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若手社員に求められる3つの役割

2017年10月 5日更新

若手社員に求められる3つの役割

若手社員にはどのような役割が求められるでしょうか。新入社員のように細かな指示を出す段階ではない。しかし、まだ任せ切ることはできない。がんばってくれてはいるが、言われたことをこなすレベルからは脱し切れていない。ビジネスパーソンとしての基礎を築くこの時期に、職場ではどのような役割を期待されているのかを整理してみましょう。

INDEX

職場活性化のキーマンになる

入社して2、3年が経つと、職場の人間関係にもそろそろ落ち着きを見出すことができます。そんなときだからこそ、若手社員には職場の雰囲気づくりに自分自身が貢献できることは何かを考えてほしいと思います。
たとえば挨拶。挨拶は職場の基本中の基本のマナーであり、そして最上の「パワフル・ストローク」です。「ストローク」とは、心理学の交流分析おいて「相手の存在を認める働きかけ」のことを言います。良い挨拶は相手の存在承認になり、存在承認の連鎖は職場の中に明るい活気を生み出します。その挨拶を、若手社員が自分から日々行っていく。ただマナーとして教えられたから行うのではなく、自分から職場の活気を創っていくのだという自覚のもとに実践するレベルを求めたいと思います。
私が講師を務めているPHPゼミナールの若手社員研修では、研修開始や休憩前後などのタイミングで必ず「挨拶分離法」を実践していただきます。「挨拶分離法」とは言葉を先に言ってそれからお辞儀をする、「語先後礼」のことです。職場で笑顔を心がけ、相手と目を合わせ、気持ちの良い、意欲の高い挨拶を、自分から日々行う。これだけでも組織やチームにプラスの影響力を大きく与えていきます。他にも、応答や返事、周囲への気配り配慮など、新入社員のモデルになるような言動を通して、職場の雰囲気づくりの一役を積極的に担っていっていただきたいと思います。
頭でわかっているだけでは不十分です。実践・反復行動で身体に添わせることを通じて、職場の雰囲気を活気あるものにするキーマンとしての活躍を求めます。

主体的に行動する

若手社員に求められる役割の二つ目は「主体的に行動すること」です。若手社員研修などの機会によく聞くのが「言われたこと、指示されたことはなんとかできるようになっているが、自分から動けているかというと、そこは自信がない」という声です。上司や周りからも日頃から「指示待ちではダメだ」「自分で考えなさい」など指摘をされているのでしょうか。自身としてもよくよく反省しているようですが、ではどうしたら自分から動けるのかをまだ考えあぐねている様子です。
自分から発言してみる。疑問点を自ら先輩上司に問うてみる。自ら問題解決の道筋を描いて、上司の許可を得て実行してみる。現場で捉えた状況を自分の意見として上司にフィードバックしてみる。そのような主体的な、積極的な行動が取れていないとするならば、ブレーキをかけているのは何でしょうか。
そこには「失敗をしたらいけない」という守りの姿勢があるように見えます。発言をして間違っていたら恥ずかしい。質問をして「そんなこともわからないのか」と言われたらなさけない。自分なりの解決法がもし間違っていたら上司から叱られるのではないか。そんな風に常に先読みをして、不正解や失敗を過度に恐れている姿があります。

PHP研究所の創設者(パナソニックグループ創業者)である松下幸之助は、「社員稼業」という考え方を説いています。自分は会社や上司に使われる立場に過ぎないという意識ではなく、たとえ一若手社員であっても、社員という稼業、ひとつの独立した経営体の経営者であるという意識をもって仕事をするということです。一段高い意識をもって仕事をすることができれば、おのずと上からの指示待ちという姿勢から脱却していきます。「自らの仕事の経営者」として、いかに仕事に立ち向っていくか。若手社員には、自分の仕事の意味について深く考えることで、一歩前に踏み出す力を身につけていただきたいものです。

チームで連動して働く

最後にあげるのが「チームで連動して働く」という役割です。
最近の若手は"個"の意識が強く、チームプレイが苦手という特徴があるように思います。そこで彼らには、チームの一員としてのスタンス、つまり仕事は個人単位のものではなく、人と繋がり合ってこそ成果や顧客満足に繋がるのだということを、しっかりと理解させる必要があります。
そして、日頃から人間関係を築き、協働のためのコミュニケーションを積極的に発動させていく。周りを巻き込み、協力を仰ぎながら、また自分も努力を惜しまずチームに貢献する。若手社員にはそうした行動が求められます。
皆さんの職場に、自分では扱えない難しい局面や自分が起こしてしまったミスを、隠すようにして逼塞(ひっそく)している若手社員はいませんか? 時には、自分の失敗さえもチームに還元しなければなりません。これは、若手社員にとっては、乗り越えるのが難しい大きな壁ともいえるでしょう。
私が担当しているPHPゼミナール「若手社員研修」では、チームで協働するとはどういうことなのか、自らの気づきの中から学んでいただきます。自分のミスを自分止まりにしているのがどれだけ危険であるか、なぜチームに開示しながらすばやく対応なければならないのか、ワークやゲームで他の受講生とふれあうなかで、体得していただきます。そのなかから、周りとしなやかに連動しながら、仕事の目標に向かって進んでいく喜びも得ていただけるようです。

「職場活性化のキーマンになる」「主体的に行動する」「チームで連動して働く」ーーみなさんの会社の若手社員は実践できているでしょうか。成長目標を見失いがちなこの時期、ぜひ彼らに問いかけていただきたいものです。

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吉田真知子(よしだ・まちこ)
住金物産(株)にて国内営業事務に従事後、フリーアナウンサーに転身。2000年より話し方・コミュニケーション研修を開始した。03年に産業カウンセラー、04年にキャリアコンサルタント資格を取得して以降、企業・自治体・教育機関等における人材開発に注力している。07年からは中央労働災害防止協会メンタルヘルス推進支援専門家として、事業所のコンサルテーションやカウンセリングを担う。現在は、人材活性・チームコンサルタントとして、講演・研修・チームコーングで人材・組織開発を展開。個人の個性と可能性を活かした参加型プログラムを得意とする。
一般社団法人全国チームコーチ連盟理事。大阪家庭裁判所委員会委員。PHPゼミナール講師。

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