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論理的な現状分析・問題発見の進め方

論理的な現状分析・問題発見の進め方

(2016年1月28日更新)

 
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「あれも問題、これも問題、いったい何から手を付ければ……」という若手社員には、論理的な問題発見の進め方を教える必要があります。吉田繁夫氏の解説です。

 

*   *   *

 

論理的な問題発見とは

「現状はどうなっているのか?」という現状把握は、仕事や事業を検討するうえでの前提です。現状を把握する目的は、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないかを確認することですが、日常の仕事では後者の方が重要です。うまくいっていないことを見落として手を打てずにいると、目標達成など全体の結果に大きな影響が出てしまうからです。こういった“うまくいっていないこと”の確認を「問題発見」といいます。

「問題は何か」を考えないと、問題を見逃してしまいますが、いざ問題を探そうとすると、今度はたくさん出てきてまとめきれなくなって、けっきょく何も手が打てずに終わってしまえば、問題を発見した意味がありません。

では、どうしたらいいのでしょうか? 自分にとって解決することが必要な問題だけを見極めればいいのです。それが論理的な問題発見です。

 

「問題」とは、目標と現状のギャップ

そのためには先ず、「問題」とは何かを明確にしておく必要があります。

問題とは、目標と現状のギャップであり、このうち望ましくない状態をいう。

これが「問題」の定義です。

 

論理思考における問題の定義

 

たとえば「売上100万円の目標に対して、現状は80万円だった」とき、問題は「売上20万円の不足」ということです。また中には、正確な数字をつかめない場合もあるでしょう。そのような場合には、たとえば「目標はクレーム無し」、現状は「クレームが多発」と設定し、問題は現状と同じ「クレームが多発」という設定でもOKです。

 “目標の無いところに問題は無い”と言えます。目標は無いが問題はある、という人は、自身の目標を認識できていないということで、重要度の低い問題にとらわれてしまいがちになります。

したがって、問題を発見するには目標が明確でなければなりません。目標というとおおげさですが、「こういう状態になっていたい(ありたい姿)」を設定すればいいのです。問題探しの前提です。ただし、目標も現状も「状態」を表すもので、「行動」や「心がまえ」ではいけません。たとえば「売上が○○円達成」や「▲▲業務の完了」などはOKですが、「利益改善を目指す(心がまえ)」や「▲▲業務に取り組む(行動)」などはNGです。

さらに、これらの状態を測定できる言葉表現が必要です。どの程度達成できたのかが分からないからです。たとえば、前述の「売上が○○円達成」や「▲▲業務の完了」などはOKですが、「売上向上」や「▲▲業務の円滑な進行」はNGです。また「やる気を高める」など人の意識を直接表すこともNGです。それがどういう状態か、現状を客観的に測定できないからです。

また、目標に対する現状との差が問題として表され、その問題の原因が明らかにになれば、その原因一つひとつが細分化された問題となります。

 

論理思考における問題解決

 

こうして、目標(ありたい姿・状態)」を設定し、それに対比させて現状を確認すれば、自身にとっての「解決すべき問題」が明確になります。「問題がなんだか分からない」「あれも問題、これも問題、いったい何から手を付ければ……」ということになってしまう原因は、目標の設定のしかたにあるのです。

 

 

 

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吉田繁夫(よしだ・しげお)
シーズ経営研究所代表。経営コンサルタントおよび研修講師。コンサルティング分野では、現状分析から課題抽出、対策設定の支援と助言、経営計画の論理的な策定指導、経営改革指導、人材の情緒的特性も考慮した業務改革・改善のための管理者指導を展開。研修分野は、論理思考をベースにした思考力、状況分析力、問題解決力、計画立案力、マネジメントコミュニケーション力、部下指導力、プレゼンテーション力、文書作成力などが中心。2005年に研修会社(株)エイチ・アール・ディー研究所を設立し、当初より現在まで代表取締役社長。著書に『事業計画の立て方』(TAC出版)、『結果を出す管理者・出せない管理者』(あさ出版)など多数。通信教育講座『「ロジカル交渉力」開発コース』(PHP研究所)監修。

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