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「質問」が情報の共有化を深め、報連相の質を高める

「質問」が情報の共有化を深め、報連相の質を高める

(2018年12月17日更新)

 
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報連相の目的は「情報の共有化」を深めることにあります。情報の共有化の第一の効能は「お互いに助け合える」こと、つまり組織の生産性の向上にもつながります。ではどのようにすれば情報の共有化を深めていくことができるのでしょうか。

 

 

情報の共有化を深める「3つの側面」

報連相は自己と相手、つまり発信者と受信者との「発信」「受信」「質問」によって、情報の共有化が深まります。しかし、これまでの世間一般のコミュニケーションスキルでは、発信は「話し方・書き方」として、受信は「聴き方の技術」として、また質問は「質問の仕方」としてそれぞれ別々に説かれていました。

真・報連相では、これらを情報の共有化を深めるための「3つの側面」であると考えています。

 

報連相の3つの側面

この図では、「発信(受信)」「受信(発信)」と表現されています。それは、現場の報連相では「発信者は必ずしも、発信だけを行っているわけではない」からです。発信者は受信しながら発信し、受信者は発信しながら受信しています。

発信者は、伝達内容を正直に正確に表現することと同時に、自分の気持ちを正直に、率直に表現することの両方が大切ですが、受信者もその情報をテレビやラジオのアンテナのように、ただ無機質に受信しているわけではありません。受信者も、うなづいたり首を傾げたりして表情・態度で発信しています。

そして発信者は、そんな受信者からの情報を受信しながら、発言の軌道修正をしています。発信者は同時に受信者であり、受信者は同時に発信者です。

 

質問が情報の共有化を深めるカギになる

発信受信と言ってみても、実際のところ、お互いに完全な表現はできないし、上手な聴き方も難しいものです。そのような発信と受信の不備を補うのが「質問」です。質問が情報の共有化を深めます。発信や受信とともに、効果的な質問ができれば、上司と部下の情報の共有化は一段も二段も深まり、報連相の質が高まります。

質問の話になると、人はつい「質問=質問の仕方」と考えがちですが、目的あっての質問(手段)です。世間では「質問する技術」といった類の書籍が多くあります。もちろんそれらの書籍には素晴らしいテクニックが紹介されているのですが、現場の報連相ではテクニックに走って失敗しているケースが多いのも事実です。

質問の目的をいくつか考えてみると、「A:事実をもっと明確にしたいから」「B:質問しながら、対話を発展させたい」「C:同じ言葉や数字でも受け止め方は違う。相手の言葉や数字に対する意味づけを確認するため」「D:情報を持っていそうな人に質問して、みんなで情報を共有したいから」「E:相手の中にある答えを、相談者自身に気づかせるため」「F:相手が言いにくいこと、秘めていることを聴きたいため」などがあります。「質問=質問の仕方」になってしまい、テクニック論で質問を行ってしまうと、情報の共有化を深めるための質問が、詰問(相手を責めながら問い詰める)や尋問(取り調べのように、根掘り葉掘り問ただす)になってしまいます。

 

自己が相手に与えている影響を知る

質問する側もされる側も、相互に影響を与えたり受けたりする関係にあります。たとえば、相手が自分の質問に対して「○○」と答えたとします。しかしそれはあくまで自分が質問したときに相手が答えたこと。もし同じ質問を、その人の親友とか夫や妻、恋人が発したならば、まったく違った答えが出てくるかもしれません。

上司は相手との報連相を行う際に、このことを少しでも思い出して頭の片隅にとどめておきたいものです。「何でも言いなさい」という上司の言葉……、部下は何でも言えるものではありません。私たち誰もが経験しています。

よい質問者は、自分が発散している雰囲気も含めて、自己の影響力を感じながら質問しています。受信しながら発信(質問)しているのです。つまり、自己を含めた全体状況を見ているのです。

 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。


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