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日本一働きたい会社の人事部が、入社3か月目のすべての社員と面談する理由

2017年6月13日更新

日本一働きたい会社の人事部が、入社3か月目のすべての社員と面談する理由

「ベストモチベーションカンパニーアワード2017」第1位に輝いた注目企業ライフルでは、入社3か月目を迎えた社員と人事部が必ず面談を行います。では、その理由とは?

※本記事は、羽田幸広著 『日本一働きたい会社のつくりかた』(PHP研究所刊)より、その一部を抜粋編集したものです。

「入社3か月面談」の効果

ライフルでは、すべての社員を対象に、入社後3か月が経ったタイミングで人事担当者が面談を行っています。最大の目的は、入社前のイメージと入社後のギャップがあれば、それを埋めることです。 

幸いなことに現在のところあまり悪いギャップはなく、逆に「想像以上に仕事が楽しい」というような嬉しいギャップがほとんどですが、悪いギャップについては、必要に応じて本人および上長と相談を重ね、問題解決の糸口を探っていきます。

これは、「3か月後」に人事が行うことが重要です。

というのも、入社して3か月くらいの時期は、歓迎イベントや引継ぎを終え、1人で動き出してしばらく経っていることが多いので、様々な感情の変化が出てくる頃だからです。これを半年も放置してしまえば、今度は、感じていたギャップが「どうにもならないものだ」というように、本人の意識の中で固定されてしまうことがありえます。

ですから、3か月後が最適のタイミングだと考えています。

社員から聞いた話は、その社員が伝えてほしくないといえば人事部限りにして他の役員や上司には伝えません。もし社員の意向を無視して誰かに伝えてしまえば、金輪際、その社員が人事に相談してくれることはないでしょう。課題を解決するためにどうしても伝えるべきだというときは、それを本人に伝え、了承をもらってから伝えます。

入社3か月面談に限らず、私は役員には、伝えてよいという許可を得た社員の生の声は編集せずに伝えています。そうしないと組織の「温度」がわからなくなると考えるからです。

社員の声には1人ひとり丁寧に対応しますが、その上で木を見て森を見るように、社員「たち」の声を眺めると、組織がどのような状態か測ることができるように思います。

社員の声には耳の痛いものもありますが、それを受け入れるのは経営陣に求められる胆力だと考えています。またそれにともない、社員の声を踏まえて研修プログラムなどで、社長が発信するメッセージを調整していきます。

新卒・中途かかわらず入社後半年間サポートする理由

新卒入社者でも中途入社者でも、入社直後から業務に慣れる半年間くらいは、最も不安や疑問が生じやすいものです。そんな状況に置かれた新入社員が、先輩社員から助言を受けられる仕組みが、エントリーサポートプログラム「START」です。

当社での新しい仕事人生のスタートを、所属部門以外からもサポートしたい。新しい仲間が「ライフルと出逢えて良かった」と心から思い、 ここで働くことに「安心」と「喜び」を感じて前向きに仕事に取り組んでもらえるよう、サポーターとして皆さんに心がけて欲しい5つの要素を、頭文字をとって「START」と呼んでいます。

Support = 支援する
Trust = 信頼を構築する
Attract = 惹きつける、興味を引く
Reliable = 頼もしい、頼りになる
Think together = 一緒に考える

「START」では、その新入社員とは「別の部署」で「同職種」の先輩社員がサポーターとなり、相談に乗ってくれます。相談といっても堅苦しいものではなく、新入社員とサポーターがスケジュールを調整して、ランチや夕食に誘います。月に1回程度、食事をしながら、ざっくばらんに、上司には聞きにくい疑問に答えたり、先輩のキャリアについて詳しく聞いたりと、普段の仕事ではなかなか聞くことのできない内容も話せるという趣旨です。

サポート期間は6か月で、食事代は会社が負担。体験者から好評の施策です。

ある程度の社会経験のある中途入社者にもこのプログラムを行うのは、新卒は同期入社など仲間がいますが、中途入社者はぽつんと1人で入ってきて孤独を感じやすいからです。

幹部クラスの採用がうまくいかない主な理由は、社内人脈を築けないことだとよくいわれますが、幹部クラスでもそうであれば、若い中途入社者ならなおさらです。

このプログラムを通して、自分の所属部門以外にもコミュニケーションラインができ、直属の上司には聞きにくいことなどもサポーターには相談できることで、新入社員は安心感を得られます。コミュニケーションラインは1本では足りません。

実際に、サポート対象者に対するアンケートで、回答者の約8割が「上司以外のコミュニケーションラインとしてサポーターを信頼している」と答えています。

「START」によって特に成果が出たのは支店に在籍する有期契約の社員で、コミュニケーションの活性化により会社と信頼関係が強化され、定着率が大幅にアップしました。

日本一働きたい会社のつくりかた

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