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「用意」と「卒意」

2011年3月23日更新

「用意」と「卒意」

茶道の用語に「用意」と「卒意」があります。用意とは、客人をもてなすために主人があらかじめ行う準備のことを言い、卒意とは主人のもてなしに応えるために客人に求められる心構えや行動のことを言います。 

おもてなしというものは、主人の用意と客人の卒意が、相互に作用しあってはじめて成り立つものであり、一方的な関係では決して心地よい空間・時間を生み出すことはできません。目的を達するためには、まさしく「主客一体」の状態になることが不可欠なのです。

 

これは茶道の世界だけではなく、社会全般で重視すべき考え方であるともいえましょう。特にこれから社会人になるフレッシュマンには、この考え方を理解させたいものです。

 

自分の所属する組織が何をしてくれるのか、上司や先輩は何をしてくれるのか、等々、周りの人が自分に何かをしてくれることだけを期待し、受け身の姿勢でいるのではなく、自分が周りの人たちに対して何ができるかを考えること、すなわち仕事を行う上での卒意を明確にすることが、ビジネスを行う上で大切であることをしっかり理解させる必要があるでしょう。

 

多くの企業・団体で実施される「導入教育」は、卒意を実践する絶好の機会となります。数日間の研修を実り多いものにするために、「主人」である講師と事務局だけが努力するのではなく、「客人」である受講生(新人)にも「自分に何ができるか」を考えさせ、研修期間中、課題をもって実践させるのです。そのことによって、彼ら彼女たちは、たくさんの気づきを得ることができるでしょう。

 

誰かに何かをしてもらうことが多かった人たちに、他人の気持ちを慮る経験をさせることは、主体性を涵養するきっかけとなります。後々になって、「ボタンの掛け違い」という状態にならないためにも、入り口である導入教育でしっかりと真理を理解・体得させたいものです。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士    

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