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新入社員は入社3年で「伸びる人材」と「伸び悩む人材」に分かれる

新入社員は入社3年で「伸びる人材」と「伸び悩む人材」に分かれる

(2019年2月20日更新)

 
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適切な時期にティーチングからコーチングに切り替え、新入社員に考える習慣を身につけさせることが成長につながります。

 

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新入社員の成長の差はどこから?

企業の人事・教育担当の方々と話をしていますと、多くの方が「入社後3年経った頃から『伸びる人材』と、『伸び悩む人材』の差が出始める」と指摘されます。ある程度、仕事にも慣れ、職場の中堅社員として活躍を期待され始める頃が、差が出始める時期であるというのです。何が伸びる人材と伸び悩む人材を分ける要因になるのでしょうか。

いろいろなことが考えられますが、現場で彼らを指導・育成されている管理職の方々の意見に耳を傾けますと、「自分の仕事の中に『意味』を見出し、それを自分の言葉で語れるかどうか」が、両者を分ける要因になっているようです。

自分が担当している仕事がどのようにして社会の役に立っているのか、自社の発展にどう貢献しているのか、また自分自身の成長にどうつながっているか。こうしたことが自分なりに整理できている人は、自律的に成長し、反対にそれができていない人は伸び悩むというのです。

 

ティーチングからコーチングへの切り替え

入社間もない新入社員の時期には、上司や先輩が仕事の意味を教えるティーチング(teaching)が必要です。

「社会人として大切なことは信頼を得ることだ」

「電話がかかってきたら3コール以内で取るように」

「報告は結論から話すように」

といったようにティーチングによって基本をしっかり教え込むことが重要です。

そして経験を積み重ねる中で相手の成長が確認できたら、「教え込む指導」から「問いかけ考えさせる指導」、すなわちコーチング(coaching)へ徐々に切り替えていくのです。

「お客さんの信頼を得るために大切なことは何だと思う?」

「あなたが、電話応対の時に心がけていることは何?」

「あなたの仕事は社会にどう役立っていると思う?」

「今の仕事を頑張ったら、どのように成長できると思う?」

といった問いを投げかけ、常に仕事の本質的な意味を考えさせるようにはたらきかけます。伸びる人材を育てるためには、こうした周囲からの「問いかけ」によるサポートが大切になのです。

この切り替えを行わずにいつまでもティーチングを続けていると、自分で考えることをしない「指示待ち人材」をつくってしまうことになります。今どきの若者を育てる上で最も重要なポイントは、自分で考える癖をつけることです。そういう意味から、コーチングによって考えさせる場面をつくることは極めて大切な指導方法といえるでしょう。

 

深く考えることで人は成長する

実際、人材開発の仕事を通じてたくさんの人と出会ってきた体験から、「優秀な人」「できる人」「伸びる人」とそうでない人の差は、もっている知識や経験、スキルなどの差によるよりも、「考える」ことの差から生まれていることのほうがはるかに大きいと感じています。

私たちは慌ただしい日常生活の場面や職場で、いろいろなことを考えていますが、「考える」という行為の質と量(深さと幅)に着目してみると、意外と浅く低いレベルにとどまっていることが多いのではないでしょうか。例えば、少し考えて何らかの答えが見つかると、そこで考えることをストップしてしまったり、あるいは世の中の常識や過去の成功体験に対して深く考えることなく鵜呑みにしてしまって、新しい発想が妨げられたり……。

ことほど左様に、考える行為は誰しも日常的に行っているけれども、考え抜くレベルまでその行為を深め高めている人は少ないように思います。

 

「セブンイレブン」の事例

コンビニ業界・最大手の「セブンイレブン」の強さの源泉は、優秀なバイヤーたちの「目利き力」にあると言われています。同社のバイヤーは、店舗の立地状況や地域特性、天候、季節ごとのイベントなどを考慮しながら、どんな商品をいつ、どれだけ仕入れたらいいか、仮説を立て、実行・検証するというプロセスの繰り返しの中で、毎日考え抜かざるを得ない状況に追い込まれるそうです。こうした日々の「考え抜く」という実践の練磨から変化への対応力が養われ、一人前のバイヤーとして成長するのです。

PHP研究所創設者・松下幸之助も「考えて、考えて、考え抜けば、天から答えが降りてくる」と述べ、深い思考の重要性を説いていました。

 

「仕事の意味」を自分の言葉で語れる先輩・上司に

今年も、たくさんの若者たちが新社会人としてのスタートを切ります。前途有望で大いなる可能性を秘めた新入社員には、自らの思考力を高めてどんどん成長するために、ものごとを深く考えるくせをつけさせたいものです。

そのためにも、上司・先輩・指導員の方がたには、指示命令だけではなく、問いかけと傾聴を多用した、相手を深い思考へ誘うような指導を心がけ実践していただきたいと思います。

また、新入社員の入社にあたって、受け入れる側の我々一人ひとりが現在の担当業務を見つめ直し、その意味を自分のことばで熱く語ることができるかどうか、再確認をしておきたいものです。

 


 

PHPゼミナール「新入社員研修」では、3日間のプログラムで、相手の立場になって考える癖や行動する習慣をつけ、愛される社会人になるための基本の考え方と行動を体得していただきます。

 

新入社員研修

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。現在、PHP研究所研修企画部長。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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