
新入社員に教えたい、好感をもたれる会話5つのポイント

(2017年10月 2日更新)
新入社員が一人前の社会人として成長するためには、相手の立場に立った会話ができるようになることが欠かせません。そこで今回は、新入社員に教えたい、好感をもたれる会話の5つのポイントをご紹介します。
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“社会人らしさ”とはどんなことか
茶髪にピアス、ロンゲにモヒカン……。現代社会における人の容姿はさまざまです。しかしこのような外見の人たちを、あなたは“社会人らしい”と思うでしょうか。
先日、電車の中で、派手な化粧をした女子高生が、おばあさんに席を譲っているのを見ました。かと思えば、きちんと制服を着て仕事をしている人が、社会人にあるまじき行為をしたという報道も聞こえてきます。こうなると“社会人らしさ”を外見で計るのはバカげたことかもしれません。
私たちは、仕事上も生活上も、お互いに迷惑をかけたり、助け合ったりしながら生きています。だから、何かをしようと思うとき、周囲の人への影響を考え、悪い影響を小さくするような心遣いをすることは、円滑な社会生活をするうえで大切なことです。他人に不快感を与えないような気遣いをすること、自分の都合の前に「相手への影響や相手の都合を考えることなどができる人」になりましょう。これもプロ社会人になるために大切なことです。
社会人らしさには、多くの側面があります。今後、仕事や生活を通して、“社会人らしさ”を身につけていきましょう。ここで述べることは、社会人らしさの一つの側面であり、社会人らしさを身につけるうえでの基本的な姿勢と考えてください。
好感をもたれる会話のポイント
あなたの考えや意思を伝えるには、きちんと話さなければなりません。情報を一方的に“伝える”のではなく、“会話をする”には、相手の話を聞くことが必要になります。よい会話、建設的な話し合いをするには、話すことと聞くことのバランスをとることが大切です。以下にそのポイントを挙げておきますので、しっかりマスターしてください。
(1)要点をおさえて簡潔に話す
(2)“イエス・バット法”で相手の話を肯定的に受け止める
イエス・バット法とは、相手の考えや話の内容に賛成できなくても即座に否定しないで、「なるほど、……ということですね」とまず受け止めることです。賛成できないからといって「それはおかしいですね」とか「それには反対です」といってしまうと、会話の入り口から平行線になってしまいます。イエス・バット法とは、“イエス→バット”の順序で会話することです。相手の発言をいったん受け止めた上で、「たとえば、このように考えるとおかしいでしょうか」などと、あなたの考えを相手に伝えます。会話や話し合いは、相手との接点を見つけないことには始まらないからです。
(3)正しい敬語を使う
(4)早口にならないように注意する
(5)相手の反応を見ながら話し、相手にも話させるようにする
前述した“イエス・バット法”にも通じることですが、一つ話しては、それに対する相手の反応(言葉だけでなく、態度なども含めて)を確かめながら話すことです。自分の考えを伝えよう、わかってもらおうという気持ちが強すぎると、どうしても相手のことを理解しようという気持ちが弱くなります。しかし、自分の話を聞いてくれない人の話は受け入れられないのが人の心の常、ということを忘れてはなりません。
出典:PHP通信ゼミナール『<新版>【記述添削式】めざせ!プロ社会人。』
監修:水井正明 (みずい・まさあき)
1938年、京都に生まれる。1960年、関西学院大学文学部哲学科卒業。1991年、南山大学大学院経営学研究科経営学専攻博士前課程修了。1996年、関西学院大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。1962年、経営コンサルタント活動を始める。1966年、兵庫県芦屋市に「産業社会学研究室」開室。
1968年、名古屋市に(株)産研を設立する。現在、産業社会学研究室室長。松下グループを始め各社で、行動科学、組織開発、社会学をベースにした教育、教育担当育成、海外での教材開発、講演活動、企業診断を担当する。著書多数。
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