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マネージヤー(管理者)とリーダーの違い

2014年12月12日更新

マネージヤー(管理者)とリーダーの違い

「リーダー型マネージャー」は、権限重視だった従来のマネジメントの弱点を克服し、チーム・組織の総合力を最大限に高め、成果を生み出す管理者をいいます。これからの時代に必要とされる「リーダー型マネージャー」について解説します。
 

 

 
 
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マネージャー(管理者)とリーダーには、どのような違いがあるのでしょうか。
次の表は、それぞれについて細かい項目を設けて整理したものです。照らし合わせてみると、両者には実に多くの違いがあることがわかります。
 
マネージャーとリーダー
 
この中でも特にポイントとなるのが、「成立の根拠」「基本性格」「『武器』となる要素」です。詳しく見ていきましょう。
 
1)成立の根拠
チーム・組織からの任用で成立しているマネージャー(管理者)に対し、リーダーにはメンバーからの主体的認知が必要です。メンバーとは上司、部下、先輩、後輩に関わらず、そのチーム・組織を構成し、共に業務を進める人たちのことです。
マネージャー(管理者)は組織がそれを認め命じればマネージャーたり得ますが、リーダーは「この人はリーダーとしてふさわしい。この人についていきたい」というフォロワー(支援者・支持者)がいなければなることができません。考えてみれば、これは重要なことを意味しています。
それは、チーム・組織から任用されたいわゆるマネージャー(管理者)と呼ばれる人の中に、メンバーから支持されない、リーダーと呼ぶにふさわしくない人が存在する可能性があるということです。メンバーから支持されないマネージャー(管理者)の存在ほど悲しいものはありませんし、そのようなマネージャー(管理者)のもとで仕事をするメンバーは気の毒というよりほかありません。
この成立の根拠の違いからいえるのは、リーダーになるためには、誰にも負けない熱意をもち、メンバーの共感を得られるようなビジョンを掲げることが必須であるということです。そして、そうした熱意があり、掲げたビジョンに支持が集まるのであれば、新入社員であろうと、中堅社員であろうと、誰でもリーダーになることができるのです。
 
2)基本性格
マネージャー(管理者)の基本性格が、業務・組織を運営、管理することであるのに対し、リーダーのそれは業務・組織を革新(変革)することです。
先に、マネジメントの本質は、決まった規則やルールに則って管理サイクル(T-PDCA)を円滑に回すプロセスのコントロールにあると学びました。したがって、マネージャー(管理者)は物事に堅実かつ着実に対応していく「運営者」であり、「管理者」です。一方、リーダーは従来にない業務を創造したり、これまでのシステムやプロセスを変えるのがスタイルですから、「革新者」という言葉が適切です。「牽引者」「先導者」といった言葉もあてはまるかもしれません。
 
3)「武器」となる要素
マネージャー(管理者)の武器となる要素は「能力」と「権限」です。「能力」とは、専門的な実務や管理、コミュニケーションなど、チーム・組織をマネジメントするのに必要な能力のことです。「権限」とは経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間・技術など)に対する支配権のことで、具体的には、人事権や予算配分権などを指します。マネージャー(管理者)は、公に与えられている権限により、部下やメンバーを指示命令という形で強制的に動かすことができるわけです。
それに対して、リーダーには公に与えられる権限というものはありません。リーダーの武器は、いわゆる実務能力というべき「能力」と、「人間力」「その人が掲げるビジョン」です。言葉を換えていえば、マネージャー(管理者)は権限にもとづく強制力を「武器」にして、人やチーム・組織を動かし、リーダーは人柄や人徳、自身が掲げるビジョンを「武器」にして、人やチーム・組織を動かすというわけです。とりわけリーダーについては、自らの利害損得を超えて、「この人についていきたい」と思わせ、人を魅了する要素、すなわち「人間力」が重要になってきます。
 
 

リーダー型マネージャーの必要性

 
マネジメントは、その概念や仕組みができた後、19世紀から20世紀の初めにわたって経済発展に驚異的な前進をもたらしてきました。しかし、20世紀から21世紀にかけての社会のグローバル化や環境変化の速さ、価値観多様化などにより、そのイノベーションの勢いは徐々に衰え、金融資本主義や拝金主義の台頭などに象徴されるように近年は極めて低調です。同時に、これからのあるべきマネジメントの姿とはどのようなものかという真剣な問いかけや模索がなされているのが現状です。
こうした時代にあって、経営理念やビジョンを重視し、独自の人間観に立った松下幸之助の経営哲学や経営手法は「日本的経営」と呼ばれ、再びそのよさが注目されています。
グローバル時代になればなるほど日本的経営の強みを自覚し、そのスタンスに立って、新しい成果を生みだせるリーダーたる管理者の存在が今、求められています。
 
出典:PHP通信ゼミナール『課長職マネジメント革新コース』
 
 
課長研修
 
 
【監修者プロフィール】
芦刈法明(あしかり・のりあき)
1979年、(株)PHP研究所入社。書籍・雑誌などの普及活動に携わる。89年から企業・団体への研修普及および研修企画開発を担当。PHP主幹講師。定年後は、PHPゼミナール講師として活躍中。PHPビジネスコーチ(上級)。

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