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人生や仕事で成功するためのキーワード「感謝」~新入社員へのメッセージ(1)

2021年4月 7日更新

人生や仕事で成功するためのキーワード「感謝」~新入社員へのメッセージ(1)

今年も多くの新入社員が各企業に入社しました。夢と希望をもって社会人になった彼ら、彼女たちが、仕事を通じて成長し続けるために、知っておいてほしい考え方を3回に分けてご紹介いたします。導入研修などの機会に考えさせる話材として、ぜひご活用ください。

INDEX

感謝すること

「感謝が感謝を生み、不平が不平をよぶ」(作者不詳)ということばがありますが、古今東西、感謝することの重要性が述べられてきました。最近では、宗教的、哲学的な観点からのみではなく、科学的な観点からも、感謝することの重要性が明らかにされつつあります。
Emmonsたちの研究によると、感謝の気持ちをもつ人のほうが、より幸せで、落ち込む事やストレスが少なく、仕事や生活に満足することが明らかにされています。(※1)
感謝することが、ポジティブな思考や自己肯定感の高まり、他者との良好な関係づくり、さらには心身の健康向上、等々につながるので、当然の結果として人生や仕事において成功する確率が高まるのです。

でも、感謝することが大事だと言われても、「いやなこと、つらいこと、腹が立つことが多くて、感謝なんてできないよ」という人もいるでしょう。そういう人に対して、脳科学者の岩崎一郎氏は、「感謝の小さな種を見つける努力をして脳回路を少しずつ鍛えていく」ことを推奨しています。(※2)
具体的には、朝、職場で挨拶をするとき、相手のいいところを見つけてそれを伝えたり、お店で買い物をするとき、レジで店員さんに「ありがとう」と言ったり、バスを降りるとき、運転手さんに「ありがとうございました」と声をかけることなのです。
このような行動を繰り返していくと、「感謝の種」がどんどん見つかるようになり、自然体で感謝の気持ちをもてるようになるというのです。

感謝されること

学生にリーダーシップ教育を提供していることで注目を集める立教大学経営学部の舘野泰一准教授は、学生がリーダーシップを発揮し始める転機になるできごとが、感謝される経験だと言います。ゼミ活動を進める中で、仲間のために貢献する行動をとったことで、「ありがとう」と言われた経験をした人は、それ以降、どんどんリーダーシップを発揮していくそうです。つまり、人の成長は、誰かのお役に立ったという貢献実感と相関関係にあるのです。

感謝されるためには、利己的な考え方ではなく、利他的な考え方に立たなくてはいけません。利他的な考え方の重要性を唱える経営者は数多くいますが、その一人、松下幸之助は、ある講演会で「ビジネスマンの最も重要な責務は何か」と問われ、次のような持論を述べました。(※3)

簡単にいうと、みんなに愛されることですね。『あの人がやってはるのやったらいいな、物を買うてあげよう』というふうにならないといかんですよ。そのためには奉仕の精神がいちばん大事です。奉仕の精神がなかったら、あそこで買うてあげようという気が起こらない。そうですから、ビジネスマンのいちばん大事な務めは愛されること、愛されるような仕事をすることです

幸之助の言う「奉仕の精神」とは、利他の精神に通じるものですが、もう少しわかりやすく言うと「だれかのためにお役にたとう」という気持ちをもつことです。
職場において、上司や先輩、同僚の人たちが気持ちよく仕事ができるように、自分にできることを愚直にやり続けることが、「〇〇さん(君)、ありがとう」「〇〇さん(君)が来てくれてから、職場の雰囲気がよくなったよ」という感謝の声につながるのです。

継続は力なり

すでに述べた通り、感謝することも、感謝されることも、一朝一夕でできることではありません。自分でテーマを決めた課題を一定期間、実践し続けることで、自分の周囲に徐々に変化が表れてくるのです。変化が出てくるまでの数週間は我慢が必要になりますが、それを乗り切ると今度は自分自身に変化が起きてくるでしょう。焦ることなく、愚直にやり続けて、自らの成長につなげていきましょう。

※1 McCullough, M. E., Emmons, R. A., & Tsang, J. (2002). The grateful disposition: A conceptual and empirical topography. Journal of Personality and Social Psychology, 82, 112-127.

※2 『科学的に幸せになれる脳磨き 人生の豊かさを決める島皮質の鍛え方』(サンマーク出版)

※3 昭和58(1983)年4月、YPO(Young Presidents' Organization)の世界大会における基調講演時の質疑応答より

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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