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新入社員のうちに身につけるべきはスキルかマインドか?~人生100年時代の仕事を支える基盤を考える

新入社員のうちに身につけるべきはスキルかマインドか?~人生100年時代の仕事を支える基盤を考える

(2020年1月29日更新)

 
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新入社員のうちに身につけるべきであり、これからの長い仕事人生を支える基盤となるものとは? 仕事のスキルか、あるいは働くマインドなのか? そして、どうすれば身につくのかを紹介します。

 

 

人生100年時代の新しい働き方とは?

「人生100年時代」といわれる今、定年がどんどん延びているだけでなく、組織に所属しているかはともかく、定年後も何かしらの仕事をする人が増えてきています。長く働くことを前提として、仕事人生の過ごし方を考え直す必要性がますます高まってきています。

また、激しい変化のなかにあって、毎日のように新しい技術が世界のどこかで生まれ、あっという間に私たちの日常に浸透しています。その結果、仕事のスキルやノウハウなどの賞味期限が短くなり、働き方をアップデートし続けなければいけない時代になりました。

そうした状況において、企業で働く私たちも、これまでのようにひとつのスキルや経験だけを武器に働き続けることが難しくなっています。しかし、立ち止まって新しく学んでいると、変化に取り残されてしまいます。つまり、今は「働くこと」と「学ぶこと」をセットで考えなければいけない時代なのです。働きながら学び、学びながら働く――それが、今のビジネスパーソンに求められる「新しい働き方」だといえるでしょう。 

 

新入社員のうちに仕事人生を支える基盤を身につける

「働くこと」は、多くの人の場合、ひとまず現業が当てはまるためイメージしやすいですが、一方で「学ぶこと」は具体的なイメージがしにくいかもしれません。具体的に何を学んでいけばいいのか考えていきましょう。

経済産業省は、人をスマートフォンにたとえ、能力を「OS」と「アプリ」にわけて「人生100年時代に求められるスキル(社会人基礎力)」を説明しています。

 

「人生100年時代」の「働き方」と「生き抜く力」

人生100年時代の働き手は、「OS」と「アプリ」を常に“アップデート”し続けていくことが求められる

経済産業省『「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料』

出典:経済産業省『「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料』

 

この図表は、縦軸にパフォーマンスの高さ、横軸に年齢を置いています。また、原点の部分は若い世代、すなわち新入社員と読み取れます。そのうえで、年齢に応じて求められるパフォーマンスを発揮するために必要なスキルがまとめられているわけです。ここにあげられているすべてを学ばなければならないわけですが、原点に一番近い場所に注目してください。そこには、「キャリア意識」と「マインド」が配置され、「すべての基盤」「絶えず持ち続けることが必要」と注釈が書かれています。つまり、キャリア意識やマインドは働くうえでの基盤であり、新入社員のうちから身につけなければならない重要な要素として位置づけられているのです。

たしかに、スキルを身につけることは重要です。変化が激しく、スキルの賞味期限が短くなってきている現在では、新しいスキルを次々に吸収していかなければ、ビジネスシーンから淘汰されてしまいます。

しかし、上の図表から読み取れるのは、そのスキルを活かすも殺すも「OS」次第、つまりその人次第ということです。そうした見方をすれば、まず新入社員のうちに「働くマインド」を育んでいくことが、これからの時代に高いパフォーマンスを発揮する必須要件だといえるのではないでしょうか。

 

企業・組織・社会と、どのように関係を築いていくのか?

前述の資料では、「人生100年時代の社会人基礎力」の定義を「これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力」としています。

この定義の中で注目したいのが、前半の「これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で」という部分です。仕事とは「自分以外の誰かとの関係の中に長期間にわたって居続けること」といえます。そして、その関係の質をいかに高めていくかということが重要だということが、この定義から読み取れます。

では、どのようにして関係を築いていけばいいのでしょうか。そのヒントになる言葉をご紹介します。

 

ビジネスマンはみんなに愛されないといかんですよ。あの人がやってはるのやったらいいな、物を買うてあげよう、と、こうならないといかんですよ。そうなるには、奉仕の精神がいちばん大事です。奉仕の精神がなかったら、あそこで買うてあげようという気が起こらない。
そうですから、ビジネスマンのいちばん大事な務めは愛されることである。愛されるような仕事をすることである。それができない人は、ビジネスマンに適さないです。
必ず失敗する、と、こういうことです。

(『人生と仕事について知っておいてほしいこと』松下幸之助[述] PHP総合研究所[編])

 

いかがでしょうか。どんなに高いスキルを持っていても、人から愛されない人はかならず仕事を失敗すると松下幸之助は言うのです。裏を返せば、仕事、すなわち周囲にいる人との関係の中で、人から「愛されること」は欠かせないマインドだと松下幸之助は言っているのです。

 

周囲の人から「愛される」ために必要なこと

周囲の人から愛されると、松下幸之助が言うように「あの人がやってはるのやったらいいな、物を買うてあげよう」と仕事の成果につながります。あるいは、「あの人と仕事がしたい」と人が集まってくることもあるでしょう。

では、人から愛されている人はどういう人なのでしょうか。いくつかある中のひとつに、「人間性が優れている」という要素があげられます。人が困っている時に自然と手を差し伸べられる、悩んでいる人の話を聴いてあげられる、嬉しい時には一緒になって喜べる、感謝の気持ちを素直に伝えられる、といった人間性を持っている人が、人から愛される人だといえると思います。

人間性というのは、その人自身の心のあり方です。それは持って生まれたものではなく、受けてきたしつけや教育、毎日の生活の中で形成されていきます。そして、いつまでも変容し続けるもので、当然、社会人になってからでも育み続けられます。そこで、ぜひ取り入れていただきたいのが「心の教育」です。

「心の教育」は、スキルなどのように、目に見える形で教育効果が測定できず、その方法に苦慮することが少なくありません。しかし、有効な方法のひとつと考えられるのが「経験に触れる」ということです。

人は、さまざまな経験の積み重ねで形作られています。濃淡はあるにせよ、今に至る過程は、誰しも決して順風満帆ではなかったはずです。その経験を紐解いて内省を深めることも、もちろん重要な学びの機会となりますが、一方、自分にはない「人の経験」に触れることにも多くの学び、つまり心を育むヒントが隠されているのです。

 

パラアスリートに学ぶマインドチェンジのヒント

PHP研究所では、『パラアスリートが語る 挑戦への気持ち 負けない。私は、前に進む。』という社員教育用DVDビデオを発刊しました。2020年東京パラリンピックを目指す、トップアスリート3名に出演していただき、うまくいかない時、悩む時、挫けそうになった時、何を考え、どのような行動をとってきたのか、ご自身の経験を語っていただきました。障がいと真正面から向き合い、限界まで自分を追い込み、世界に挑戦し続けてきた姿から、たくさんの心を育むヒントを得ることができます。

長い仕事人生のスタートを切る新入社員たちのベースとなる「良き心」を育むために、パラアスリートたちの経験に触れる学びの機会としてご活用いただければと思います。

(PHP研究所 企画制作部 海野翔太)

 

新入社員教育

 


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