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新入社員研修で「なぜビジネスマナーが必要か」をどう教える?

新入社員研修で「なぜビジネスマナーが必要か」をどう教える?

(2017年11月 1日更新)

 
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ビジネスマナーはなぜ必要なのか? 今どきの新入社員と彼らを指導する上司世代では、大きな感覚のズレがあります。どのように教えると彼らは理解するでしょうか。PHPゼミナール講師が解説します。

 

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ビジネスマナーはなぜ必要なのか

インターンシップ研修に参加する学生たちに「ビジネスマナーはなぜ必要なのでしょう?」と問うと、「社会人の基本ルールだから」「周囲との人間関係を潤滑にするためのスキルだから」「仕事上の作法として」といった答えが返ってきます。彼らは、自分自身とは関係なく「きまりだから」「形式だから」と捉えていて、ビジネスマナーに「相手を人として認める証」「自分を周囲から守る盾 (defense of the other people)」という役割があることには気づいていません。組織では、その場のお互いの立場を理解し、相手が安心・満足できる行動を取ることこそ、仕事を円滑に進める要です。彼らには、ビジネスマナーのそうした役割を研修でしっかりと教える必要があります。

また、ビジネスマナーを修得しているかどうかは、個人だけでなく会社のイメージをも大きく左右します。ビジネスマナーを知らなければ信頼は得られませんし、信頼を得られなければビジネスチャンスも巡ってきません。学生時代は気の合う仲間との関係のなかで過ごせるかもしれませんが、社会人になると、年齢や考え方、性格、性別など多様な人との関係を築く必要が出てきます。1日の大半を過ごす職場も、本人にマナーが備わっていれば明るく快適に過ごすことができるでしょう。そして、逆もまた然りなのです。

 

「ビジネスマンの一番大事な務めは愛されること」

昭和58年に、東京に世界各国の若手経営者が集まり、YPO(Young Presidents’ Organization)の世界大会が開催されました。この場で、PHP研究所の創設者松下幸之助は、質疑応答の際に、「ビジネスマンのもっとも重要な責務は何ですか」という質問に対してこう答えています。

「簡単にいうと、みんなに愛されることですね。『あの人がやってはるのやったらいいな、物を買うてあげよう』というふうにならないといかんですよ」「ですから、ビジネスマンの一番大事な務めは愛されること、愛されるような仕事をすることです」

「愛される存在になることこそ仕事」「信頼を築くことこそ働く意義」という、これが正にビジネスマナーの基本の考えです。相手の立場に立ち、相手を大切に思う気持ちがあって初めて相手との良好な人間関係がスタートするのです。

 

今どきの新入社員にビジネスマナーの重要性に気づいてもらうには?

「新人が上司より先に入室し、上席に座ってしまう」「名刺の受け渡しも上司より先、車に乗るのも先」、「上司に対して『頑張ってください』と励ます」――こんな苦言を企業の人事担当の方からうかがうことがあります。

こうしたマナーは、上司の皆さんが新人の頃は、周りへのレーダーを張り巡らし、誰に教えられずとも緊張の中で自然と身に付けたものだとおっしゃるでしょう。しかし今の新入社員に「なぜ?」と尋ねてみてください。彼らはこう答えるでしょう。「指示されなかったから」「言われなかったから」「必要があれば事前に言っといてほしいな」と。

相手を大切にすること、思いやることで、相手のしてほしいことを察知する力を培い、そして表現する方法がビジネスマナーです。新入社員の皆さんは、「自らを職場の人々がどのように捉えているか」「自分を大切に扱ってほしい」という意識は非常に高いのですが、「まず周りに対して相手を大切に思う心を形に表すことが大切だ」ということに気づいていません。

この感覚のズレをどのように埋めていくのか。幸い今どきの若者は「周りの人間が自分のことをどのように思っているのか」について大きな関心を持っています。組織の中で居心地よく仕事をしていくために、自らを大切に扱ってもらうために、ビジネスマナーの重要性に気づいてもらうことが新入研修の役割でありスタート地点です。

 

本当の「心のマナー」を新入社員研修で身につける

私が講師を務めているPHP公開セミナー「新入社員研修」では、講師から言動・発表内容を認められること、大切に扱われること、感じの良い言葉を投げかけられることなどにより、成功体験や自己実現等を体感することで、ビジネスマナーの役割に気づいていただきます。「こうすれば感じが良い」と、まず形から入り、そしてマインドを醸成する。「形は心を呼び、心は形を呼ぶ」。本当の「心のマナー」を、研修を通じて学んでいただければと願っています。

 

新入社員研修

 

 


 

山本 清美(やまもと・きよみ)

金融機関で6年間接遇訓練の専門指導を担当する。その後、教育ビデオやテキストの作成、官公庁や各種企業・団体の社員教育、歯科医師会接遇訓練等の講師を務める。1991年オフィスヤマモトを設立。社員研修においては、上場企業・官公庁・ホテル・病院・大学・幼稚園をはじめ数多くの会社の研修指導の実績を持つ。現在、NPO法人日本人材教育協会関西地区エリアマネージャー、京都市生涯教育ビジネスマナー講師、社団法人日本幼年教育会講師、京都府民間保育園協会研修講師、関西圏の大学や専門学校のビジネスマナーや就職対策講座の専任講師、PHPゼミナール講師、PHPコーチング・認定ファシリテーター。


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