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コンセプチュアルスキルの高め方

コンセプチュアルスキルの高め方

(2011年5月30日更新)

 
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変化の激しい時代にあって、組織のリーダーには「コンセプチュアルスキル」がますます必要になってきました。

コンセプチュアルスキルとは、カッツモデル(注1)を構成する3つのビジネススキルの一つですが、何が正しく何が間違っているのかを見極めたり、複数ある選択肢の中から最適なものを見抜いたり、あるいは複雑な問題の中から真の解決策を導き出したりする「目利き」に近い概念ともいえます。

 

カッツモデルにおいては、組織の中で上位階層に上がるほどコンセプチュアルスキルの重要性が増すと説明されています。重要な職責を担っているリーダーが、組織を間違った方向へ導かないためにコンセプチュアルスキルを高める必要に迫られていることは、至極当然のこととも言えるでしょう。

 

ではどうすればコンセプチュアルスキルを高めることができるのでしょうか。この問いに対する絶対的な黄金律など存在しませんが、プロと言われる人たちの実践談を分析してみると、彼らが「体験」と「内省」の積み重ねを重視していることに気付きます。

 

たとえばベテランの医師は、短時間の問診で患者の状況を把握し、即座に処方箋を出します。こうした離れ業ができるのは、過去に数多くの症例に接してきた「体験」の積み重ねが、医師としての目利き能力を高めているからです。

 

ビジネスにおいても理屈は同じで、多種多様な状況を体験することが目利き能力を高めるカギとなるのです。しかし、ここで留意すべきは「体験しっ放し」にしないということです。体験には自分にとっての学びがたくさん埋蔵されていますが、見たり聞いたりするその瞬間には気付かないことが多いもの。従って、体験から学びを引き出すためには、内省によって体験を振り返る作業が必然的に求められるようになるのです。

 

ただし、他のスキルと違ってコンセプチュアルスキルの開発には時間がかかります。従って、企業における人材開発においても「継続的な教育」や「計画的なローテーション」、そして「コーチやメンターをつけることによる内省の促進」など、ある程度の長期ビジョンに基づいたスキル開発の機会と環境を整えることが重要でしょう。

 

こうした取り組みによって、一人ひとりの内側に体験と内省が一体化して積み重ねられていく過程で、高いコンセプチュアルスキルをもったリーダーが輩出されるのではないでしょうか。

 

 

(注1)

ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・カッツ教授が提唱している「組織内の職務遂行において重要なビジネススキル」のことで、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルを図式化したもの

                 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     

 


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