス」を防ぐ第一の方法は、大事な用事や情報があったとき、容量の少ないワーキングメモリからすぐに取り出して、何か別の媒体に「書いておく(メモを取る)」ことです。スマートフォンのメモ機能でも、手帳でもメモ用紙でも付箋でも何でも構いません。あとで見て思い出せる形で残しておけば、そのことを忘れずに済みます。

もっと簡単な方法は、もしもその用事が数分で行えるような内容なら、その場ですぐにやってしまうことです。忘れないうちに用事を終わらせることができれば、ワーキングメモリに一時保管する必要も、メモを取る必要もありません。用事は済んでいるのですから、その時点でメモリーミスは絶対に発生しません。

 

「とっかかりの行動」をやっておく

その用事を行うのに時間がかかる場合は、「とっかかりの行動・作業」だけやっておく、という方法も有効です。繰り返しますが、覚えておかなければならない用事を、ワーキングメモリに一時保管しても、記憶に定着せず、高い確率で忘れてしまいます。そうした事態を避けるため、例えばパソコンで「企画書の表紙部分だけつくっておく」とか、「レポートのフォーマットをつくってタイトルだけ記入しておく」といった具合に、短い時間でできる作業をひとまず行っておくのです。これによって自分が体験した「経験記憶」にランクアップするため、ワーキングメモリに比べて、格段に記憶にとどまりやすくなります。

 

「場所」と「イメージ」を使って記憶する

本シリーズで参考にしているPHP通信ゼミナール『ミスゼロ仕事術マスターコース』では、何も道具を使わない便利な「記憶術」も紹介されているので、概要を紹介しておきたいと思います。メモすら取れない状況や、数分の作業もできないような状況は、実際には少ないかもしれませんが、考え方として知っておくことは有効でしょう。

そもそも人間の脳は、「場所」と「イメージ」に関する記憶力が優れています。狩猟や植物の実を採って生活していた古代から、人間には「食べ物がある場所」や「危険な動物がいる場所」を覚える習性が身についているのだそうです。また、文字情報だけで覚えるよりも、絵や写真などのイメージと合わせて覚えたほうが忘れにくいものです。例えば「歯ブラシ」という文字だけを見るのと、歯ブラシの絵や写真があって、そこに「歯ブラシ」と書かれているのとでは、後者のほうが断然覚えやすいのです。

この人間の脳の性質を記憶術として応用します。具体的には次のような手順で記憶します。

 

1)記憶したい項目を「置く場所」を決める

2)記憶したい項目をイメージに変換する

3)(1)で決めた場所に(2)で変換したイメージを置く。

 

同テキストで挙げられている例を紹介しましょう。

記憶したい項目が「歯ブラシ」だったとします。これを「置く場所」を「自宅の玄関」に決めます(本当にそこに置くのではなく頭の中でそう考える)。次に、歯ブラシを「特大の歯ブラシ」というイメージに変換します。そして、「自宅の玄関で靴を履こうとして靴ベラを取ったら、それは『特大の歯ブラシ』だった」というふうに、「記憶したい項目に場所とイメージをからめた状態」を想像するのです。多少荒唐無稽でも構いません。そうすることで、単純に「歯ブラシ」という言葉を記憶しようとしたときよりも印象が強くなり、記憶に残りやすくなります。

ビジネスの場面で考えてみましょう。記憶したい項目が「次回の会議資料」だったとして、「置く場所」を例えば「オフィスのプリンター」に決めます。そして、「オフィスのプリンターの横を通ったら、印刷しすぎた『次回の会議資料』が天井に届くまで積まれていた」というイメージを勝手に想像するのです。もちろんあり得ない状況ですが、そのように変換することで、非常に記憶に定着しやすくなると考えられます。その結果、「次回の会議資料」を忘れずに準備できるようになるというわけです。

 

人間がやる以上、ミスはどうしても発生します。それでも限りなくミスゼロを目指し、お客様や会社に迷惑をかけないようにすることが大切です。社員教育を通じてミスのメカニズムや防止策をレクチャーし、社員の成長を促していきたいものです。

 

※本記事は、PHP通信ゼミナール『ミスゼロ仕事術マスターコース』のテキストを抜粋・編集して制作しました。

 

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森末祐二(もりすえ・ゆうじ)

フリーランスライター。昭和39年11月生まれ。大学卒業後、印刷会社に就職して営業職を経験。平成5年に編集プロダクションに移ってライティング・書籍編集の実績を積み、平成8年にライターとして独立。「編集創房・森末企画」を立ち上げる。以来、雑誌の記事作成、取材、書籍の原稿作成・編集協力を主に手がけ、多数の書籍制作に携わってきた。著書に『ホンカク読本~ライター直伝!超実践的文章講座~』がある。


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