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PDCAサイクルを回せる人材を育てるには?

PDCAサイクルを回せる人材を育てるには?

(2020年7月15日更新)

 
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経験を通じて成長する人と、成長しない人――。両者を分けるものは、いったい何なのでしょうか?

人は経験を通じて成長すると言われています。経験には学びの要素が豊富に埋め込まれていますので、経験の量が増えれば増えるほど人は成長するはずですが、必ずしもそうとも言えないケースが散見されます。


「差異」と「反復」

長年、人材開発の現場に身を置いてきて感じるのは、経験から学びを引き出しているか否か(=経験学習ができているか否か)の差が、人の成長に影響を与えるということです。この点に関する理解を深めるために、哲学者・ドゥルーズが提唱した「差異と反復」という概念と、松下幸之助の「革新」に関することばをご紹介しましょう。

ドゥルーズによれば、「反復」とは同じことを機械的に繰り返す行為のことを指しますが、そこからは変化や創造が生み出されることはありません。しかし、「差異」を生み出すことを意識しながら反復を続けると、それはリフレインと呼ばれる状況になって学習と成長が促進されるというのです。

一方、松下幸之助は、「同じことを同じままにいくら繰り返しても、そこには何の進歩もない。先例におとなしく従うのもいいが、先例を破る新しい方法を工夫することの方が大切である。やってみれば、そこに新しい工夫の道もつく」(『道をひらく』PHP研究所)と述べています。

ドゥルーズと松下幸之助が、それぞれ述べている「差異を生み出す反復」「先例を破る新しい方法」という概念が、学習と成長を促すヒントを与えてくれます。


PDCAサイクルに則って日々の仕事を回す

そして、その概念をふまえて人材育成を行うためには、PDCAサイクルに則って日々の仕事をきっちり回すよう指導することが大切です。(某大手自動車メーカーの人材開発理念の中には、「入社8年目までにPDCAサイクルをきちんと回せる人材を育成する」という項目が明記されています。)

現場のOJTにおいて、上司・先輩が果たすべき役割はシンプルです。すなわち、日常の対話の中で、以下の4つの観点から、指導と問いかけとフィードバックを使い分け、部下の視野の拡大、気づきの促進を支援するのです。


部下・後輩が仕事の計画をきちんと立てる(Plan)ように指導し、

計画にそって実行(Do)することを支援し、

結果の検証(Check)を共に行い、

一連の経験を振り返り、今後の改善策(Action)を考えるよう促す


平凡なこと・当たり前のことを徹底して実践すること(「凡事徹底」)が、非凡な力を生み出す源泉になるという考え方がありますが、人づくりにおいても、理屈は一緒です。

仕事を進める際の基本中の基本ともいえるPDCAサイクルに則った仕事の進め方を徹底して実践させることで、「差異を生み出す反復」「先例を破る新しい方法」を主体的に追求する人材が育つのです。この人づくりの原理原則は、リモートワークの労働環境下においても今後も変わることはないでしょう。




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的場正晃 (まとば・まさあき)

PHP研究所人材開発企画部部長

1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。


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