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課長が部下に要望するときの5つのポイントとは?

課長が部下に要望するときの5つのポイントとは?

(2017年5月 2日更新)

 
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チームのメンバー一人ひとりに適切な要望を投げかけ成長を促すのは、課長職の大切な役割です。部下に行動やチャレンジを求めるときのポイントをご紹介します。

 

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課長職には、優れたコミュニケーション力をもってメンバーの知恵を引き出し、結集させることが求められます。そのためにはまず、メンバーに対して方向性を示すことが大切です。そして次にリーダーがなすべきことは、適切な要望を投げかけることです。

人は要望されることによって、自分に対して期待されていると感じます。要望に応えようと考えることで具体的な行動目標が明らかになり、やる気と主体性を発揮するようになっていくのです。要望することの真の目的は、不断の進歩向上をめざして、チャレンジさせることです。それは、人と組織を伸ばすことにつながります。

要望には次の5つのポイントがあります。

 

(1)一点集中型の要望であること

メンバーに要望する場合、ついあれもこれもと要望を出してしまいがちです。しかし、たくさんの要望に対しては、意識とエネルギーが分散され、結局どれもが中途半端な取り組みになって成果をあげることができなくなります。ドラッカーは、「マネジメントの要諦は最も重要なことに絞り込むことである」という趣旨の言葉をのこしています。真に力強い活動を期待するならば、数ある課題の中から優先順位をつけ、絞り込んで要望することが重要になります。

 

(2)目標のレベルが適切な要望であること

要望する際、その目標のレベルをどこに設定するかは、相手のやりがいや主体性の発揮に大きな影響を及ぼします。容易に達成できるレベルの目標であれば、チャレンジする意欲は高まりませんし、反対にあまりにもレベルが高すぎると、到底達成は無理だと、はなから諦めてしまいます。したがって、その中間、すなわちもてる能力をフルに発揮して背伸び(ストレッチ)をすれば、何とか達成できそうなレベルに目標を設定することが大切になってきます。こうした目標を「ストレッチ目標」といいます。ストレッチ目標を設定する上で重要なのは、相手の実力を正しく把握することです。日頃からメンバーに関心を寄せ、よく観察して一人ひとりの実力を見極めることが、適切な要望につながっていくのです。

 

(3)具体的な要望であること

具体的であることも、適切な要望の条件の1つです。要望内容を具体化するためには、5W3H(What、Why、Who、When、Where、How、How much、How many)を盛り込んだり、できるだけ数値化することが効果的です。例えば「なるべく早めに大幅なコストダウンを実現してほしい」という要望よりも、「今年の10月までに、従来比30%のコストダウンを実現してほしい」という要望のほうが、具体的に何をしなければいけないかが明確になり、行動を起こしやすくします。 数値化が難しい定性的な内容に関しては、「あるべき状態」を表現することを心がけましょう。その際、あるべき状態の達成レベルがわかるよう、状況や条件(期限、目標が達成された状態のイメージなど)を明らかにし、「~の状態になる、なっている」「~の行動をする、している」というように表現することがポイントです。

 

(4)要望を追いかけること

要望は出しっぱなしではいけません。「任せて任せず」(松下幸之助)という言葉のように、要望した後もそれを追求していく姿勢がリーダーには求められます。要望に対して、メンバーがそれを達成するためのPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルをきちんと回しているかどうか、常に現状を把握しておく必要があります。その際のポイントは、リーダーがその都度報告を求めるのではなく、メンバーのほうから自主的に報告があがってくるように、日頃から正しいホウレンソウ(報告・連絡・相談)の実践を徹底させておくことです。 さらに、一連の行動のプロセス・結果を振り返らせ、そこから学びや気づきを引き出すことは、相手の成長を促す上で極めて重要です。その際に使うのが、以下のような質問です。

「なぜ、うまくいったのか」

「計画を達成するために、どうすればよかったか」

「今後も成果を出すためにはどうすればいいか」

質問力を高めることは、すべてのリーダーに共通した課題といえるでしょう。

 

(5)全身全霊で要望すること

最後のポイントは、リーダーが本気になって全身全霊で要望するということです。人が本気で発した言葉には力がこもっているといわれ、そうした力のある言葉は昔から「言霊」などと呼ばれてきました。松下幸之助は「言葉にはひびきがあるから、本当に心からそう思って言っているのか、そうでないかが自ずとわかる」と言い、信念のない言葉は必ず人に見抜かれると説いています。「何が正しいか」という観点から物事を考え、信念をもって本気で言葉を発しなければ、人の心を動かすことはできません。 要望するということに関して最も重要なことは、テクニックやスキルではなく、全身全霊で要望するというリーダーのあり方(Being)に帰着するのです。

 

 

いかがでしょう。貴社の課長職は、部下への適切な要望ができていますか。要望のしかたで、強化すべき点、改善すべき点はないでしょうか。

PHPゼミナール「課長研修 マネジメント革新コース」では、課長職の方々に、「衆知を集めた強いチームづくり」を学んでいただきます。貴社の課長職が、強いリーダーシップを発揮するための学びと気付きを得ていただくきっかけになればと思います。

 

出典:PHP通信ゼミナール「課長職マネジメント革新コース」

 

課長研修マネジメント革新コース

 


 
【監修者プロフィール】
芦刈法明(あしかり・のりあき)
1979年、(株)PHP研究所入社。書籍・雑誌などの普及活動に携わる。89年から経営開発事業本部にて企業・団体への研修普及および研修企画開発を担当。PHPゼミナール主幹講師。2017年、定年により(株)PHP研究所を退職。現在、PHPゼミナール講師。

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