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完壁主義者の上司の糾弾にへきえき~事例で学ぶパワハラ

完壁主義者の上司の糾弾にへきえき~事例で学ぶパワハラ

(2014年3月26日更新)

 
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完璧主義者の上司に毎日、糾弾される――この相談事例はパワーハラスメント(パワハラ)といえるでしょうか。パワハラは、いまだ法的な判断基準や定義が定まっていないだけに、解決が難しいといわれます。『実践! コンプライアンス[パワーハラスメント編]』から事例相談を転載でご紹介します。

 

*   *   *

 

パワハラ相談事例:完璧主義者の上司の糾弾にへきえき

 

事例

 

佐竹課長は、使命感が強く、何事についても完壁を求めるタイプです。自分の能力に絶対の自信を持っており、部下の仕事に対しても妥協を許さず、自分の求めたとおりの内容や結果が出ないと納得しません。部下が期待どおりの成果を出せないときには、毎回のように叱責が始まり、時には2時間にも及びます。内容も叱責というよりは糾弾です。

 

その日は、秋田くんが運悪くとっちめられました。「実は、これにはわけがありまして……」などと説明しようとすると、佐竹課長は机を叩きながら、「ごちゃごちゃ言い訳するな。俺は、そんなくだらない弁解を聞く耳は持たない!」と言って話を遮ります。さらに「どうしてそこまで無能なんだ!」「やっぱり三流大学出じゃ無理だな!」などと大声で一方的にまくしたて、その間、秋田くんは課長の机の前に立たされっぱなしです。同僚たちの中には、「また始まった。うるさくて仕事にならない」と別の場所へ移動してしまう課員もいます。

 

パワハラチェック表(判定)

パワハラチェック表
(1)は1つでも該当すれば最も悪質な「違法性が疑われるレベル」と認定。
(2)~(7)は 該当:〇=1.0 半分該当:△=0.5 該当せず:×=0.0 として評価。
合計が4.0以上の場合は「パワハラを疑うレベル」
3.5~1.5は「不適切なところはあるが、パワハラとまでは言えないレベル」
1.0以下は「パワハラではないレベル」とする。

 

解説:完全なパワハラ。その上の上司かヘルプラインに相談を!

佐竹課長は自らが唯一の基準であり、部下の立場や能力に思いをはせることがなく、長時間にわたり机を叩くなど執拗に叱責しており、言動も部下の能力や人格を否定するものです。叱責が始まると逃げ出す部下もいるなど(2)、(4)、(5)、(6)、(7)の5項目が○となり、典型的なパワハラと言わざるをえません。
 
能力があり、仕事のできる上司は、部下にもそれを要求することから、パワハラを犯しやすい傾向があります。
 
しかし管理職の職務は、部下たちに成長を促して集団としての力を増大させることです。佐竹課長には、がんがん叱責するのではなく、「こうすればよくなる」と具体的に改善指導を行うことが求められます。また、叱るときでも、必要以上に部下を追い込んでは上司として失格です。こうした上司をもつ部下は悲劇で、課長の上の上司か、ヘルプラインへ相談することをお勧めします。
 
 
★前回分を読む
 
 

 
 
イラスト&ケーススタディー50
 
身近なケースからパワハラの定義や不適切行為を学び、問題の解決策がわかる実践的テキストです。
 
 
【著者】
星野邦夫(ほしの・くにお)
 
慶應義塾大学文学部卒、帝人(株)に入社。2003年初代コンプライアンス・リスクマネジメント室統轄マネジャー。CSR報告書編集長、社会的責任投資総括等を歴任。2009年より経営倫理実践研究センター主任研究員。ハラスメント研究会アドバイザーを担当。
主な著書に、『社会全体として公益通報者保護制度の更なる整備推進に向けた提言』(内閣府国民生活局、分担執筆)など。
 
 
【監修】
一般社団法人経営倫理実践研究センター(BERC)
 
経営倫理の実践研究および啓発・普及、産学の拠点づくりを目的として設立された日本で初めての専門機関。経営倫理の実践に関する内外の情報・資料の収集・研究、企業への普及啓発に必要なノウハウの提供、研究部会・講演会・シンポジウムの開催・コンサルティングの他、『経営倫理』「BERCニュース(HP)」の発行など幅広く活動している。現在の会員企業は120社を超えている。
http://www.berc.gr.jp/

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