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志をもったリーダーを育てる

2022年3月14日更新

志をもったリーダーを育てる

志をもったリーダーの育成が重要性を増してきました。なぜ、リーダーに志が必要なのか、またどのようにして志を育めばいいのか、考察してみたいと思います。

INDEX

志とは何か

最近、「志をもったリーダーを育成したい」という相談が多くの企業、特に大企業の人事・人材開発部門から寄せられるようになってきました。
辞書を引けば、志とは「ある方向を目ざす気持ち」とありますが、PHPゼミナールでは志を「仕事を通じて誰かの役に立ったり、社会の問題解決に貢献するための高い目的・目標」と定義しています。
弊社創設者・松下幸之助も志を重視し、次のようなことばでその重要性を述べていました。
「志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい」

出典:『道をひらく』(PHP研究所)

志が必要な理由

なぜ昨今、志をもったリーダー育成の必要性が高まっているのでしょうか。産業界を取り巻く状況から鑑みると、二つの理由があるように思われます。
一つは、社外のステークホルダーからの信頼獲得という視点です。つまり、利益を追求するだけでなく、組織を牽引するリーダーが率先して、世のため・人のためを考えて活動することで、社会、投資家、市場からの共感を得てブランド価値を高めることができます。
もう一つは、社内の人材のエンゲージメント向上という視点です。最近の若い世代は、仕事をする上での大義名分にこだわる傾向があります。一緒に仕事をする上司の言動から志を感じることができなければ、失望感を感じて転職していく人も少なくありません。優秀な人材をやる気にさせ、組織につなぎ留めるためにも、志をもって仕事をするリーダーの存在が必要なのです。

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志をもつための3つのアプローチ

志をもったリーダーの育成は、一朝一夕でできるものではありませんが、以下のようなアプローチが有効です。

1.自らの「観」を言語化する

志を確立するためには、自分なりの「企業観」「仕事観」「人間観」「人生観」といった「観」をもっておく必要があります。観を考えるうえで、有益な気づきを提供してくれるのがリベラルアーツです。歴史や哲学、文学、宗教などの学習を通じて、視野が拡がり新たな気づきが得られます。そのうえで自分なりの観を言語化し、それを何度もバージョンアップしていくことで、志が確立されていきます。

2.日々の自己観照

忙しい毎日であっても、その日一日を振り返る時間をもつことは大切です。松下幸之助は、振り返る取り組みのことを「自己観照」ということばで表現していました。日々、自己観照をすることで、自分の課題に気づいたり、自分のやるべきこと、やりたいことが明確になってきたりします。そうした営みが、志の確立につながるのです。

3.フィードバックを受ける

自分のことは、わかっているようで案外わかっていない部分が多いと言われます。自己認知を高めるために有効なのが第三者からのフィードバックです。時には、耳の痛いフィードバックを受けることがあるかもしれませんが、それを受容することで自らの課題の克服、人間的な成長が促進します。志の確立のためにも、周囲の人たちにフィードバックを求めていく積極性が必要です。

志は志で磨かれる

以上、三つのアプローチを紹介しましたが、志をもつためには一人で取り組むより、同じ目的をもった人同士で切磋琢磨しながら取り組むほうが効果が上がります。
中国のことわざに、「燕雀(えんじゃく)安(いず)くんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」ということばがあります。このことわざが意味しているのは、燕や雀のような低い空を飛ぶ鳥には、高い空を飛ぶ大型の鳥の気もちはわからないということです。つまり、レベルが異なると相手のことを理解できないという例えです。
そういう視点に立つと、レベルの高い人と交流することが自らのレベルを上げることにつながります。したがって、志の高い受講生が集まる「公開セミナー」に参加し、異業種交流を通じて刺激を受けることも志の確立には効果があるでしょう。

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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