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アクティブラーニングと「知識基盤社会」に求められる人材

アクティブラーニングと「知識基盤社会」に求められる人材

(2016年7月13日更新)

 
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2014年末の文部科学大臣諮問および中央教育審議会答申によって、日本の教育はアクティブラーニング(自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に学ぶこと)へと大きく舵を切りました。しかし、教員や講師にとって、授業や研修をアクティブラーニング型へ変えるのは容易ではありません。

そこで、『この一冊でわかる! アクティブラーニング』(小山英樹、峯下隆志、鈴木建生著、PHP研究所刊)より、なぜ、いま、アクティブラーニングが必要なのかをご紹介します。

 

「なぜ、アクティブラーニングか」

この問いに「今」を加え、「なぜ、今、アクティブラーニングか」という問いを立てると、ひとつの言葉が浮かんできます。「知識基盤社会」という言葉です。

「知識基盤社会(knowledge-based society)」とは、「新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す社会」のこと。2005年の中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」で示されたものです。同答申では「知識基盤社会」の特長として次のようなことを挙げています。

1)知識には国境がなく、グローバル化が一層進む

2)知識は日進月歩であり、競争と技術革新が絶え間なく生まれる

3)知識の進展は旧来のパラダイムの転換を伴うことが多く、幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要になる

4)性別や年齢を問わず参画することが促進される

「コンピューター」とか「インターネット」といった言葉は出てきませんが、知識基盤社会とはずばり、コンピューターネットワークによる検索型社会のことです。

 

ネットにはどのぐらいの情報が存在するでしょうか。グーグルの検索ページは30兆を超え、しかもそれが瞬間瞬間、更新・追加され続けています。たとえばYouTube にアップされる動画は1分間で約100時間分、Facebookの投稿は1分間で70 万件、Instagram の写真は1分間に51万回「いいね!」を獲得します。世界中で1日に作られているデジタルデータを合算すると250 京バイト。DVD-Rに換算して、2時間強の映画約5億本分に相当するそうです。知識の量においては既に人間のそれを遥かに超えています。

また、人工知能についても「シンギュラリティ」というキーワードが注目されているとおり、2045年には人工知能が人間を超えるのではないかと予想されています。真偽のほどはまだ不明ですが、コンピューター社会は大変なスピードで進化発展していき、それに伴って経済や雇用の状況は激変することは間違いありません。ブルーカラーはもちろんのことホワイトカラーの仕事も、半数はロボットが取って代わると言われています。

ルーチンワークだけでなく、これまで人間にしかできないと考えられていたサービス産業もロボット化されてきています。

そのような社会においても生き生きと生き抜いていくためには、知識の量や記憶力などの認知スキルも必要ですが、人間的な思いやり、他者を励ましたり、共感したりする能力、組織にあっては協調性や対話力などの非認知スキル、社会的スキルがより重視されてきます。質問対話型のコミュニケーション能力、独自の視点で課題を発見し、周囲を巻き込みながら解決していくような力が求められます。もちろん、あらゆる情報がすぐに陳腐化してしまう状況では、絶えず自分の知識、情報を更新し続けていけるような学習能力も欠かせない姿勢でしょう。

 

知識基盤社会を生きていくために必要な能力や姿勢をまとめると、次のようになります。

《知識基盤社会を生き生きと生き抜くための3 つのポイント》

1)課題を見いだし主体的・協働的に解決する力

 「 なぜ?」質問力・傾聴力・巻き込み力

2)知識・技術の更新のための生涯にわたる学習

 学び続ける習慣⇒態度的目標

3)他者や社会、自然や環境と共に生きる姿勢(持続可能な開発のための教育) 

 生きること⇒価値観(協同的な利他性)

ここにも「なぜ、アクティブラーニングか」のひとつの答えが浮かび上がってきます。講義型授業だけでは、1)課題を見いだし主体的・協働的に解決する力も、2)知識・技術の更新のための生涯にわたる学習も、3)他者や社会、自然や環境と共に生きる姿勢も身につかないからです。

 


 

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