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今どきの新入社員に「社会人の心得」を理解させるには?

2017年10月27日更新

今どきの新入社員に「社会人の心得」を理解させるには?

知識として理解はするが行動に移せない、傍観者の立場をとりたがる……そんな今どきの新入社員に、社会人としての心得を理解させるには?

距離を置いて傍観者でいたい今どきの若者

「今どきの若者は……」という批判は、何も「今」に始まった話ではありません。社会である程度の経験を積んだ大人から見ると、若者の行動には首をかしげたくなるような部分があるものです。「今どきの若者」と一括りにするのは無理がありますが、しかし、最近の若者には際立った特徴があるのも事実です。私が大学や専門学校で、インターンシップ事前研修、就職活動対策講座を担当し、日々彼らと接するなかで、気になっている行動をご紹介してみましょう。

・周りの知人・友人には非常にこまやかに優しく接する反面、面識のない人への関心は希薄で、まるでそこにいないかのような態度をとる。
・指示されたことは指示された範囲内でキチンとやり遂げるが、言われていないことには関心ももたないし行おうとはしない。
・自らが周囲からどのようにとらえられているかへの関心は高い。
・口では積極的に行動すると言いながら、現実は自ら手を挙げない。指名されると答える。
・講義で朝一番から同席している同じ学部の学生でも、知らない相手だと終日、挨拶もしないしコミュニケーションをとろうともしない。
・インターンシップ先の新聞社を訪問した際、「最近のニュースで気になることは?」と尋ねられ「私、あまり新聞は読まないので……」と平気で答えてしまう。

いかがでしょうか。企業の人事担当者の方なら、思わず頭を抱えてしまうような行動も見受けられます。
今の学生は、良くも悪くも目立ちたくなく、距離を置いた傍観者に回るような行動をとる、というのが大きな特徴です。また、知識として理解はするが行動に移すのに大きな壁がある、ともいえるでしょう。

「知っていること」「分かっていること」を「できること」に

私が講師を務めるPHPゼミナール「新入社員研修」では、受講生の皆さんに「学生と社会人の違い」について尋ねてみることにしています。すると、真っ先に出てくるのが「組織の一員としての責任の重大さ」です。彼らは講師が求める正しい答えをもっています。ところが、研修初日の午前中には、これが「知っているけれどもできないこと」だと気づくことになります。
社会人になると、研修での初対面の挨拶ひとつをとっても、会社の看板を背負っているという意識が求められます。しかし、そうした意識が欠如していることを感じさせる場面が多いのが現実です。
そこで「新入社員研修」では、受付での朝の挨拶から「見られている」という意識をもっていただきます。講義は、他社の新入社員の皆さんと一緒にグループで受講します。自社の役割をグループごとに1枚のポスターにまとめ、それを発表するという演習課題では、自分の発言、行動が周りに大きな影響を与えることを体感していただきます。こうしたカリキュラムを通じて、受講生は、組織の一員としての責任の重大さを、知識としてではなく体験から学ぶことになります。
「知っていること」「分かっていること」を「できること」に変えること。これは、「新入社員研修」の大きなテーマでもあるのです。

松下幸之助氏の「素直な心」

私は、パナソニックグループの創業者であり、PHP研究所の創設者でもある松下幸之助氏の言葉「素直な心」を、新入社員の皆さんにお伝えしています。松下氏は素直な心を次のように定義しています。

「素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります」。

つまり「素直な心」とは、ただ単純に従順になるということではなく、私たちが見たり、聞いたり、考えたりするときに邪魔になる知識、経験、常識、既成概念、先入観、私利私欲、好悪の感情、プライド等々をすべて取り払って、一切のこだわり、偏りを排除して物事を見る姿勢のことです。この「素直な心」により物事の本当の姿、本質が見えてきます。その結果、正しい判断ができるようになります。正しい判断ができれば自信をもって力強く行動することができるようになるのです。
新入社員の皆さんにまず学んでいただきたいのは、この「素直な心」であり、これはすべての人間が目指すべき境地であるともいえるでしょう。私は、「素直な心」を日々の生活で、あるいは仕事のなかで、どう具現化するのか、3日間の研修の様々な場面でお伝えしています。

「新入社員研修」が終わるとき、社会人の第一歩をしっかりと踏み出すところまで自分自身が大きく成長していることに気づいていただけるよう、講師としてしっかりサポートできればと思います。

PHPゼミナール「新入社員研修」はこちら

山本 清美(やまもと・きよみ)
金融機関で6年間接遇訓練の専門指導を担当する。その後、教育ビデオやテキストの作成、官公庁や各種企業・団体の社員教育、歯科医師会接遇訓練等の講師を務める。1991年オフィスヤマモトを設立。社員研修においては、上場企業・官公庁・ホテル・病院・大学・幼稚園をはじめ数多くの会社の研修指導の実績を持つ。現在、NPO法人日本人材教育協会関西地区エリアマネージャー、京都市生涯教育ビジネスマナー講師、社団法人日本幼年教育会講師、京都府民間保育園協会研修講師、関西圏の大学や専門学校のビジネスマナーや就職対策講座の専任講師、PHPゼミナール講師、PHPコーチング・認定ファシリテーター。

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