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脳を活性化し「心」を成長させる新入社員研修プログラム

脳を活性化し「心」を成長させる新入社員研修プログラム

(2018年2月 5日更新)

 
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昨今の新入社員の傾向として、「コミュニケーション能力が低い」「感情をコントロールする力が足りない」といった指摘があります。脳の活性化・心の成長につながる研修プログラムを導入し、劇的に変化した実例をご紹介します。

 

リアルなコミュニケーションが減った若い世代の特徴とは

新入社員研修においては、「前頭前野を刺激」する内容をプログラムに盛り込むことが重要です。前頭前野とは、思考や創造性等の重要な機能を担う脳の中枢のことで、不安や不快などの精神的ストレスで刺激され、活性化し、発達していきます。最近の若い世代においては、この前頭前野の発達が不十分な人が増えているといわれます。

そうなった理由はいくつかあります。例えば近年少子化が進んだことで、昔よりも兄弟姉妹、いとこ、近所の同年代の友達などの人数が減ってしまいました。さらに両親が共働きで、親子の会話が少なくなっている場合もあります。その結果、人対人の「リアルなコミュニケーション」が少なくなっているのです。そのうえ、子供の頃からパソコンが身近にあり、インターネットを使える環境で育ち、スマートフォンも早くから利用し、SNSを使って人とやり取りをする機会が増えています。つまり、人と人とのコミュニケーションの方法が、リアル中心からバーチャル中心へと変わってきたのです。

こうした環境で育ったことで、前頭前野が十分に発達せず、人の気持ちを察することができなかったり、自分の感情をコントロールできなかったりする人が増えています。そのため人前でもどこでもすぐに切れたり、すぐに泣いたりしてしまいます。

 

今の新入社員が育ってきた環境を理解する

昔のようにリアルなコミュニケーションが多い環境で育つと、人から嫌なことをいわれたとき、「こういうことをいわれたら嫌な気持ちになるんだな」ということがわかります。反対に、自分が何気なく発した言葉で相手が怒ったりすると、「こういうことをいわれたら人は腹を立てるのか」といったことが体験を通して理解できます。この積み重ねが前頭前野を刺激し、コミュニケーション能力の向上につながるわけです。

その他、子どもが少ない環境で、周りの大人たちから何でもすぐに与えられ、「我慢」をする機会が少ないことも、前頭前野への刺激不足につながっています。あるいはインターネットが普及し、検索をすればどんな情報でも一瞬で獲得できるようになったため、「考え抜く」機会も減りました。あまり深く考えなくても答えがすぐに見つかり、物事が進んでしまうため、前頭前野が刺激されるチャンスが少なくなってしまったのです。これらが相まって、前頭前野が未発達の人が多くなったわけですが、学生の間は何とか過ごせたとしても、コミュニケーション能力が不可欠な社会人としてはなかなか通用しません。

 

前頭前野を刺激する研修プログラムで心の成長を図る

前頭前野を刺激する新入社員研修プログラムについて考えていきましょう。前頭前野を刺激する基本は、「読み、書き、話し、考える」ことであるといえます。この要素を盛り込むことで、受講する新入社員の前頭前野の発達を促すことが可能となります。例えば、何らかのテーマを与えて、1人ずつ3分程度スピーチをしてもらい、そのスピーチの内容について、他の人から感想を発表してもらったり、グループで話し合う時間を設けるのも一つの方法です。スピーチをするためには、最初にメモを書いたり、原稿をつくったりします。これがまずよい刺激になります。人前で話すことも脳を活性化させますし、聞いて感想を述べるためには、しっかりと考えて言葉を選ぶ必要があります。もちろん人対人のやり取りですから、リアルなコミュニケーションの機会にもなっているわけです。

 

コミュニケーション能力を高める新入社員研修の事例

実際に、PHP研究所が新入社員研修を手がけた例をご紹介します。若手社員を大胆に抜擢し、高収入が得られることで人気の企業があります。ここには東京大学の大学院を卒業した超エリートが毎年たくさん入社していますが、企業側としては、エリート新入社員のコミュニケーション能力の低さ、人間らしい感情の少なさという悩みを抱えていました。そこで、2日間の研修に上記のプログラムを盛り込み、スピーチや話し合いを繰り返し行ったところ、最初はロボットのように無表情だった新入社員たちが、研修後には笑顔で会話を交わすようになったのです。もともと優秀な人たちですから、前頭前野が刺激されて「心」が成長し、コミュニケーション能力が高まったことで、素晴らしいビジネスマンに育っていったものと考えられます。

 

日本一のおもてなし 加賀屋の「形の訓練」とは

「心」の教育という意味で、もう一つ興味深い事例を紹介しておきましょう。ホスピタリティの素晴らしさで有名な石川県和倉温泉の加賀屋では、新入社員に対して「お辞儀」の仕方や「挨拶」の仕方を徹底的に訓練しているそうです。要はおもてなしの「形」をとことん叩き込むわけです。不思議なことに、「形」の特訓を行うことで、だんだん社員の「心」が整っていくとのこと。おそらく、おもてなしのための「形の訓練」が前頭前野の刺激につながり、結果として「心の成長」につながっているのではないでしょうか。

 

前頭前野の発達が不十分といわれる新入社員を育てる研修においては、「読み、書き、話し、考える」プログラムと、「お辞儀」「挨拶」といった「形の教育」を盛り込むことをお勧めします。これによりコミュニケーション能力が高まり、心の成長を促すことができるでしょう。

 

 

 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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