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導入研修での「感動」の体験が、新入社員の善良な心を引き出す

導入研修での「感動」の体験が、新入社員の善良な心を引き出す

(2018年2月23日更新)

 
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新入社員研修での「感動体験」は、新入社員の善良な心を引き出し、周りから愛され信頼されるビジネスパーソンへと成長させます。では「感動」の要素を、どのように盛り込めばいいでしょうか。

 

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愛され信頼される「善良な心」のビジネスパーソンを育てる

新入社員研修においては、人としての「善良な心」を引き出すことが重要です。「人間はもともとピュアで善良な心をもっている」という前提に立ち、本来の良さを引き出すことによって、善良なビジネスパーソンを育成していくのです。

もともと善良な人間であっても、学校を卒業する頃までには、傷ついたりした経験が心の上に覆いかぶさり、殻をつくり、人によっては世の中を斜めに見たり、他人に対して疑い深くなったりしていることがあります。そのような心持ちでは、社会に出て良好な人間関係をつくることは難しいでしょう。仕事をするうえでもマイナスになります。そこで、そうした心の殻を取り除くようなプログラムを新入社員研修に盛り込むことが大切です。

善良なビジネスパーソンは、同僚から愛され、上司から可愛がられ、お客様からも愛され、信頼されるようになります。周囲から愛され信用されれば、取引関係も発展していくはずです。取引が発展すれば、会社も発展し、ますます社会に貢献できるようになります。善良な人間が働く善良な会社は、社会から信頼され、発展しながら永続していくことになるでしょう。

 

新入社員の「善良な心」を引き出すには?

人間が本来もっているピュアで善良な心を引き出すには、どうすればいいのでしょうか。私は、その触媒となるのは「感動」であると考えています。具体的には、新入社員研修の中に「感動する要素」を採り入れて、新入社員の心を動かすように仕向けていきます。この感動が、それまで心を覆っていた殻を取り去ってくれるのです。

実際、PHPゼミナールの新入社員研修では、感動の涙を流し、表情が明るくなり、心を開くようになる人がいます。その結果、「人に優しくしよう」、「もっと素直になろう」、「人の役に立ちたい」、「前向きに頑張ろう」といった気持ちが湧いてきます。それが、人間が本来もっているピュアで善良な心なのです。

新入社員の心を動かす方法の一つとして、動画教材を視聴してもらうのはたいへん有効です。例えば、何か一つのことに人生をかけて打ち込み、たいへんな苦労を経て立派な成果を上げた人の姿には、誰しも感動を覚えるものです。新入社員たちも、一所懸命に仕事に取り組み、人の役に立つことの素晴らしさを感得します。

 

感動する要素をどう盛り込むか~PHPゼミナールの事例

PHPゼミナールの新入社員研修では、身体に重度の障害をもつ少女とその母親のドキュメンタリー作品を視聴してもらうことがあります。その少女は食事も排泄もすべて母親の手助けが必要な状態でした。ある年、少女は七夕の短冊に「お母さんより一日早く死なせてください」と書きました。他人に迷惑をかけたくないと思ったからです。それを見た母親は、短冊に「娘よりも一日長く生きさせてください」と書きます。たいへんつらいエピソードではありますが、この親子は現実を受け入れる覚悟を決めたとき、これが自分たちの生きる道だと思い、かえって前向きな気持ちになれたそうです。

新入社員の方々の多くが、この映像を見て涙を流していました。心から感動し、気持ちが揺さぶられたのが伝わってきました。

動画を視聴したあと、グループ討論を行ない、新入社員の皆さんに感想を話し合ってもらいます。単に視聴するだけでなく、このタイミングで話し合う時間を設けることが非常に重要です。すると、「五体満足で社会人になり、働けることに感謝します」とか、「育ててくれた両親に感謝しないといけないと思いました」とか、「今の自分があるのは、たくさんの人のおかげです」といった感想が口々に出ました。

動画を見て感動するとともに、感謝の気持ちが湧いてきたり、仕事を頑張ろうという意欲が生まれたり、前向きな気持ちが引き出されたりしたのです。こうした経験は、新入社員の心を大いに成長させてくれるものです。

 

手紙やお礼の言葉で「感謝の気持ち」を表現する

新入社員に感動を味わってもらうためのその他の方法として、「お世話になった人への手紙を書く」というワークを採り入れるのも効果的です。手紙を書く相手は家族でも恩師でも友人でもかまいません。その人にお世話になったことを思い出し、文章にすることで、感謝する気持ちを強くもつことができます。

研修を受けている新入社員同士で、何か感謝するポイントを見つけてお礼を言い合う、という方法もあります。お礼を言うためには、相手のいいところを見つけなければなりません。それこそ「朝、気持ちよく挨拶をしてくれてありがとう」といった簡単なことでも、お互いに感謝をすることで非常に清々しい気持ちになれます。

このように、周りに感謝の気持ちをもち、周りからも感謝されるという体験は、新入社員の心を動かし、善良なビジネスパーソンへと成長させてくれるでしょう。新入社員研修では、ぜひ「感動」の要素をとりいれ、人間としての成長を促したいものです。

 

 

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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