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どの職場にもいる マタハラ上司とパタハラ社員

どの職場にもいる マタハラ上司とパタハラ社員

(2017年4月20日更新)

 
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法改正により事業主に防止措置が義務付けられたマタハラ、パタハラ。あらためて、職場でのどのような行為が、マタハラ・パタハラに当たるのかを事例で確認しておきましょう。

 

マタハラ、パタハラとは?

最近、マタハラ、パタハラという言葉を耳にする機会が増えてきました。「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」とは、妊娠・出産、育児のための制度利用をきっかけに、職場の上司や同僚が働く意欲や機会を奪う言動をとることとされています。加えて昨今では、男性社員が育児休業をとったり、育児支援目的の短時間勤務やフレックス勤務を活用したりすることに対して、上司・同僚が就業環境を害する言動を行う「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)」も問題視されています。出産・育児を経て職場に復帰する女性が増え、男性も積極的に育児に参加することが求められるこれからの社会において、どのようなことがマタハラ、パタハラに該当するのか。まずは事例をもとに、考えてみたいと思います。

 

マタハラ事例「会社に迷惑をかけることになるよ」~Aさん(妊娠5ヵ月)

 

Aさんは、妊娠を上司に報告し、産休育休の取得と復帰の意思があることを伝えました。

Aさんの話を聞いた上司は「そうか……。復帰するとなると、人員の補充を会社に要請できないな。今でさえ、ギリギリの人数で何とか仕事を回しているんだが。困ったな」と反応がよくありません。

「ご迷惑をおかけします。復帰したら、今まで以上にがんばりますので」と上司に言いましたが……。

「これを機会に育児に専念したら? そうしたら、正式な欠員ということで人員の補充ができるし」「会社に迷惑をかけることになるよ。それは本意じゃないだろ?」と上司が言うのです。

ショックを受けたAさん。その様子を見て「いや、辞めろと言っているだけじゃない。あくまでもアドバイスだから」と慌てて上司は言い訳をしていました。

 

マタハラ事例「「仕事も育児もって欲張りすぎじゃない?」~Bさん(妊娠8ヵ月)

これまで順調なキャリアを歩んできたBさん。産休育休後の勤務について、上司と話し合っていました。

Bさんの希望は、育休を早期で切り上げて、短時間勤務制度を利用しながら働くことでした。ところが、上司は「短時間勤務なんかせずに、しっかり育休をとったらいいんじゃないか」と言うのです。

しかし、Bさんは、育児をしながらこれまで通りバリバリ働きたいと思っていました。その気持ちを伝えたところ……。

「育児も仕事もなんて欲張りすぎじゃない? お母さんが近くにいてあげないと、赤ちゃんが悲しむよ」と上司が言うのです。

Bさんは、どう答えたらいいかわからず黙ってしまいました。

 

パタハラ事例「子育て第一なんだろ?」~Cさん(男性・子育て中)

 

Cさんには、2歳になる子どもがいます。共働きで、保育園の送り迎えや急病の時の対応など、奥さんと協力しながら子育てをしています。

Cさんは、繰り返し先輩社員から育児に関して嫌がらせを受けています。

 

【嫌がらせ1】

ある時、子どもが急に熱を出したと保育園から連絡が入りましたが、奥さんは仕事の都合でどうしても迎えに行けません。そこで、Cさんが会社を早退して行くことにしました。帰る間際に先輩とすれ違った時、「あれぇ? 今日も早退? 大変だねぇ……」と嫌味っぽく言われましたが、子どもが待っているため急いで帰りました。

 

【嫌がらせ2】

仕事をしているCさんのところに先輩がやってきました。「今度の会議、水曜日にすることになったから」と言う先輩。

その会議は重要なので、何とか自分も出席したいと思ったCさんは、「毎週水曜日は早く帰る日なんです。会議の日程を変更できませんか?」とお願いしてみましたが、「それは無理だよ。君だけの都合で変更なんてできるわけない。子育て第一なんだろ? 会議に出られなくても仕方ないよね」と冷たく突き放されてしまいました。

Cさんは、言い返したくなりましたが、相手は先輩なので言い返すこともできず、がまんしました。

 

いかがですか? 制度等の利用を理由に解雇や不利益取扱いを示唆する言動、制度等の利用を阻害する言動、制度等の利用を理由に嫌がらせ等をする言動――これらはすべてハラスメント行為にあたります。「この程度でハラスメントといわれても……」と思う人もいるかもしれませんが、そうした発想そのものが、職場風土を悪化させる温床になりかねないということは、自覚しておいたほうがよいでしょう。

 

一人ひとりがマタハラ・パタハラの重大さを理解しよう!

2017年1月1日に改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法が施行され、企業は、妊娠・出産、育児、介護等に関するハラスメント防止措置を講じることが義務付けられました。この法律で注目すべきは、日ごろから接する機会の多い職場の上司や同僚などの間でのハラスメント行為について言及されている点です。

先にあげた事例のように、ハラスメント行為は多岐にわたります。上司と部下の関係、職場の同僚同士の関係で、それぞれ法的にマタハラ(パタハラ)に該当する要件が違います。自分と相手との関係を見極め、どういった発言が問題になるのか理解することも重要です。

また、法的には問題ないとされても、倫理的に問題になる、いわゆる“グレーゾーン”の言動も職場ではよく見受けられます。グレーゾーンの言動は、職場の雰囲気を悪くします。互いに腹の内を探り合うような状態になり、ギスギスした人間関係が生まれ、働きにくい職場になってしまいます。「このくらいならいいだろう」という安易な考えが、法律違反につながります。

 

そういう状況を回避するための第一歩は、“明らかなマタハラ(パタハラ)”について、一人ひとりがしっかり学び、理解することです。まずは、職場で働く一人ひとりがマタハラ(パタハラ)の重大さを理解すること。そして、互いに思いやり、助け合える、そして存分に力を発揮できる――そんな職場づくりが求められているといえるでしょう。

 

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