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女性活躍を支援するために【コラム】~正岡紀子

女性活躍を支援するために【コラム】~正岡紀子

(2015年2月10日更新)

 
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女性が社会で活躍するためには、法や制度の整備に加え、個々の企業や職場での具体的な取り組み、努力が問われている――女性活躍支援の研修講師としてご活躍中の正岡紀子氏のコラムです。

 

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ある研修の帰りのことです。受講されていた女性と、電車で一緒になりました。ご感想をお聞きすると、「今日はとても気分が晴れました。受講してよかったです。最近、イライラが止まらなかったので」とのこと。ご両親と3人暮らしだったのですが、お母様が入院されて生活が一変してしまったのだそうです。幸い病院はお姉様が付き添ってくれているそうですが、炊事、洗濯、掃除、買い物、そして仕事で疲れて帰ってきたところにお父様の話し相手……。ゆっくり休む時間もない毎日。でも最後にはおっしゃっていました。「私は、これまでずっと好きな仕事だけをしてきましたから、この機会に両親のために何かするというのも大切ですよね」。

 

女性が仕事を続けることは、この女性に限らず、本当に大変だと思います。家事を切り盛りしながら、子どもを育てながら、あるいは親の介護をしながら仕事を続けている人が大勢います。

 

そうした女性の話を聞いてみると、たくさんの不平や不満が出てきます。特に多いのが「会社、上司にあまり期待されていないので、モチベーションが上がらない」という声。人は、自分が必要とされている時に幸せを感じます。それは職場でも家庭でも同じです。そして、職場で必要とされているということを感じるには、上司や同僚からから認められたり、ほめられたりするというコミュニケーションが重要になります。

 

よくあるケースが、上司はほめているつもりでも、部下はほめられたと思っていない、というもの。本人が「ほめられた」と思っていない場合には、ほめたことになっていません。上司は、コミュニケーションのスキルを磨き、承認する機会を増やすことが必要です。さらに、女性社員のほうでも、感情的にならないで自分の思いをコントロールする能力や、自分の思いを表現する能力を磨き、さらに自分の強みを知って自己肯定感をあげていくという取り組みが大切です。

 

また、育休や産休などの制度を利用する女性がいる一方、そうした制度を利用せずに職場で大きな仕事の負担を抱えながら、がんばっている女性もいるのが現実です。そうした女性をきちんと評価する、これも女性活躍のカギになります。

 

昨年、私は、世界80カ国の女性が集まり意見交換する「グローバルサミット オブ ウーマン」という会議に参加しました。そこで驚いたのが、開催国フランスをはじめとする女性活躍先進国の状況です。そうした国々では「女性管理職を増やす」というステージはすでにクリアしていて、「女性役員を増やす」ということが話題になっています。ちなみに現在、日本では女性管理職は一割を超えた程度ですが、フランスでは女性管理職が五割に近づいているという状況です。そして女性役員(経営者層)の数も、2004年に7.2%であったのが昨年は29.7%にまで伸びています。フランスでは、女性が働くのは当たり前。男性は、自分ができる家事は何でもする、というスタンスが一般的なようです。先述の数字も、こうした風土があってこそ実現できたといえるでしょう。女性が社会で活躍するには、やはり男性の力が必要です。お互いを理解しあい、負担を分かち合うという協力が欠かせません。

 

「男女雇用機会均等法」が施行されてまもなく30年。女性が職場で差別を受けることなく、職場での活躍の機会を確保するために作られた法律ですが、時代の変化とともに女性の考え方や働き方も大きく変化しています。仕事を優先したい、プライベートを優先したい、この2つのバランスをうまく取りながら仕事をしたい――さまざまな思いを持って仕事をしている女性がたくさんいます。女性が社会で活躍するためには、法や制度の整備はもちろん大切ですが、今後は個々の企業や職場での具体的な取り組み、努力が問われていると言えます。そうした現状をふまえつつ、女性活躍支援の研修講師として、お役にたてればと思います。

 

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【講師プロフィール】

正岡紀子(まさおか・のりこ)

航空会社教育担当、メガバンク総合企画、ネット銀行コールセンター立ち上げなどを歴任し、講師として独立。リーダーシップ、キャリアデザイン、インストラクター養成、アンガーマネジメント、コンシェルジュ養成、CSマナー、クレーム対応など、実務経験をもとにしたリアルなライブ型研修が特長。クライアントの要望に応えつつ、受講者の意識やレベルに応じた効果的かつ柔軟な進行で高い評価を受ける。


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