東北人のリアクション事情 【コラム】~平野順子
2012年4月20日更新
先日、東北地方のとある学校で、東京出身の講師の方とご一緒に研修のお仕事をする機会がありました。一日研修の半分くらいが過ぎたころ、その講師の方から言われました。
「東北の生徒さんたちは、リアクションが薄いなぁ……。わかっているのか、わかっていないのかが、わからないよ。せめて『うなづき』だけでももう少ししてくれればいいのに……。」
私自身が東北人で、日ごろ東北を中心にお仕事をしているので、そのくらいのリアクションが当たり前の中にいます。地元東北で研修をしていて、そのリアクションに関して、これまであまり気になったことがありません。そのくらいのリアクションだったとしても、私には相手がどのくらい真剣にこちらの話を聴いてくれているのか、ある程度はわかるつもりでいました。
でも、そう言われてから意識してみると、たしかに「うなづき」が少ない……。真剣なまなざしで、じっとこちらの話を聴いているように感じますが、リアクションは薄いです。うむ、言われてみると本当だぁ……。
東北人のイメージというと、「実直」「寡黙」「誠実」「控えめ」といった言葉を多く聴きます。それは美徳でもあり、私が東北人を大好きな理由でもあります。でも一方では、思いや考えが伝わりにくくて損をしているところもあるのでしょう。
東北人がその素晴らしさを失わず、さらに相手に理解してもらえるようなコミュニケーションが取れたら、もっと魅力的ですよね。そのために、饒舌なスピーチや周りを楽しませるようなジョークなどなくても大丈夫。ちょっと相手の話に合わせて「うなづく」ところから始めればいいのです。そこから、さらに素敵なコミュニケーションに発展していくのではないでしょうか。
平野順子 ひらの・じゅんこ
1999年4月~、岩手医科大学 医学部 生理学第二講座助手として、基礎医学の研究と医学部の学生教育に従事する
2005年4月~、パーソナルコーチ・研修講師として独立。現在、さまざまな分野のビジネスマンに対してコーチングを行なうとともに、コーチングを中心にしたコミュニケーションやビジネス関連スキルのセミナー講師として活動中。