階層別教育のご提案

公開セミナー・講師派遣

階層別コース

通信教育・オンライン

DVD・テキスト他

新入社員研修で伝えたいメッセージ~仕事を通じて成長するための考え方

2021年4月19日更新

新入社員研修で伝えたいメッセージ~仕事を通じて成長するための考え方

今年も多くの新入社員が各企業に入社しました。夢と希望をもって社会人になった若者たちが、仕事を通じて成長し続けるために、知っておいてほしい考え方をご紹介します。導入研修などでのメッセージとしてご活用ください。

INDEX

感謝すること・感謝されること

「感謝が感謝を生み、不平が不平をよぶ」(作者不詳)ということばがありますが、古今東西、感謝することの重要性が述べられてきました。最近では、宗教的、哲学的な観点からのみではなく、科学的な観点からも、感謝することの重要性が明らかにされつつあります。

Emmonsたちの研究によると、感謝の気持ちをもつ人のほうが、より幸せで、落ち込む事やストレスが少なく、仕事や生活に満足することが明らかにされています。(※1)
感謝することが、ポジティブな思考や自己肯定感の高まり、他者との良好な関係づくり、さらには心身の健康向上、等々につながるので、当然の結果として人生や仕事において成功する確率が高まるのです。

でも、感謝することが大事だと言われても、「いやなこと、つらいこと、腹が立つことが多くて、感謝なんてできないよ」という人もいるでしょう。そういう人に対して、脳科学者の岩崎一郎氏は、「感謝の小さな種を見つける努力をして脳回路を少しずつ鍛えていく」ことを推奨しています。(※2)
具体的には、朝、職場で挨拶をするとき、相手のいいところを見つけてそれを伝えたり、お店で買い物をするとき、レジで店員さんに「ありがとう」と言ったり、バスを降りるとき、運転手さんに「ありがとうございました」と声をかけることです。
このような行動を繰り返していくと、「感謝の種」がどんどん見つかるようになり、自然体で感謝の気持ちをもてるようになるというのです。

※1 McCullough, M. E., Emmons, R. A., & Tsang, J. (2002). The grateful disposition: A conceptual and empirical topography. Journal of Personality and Social Psychology, 82, 112-127.

※2 『科学的に幸せになれる脳磨き 人生の豊かさを決める島皮質の鍛え方』(サンマーク出版)

感謝される経験がリーダーシップ発揮につながる

学生にリーダーシップ教育を提供していることで注目を集める立教大学経営学部の舘野泰一准教授は、学生がリーダーシップを発揮し始める転機になるできごとが、感謝される経験だと言います。ゼミ活動を進める中で、仲間のために貢献する行動をとったことで、「ありがとう」と言われた経験をした人は、それ以降、どんどんリーダーシップを発揮していくそうです。つまり、人の成長は、誰かのお役に立ったという貢献実感と相関関係にあるのです。

松下幸之助「奉仕の精神」

感謝されるためには、利己的な考え方ではなく、利他的な考え方に立たなくてはいけません。利他的な考え方の重要性を唱える経営者は数多くいますが、その一人、松下幸之助は、ある講演会で「ビジネスマンの最も重要な責務は何か」と問われ、次のような持論を述べました。

簡単にいうと、みんなに愛されることですね。『あの人がやってはるのやったらいいな、物を買うてあげよう』というふうにならないといかんですよ。そのためには奉仕の精神がいちばん大事です。奉仕の精神がなかったら、あそこで買うてあげようという気が起こらない。そうですから、ビジネスマンのいちばん大事な務めは愛されること、愛されるような仕事をすることです

昭和58(1983)年4月、YPO(Young Presidents' Organization)の世界大会における基調講演時の質疑応答より

幸之助の言う「奉仕の精神」とは、利他の精神に通じるものですが、もう少しわかりやすく言うと「だれかのためにお役にたとう」という気持ちをもつことです。
職場において、上司や先輩、同僚の人たちが気持ちよく仕事ができるように、自分にできることを愚直にやり続けることが、「〇〇さん(君)、ありがとう」「〇〇さん(君)が来てくれてから、職場の雰囲気がよくなったよ」という感謝の声につながるのです。

