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言われたことしかやらない部下にイライラしているあなたへ

言われたことしかやらない部下にイライラしているあなたへ

(2016年3月 8日更新)

 
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言われたことしかやらない“指示待ち”の部下にイライラしたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし、この怒りの感情は、思った以上にコントロールできるのです。アドラー心理学の立場から宮本秀明氏が解説します。

 

*  *  *

 

「指示待ち」は「ゆとり世代」の特徴なのか

研修講師としての職業柄、「今の若者はまじめだが、言われたことしかしない。自主性がない」という、研修担当者様からの声をよく耳にします。この指示待ちの姿勢、まるで「ゆとり世代」の特徴のように言われていますが、実は「指示待ち族」という言葉はすでに1981年に流行しており、決して最近の若者に限った話ではありません。今50代半ばの方が新人だった頃からこの言葉は存在したのです。

若者からすれば、言葉には出さないけれど「上司がちゃんと説明しないから」「失敗するのが怖い」「最初から何でもできる人はいない」「言われたことだけやるのに精一杯」と心でつぶやいているのです。ご自分の若い頃を振り返ると思い当たるふしがあるのではないでしょうか。ビジネスの現場で経験の浅い若者が受身になってしまうのは、ある程度仕方のないことかも知れません。

 

言われたことしかやらない部下にイライラする

とはいえ、経験を重ねてもそのままでは困ります。あなたの職場には、このような「言われたことしかやらない部下」はいないでしょうか? そして、そんな相手に対し毎日イライラを募らせているようなことはありませんか?

そのような状態では職場の雰囲気も悪くなりますし、イライラを相手にぶつけるようなことがあれば、部下のやる気をうばう「勇気くじき」になってしまいます。では、そこで働く誰もが前向きな気持ちで主体的に仕事に取り組むことができる「勇気づけ」に満ちた職場を実現するには、どのように対処すればよいのでしょうか?

もちろん、その部下が受身から脱して、自ら動くように指導していくことが第一ですが、ここでは、上司であるあなた自身が「イラつかずにすむ」ように変わる方法をご紹介しましょう。

アドラー心理学では、「言われたことしかやらない部下にイライラさせられる」のではなく、「怒りという感情を使って、言われたことしかやらない部下を、自分が支配しようとしている」と考えます。置かれた環境をどう捉え、どう対応するのか。それを決めるのは、誰でもないあなた自身なのです。

 

怒りの感情はコントロールできる

感情は自然発生的に湧き起こり、コントロールできないものと考えがちですが、思った以上に自分自身でコントロールできるものです。怒りを無理に抑制するのではなく、以下の3ステップで怒りを使う目的を知り、上手にコントロールし、建設的に表現する方法を身につけましょう。

 

1.怒りの目的を知る

普段私たちが感じる感情には目的があります。怒りの目的は主に以下の4点です。根底には「~であるべき」「~しなければならない」という信念があります。

1)支配:親と子、上司と部下、先生と生徒などの関係において

2)主導権:夫婦間、同僚間、友人間などの関係において

3)権利擁護:自分の携帯を他者に見られたくないなど

4)正義感:電車で老人に席を譲らない、若者に対しての腹立ちなど

 

2.二次感情としての怒りが何かを見極める

怒りの感情の根底には、不安、悲しみなどの感情が潜んでいます。これらの感情を一次感情といいます。一次感情が満たされないときに、怒りという二次感情を使って対応することが多くなります。怒りをコントロールするためには、怒りの一次感情を知ることが大切です。

 

3.「あなた」メッセージに代わる「わたし」メッセージで発信

怒りをコントロールするための最後のステップは、一次感情を「わたし」を主語にして発信することです。「わたし」メッセージは、相手の行動とそれに対する自分自身の感情を伝える方法で、決して相手を攻撃したり非難したりしません。一方、「君は何で私を怒らせるんだ」「君にはイライラする」「お前は最低だ」などの、「あなた」を主語にしたメッセージは、部下を批判したり判断したことになり、部下は身構え、あなたを信頼しなくなります。下の例を参考に「わたし」メッセージで発信しましょう。

わたしめっせーじ.png

今まで「あなた」メッセージで発信していたのを、ある日突然「わたし」メッセージに変えると、部下や周囲の人からは「なにがあったのか」と疑問に思われることもあるかもしれません。ですので、部下や周囲の人に「アドラー心理学の手法を知って実践しようと思うので、少し言い方が変わるかもしれないけど、気にしないでね」と言ってからスタートしましょう。

怒りをコントロールすることができるようになれば、思うように動いてくれない部下に対してイラつくことは少なくなります。さらに、上司であるあなたが変わることで職場の雰囲気も前向きで積極的なものになり、業務効率もアップします。

 

 

*「アドラー心理学に学ぶ『勇気づけ』の職場づくり」一覧はこちら

 

リーダーのための心理学入門コース

 


 

 

宮本秀明(みやもと・ひであき)

1982年、スタンフォード大学中退。広告業界から数社の研修会社を経て、現在㈲ヒューマン・ギルド法人事業部長兼シニアインストラクター。ロジカルシンキング、ファシリテーションからマナー教育まで、幅広いコミュニケーションの研修を担当。米国と日本双方のビジネス経験を生かし、それぞれのよさを融合させた、和魂洋才型の研修プログラムを独自に開発。受講生の目線に立った習得しやすいカリキュラムの構成力、やる気を促す講師手法には定評がある。著書に、『マンガでよくわかるアドラー流子育て』(岩井俊憲監修、かんき出版)、PHP通信ゼミナール『リーダーのための心理学 入門コース』(監修:岩井俊憲、執筆:岩井俊憲・宮本秀明・永藤かおる、PHP研究所)などがある。


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