すでに述べた通り、感謝することも、感謝されることも、一朝一夕でできることではありません。自分でテーマを決めた課題を一定期間、実践し続けることで、自分の周囲に徐々に変化が表れてくるのです。変化が出てくるまでの数週間は我慢が必要になりますが、それを乗り切ると今度は自分自身に変化が起きてくるでしょう。焦ることなく、愚直にやり続けて、自らの成長につなげていきましょう。

想像力をはたらかせよう

企業の経営者や人事担当の方がたとお会いすると、「最近の新入社員・若手社員は想像力が乏しい」という嘆きをお聴きすることが多くなってきました。「想像力が乏しい」とは具体的には、職場における自分のふるまいが周囲からどう見られているか、自分の取った行動がお客さまにどのような影響を与えるか、あるいはその行動が将来的にどのようなメリット・デメリットをもたらすのか、等々が理解できていない状態を指します。

そういえば、少し前に社会問題になっていた「バイトテロ」なども、事件を引き起こす若者たちの想像力の欠如が引き金になっているように思われます。バイト先職場での面白おかしい動画をSNSで拡散することが、どのような社会的な影響につながるのか、そのことで会社や自分がどのような不利益を被るか、想像できないので目先のノリだけを追求した浅はかな行動をとってしまうのでしょう。

バイトテロなどは極端なケースなので、大半の人は「自分は分別のある行動ができる」「人に迷惑をかけるような問題は起こさない」と考えるでしょう。でも想像力が乏しいまま仕事をしていると、問題とまではいかなくても、知らずしらず周囲の人に迷惑をかけたり、ミスやトラブルにつながる原因を生み出すことが往々にしてあります。
従って、仕事上の成果を上げ、周囲の人から感謝され、自分自身の成長を促進するためには、想像力をはたらかせることが必要不可欠なのです。

視点を変える問いを自分に投げかける

仕事において想像力を働かせるとは、表現を変えれば視点を変えることです。視点を変えるためには、以下のような問いを自分に投げかけ、異なる角度・ポジションからものごとを見たり考えたりする習慣をつけることが効果的です。

  • 掘り下げる問い:「氷山モデル」(※3)の海面下に何があるか考える
  • 「今回の提案に対してお客様が即断で断ってきたのは、どんな背景があるのだろう?」

    氷山モデル

    ※3 目の前の問題がどのような要素のつながりで起こっているかを考え、より本質的な変化を起こすための思考法

  • 視点を上げる問い:現在の自分より高い視点から、現状を俯瞰(ふかん)する
  • 「自分が課長だったら、この問題にどう対処するかな?」

  • 視点の主体を移すための問い:立場を入れ替え、周り・相手の視点で考える
  • 「今日のA社へのプレゼンについて、A社の担当者はどのように受け止めたかな?」

  • 時間軸で視点を変えるための問い:将来から今を見る
  • 「5年後の自分はどうなりたいか? そのためには今何をするべきか?」

  • 仮定に視点を向けるための問い:活用できるリソース(資源)に視点を向ける
  • 「自分の成長を支援してくれる人に誰がいるかな?」

すべては自分の成長のため

想像力をはたらかせる機会が少なかった人が、その力を高めるためには、上記のような習慣を地道に実践する必要があります。最初は目立った成果も出ないし、実践していてもその有効性を感じにくいかもしれません。でも、愚直にやり切ることです。やり続けることで必ず成果も出るし、自分自身がそのことで成長するのです。

変化の時代を生きるカギは、持続的な成長を通じて変化対応力を高めること。自分のために、社会のために、成長することにどん欲であり続けていただきたいと思います。

PHP研究所の新入社員教育はこちら


的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

新着記事新入社員研修・教育

  • 新入社員研修(公開セミナー)
  • 新入社員フォローアップ研修(公開セミナー)
  • 「新入社員研修の進め方」研修
  • 新入社員向け通信教育
  • 新入社員研修DVDビデオ教材
  • 新入社員研修eラーニング