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研修の事前・事後確認に役立つ「ガニエの9教授事象」

研修の事前・事後確認に役立つ「ガニエの9教授事象」

(2016年6月 8日更新)

 
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研修講師には、ゴールを明確にした上で研修をデザインすることが求められます。研修プログラムをデザインするときの事前確認、講師のインストラクションが受講者にとって適切なものだったかどうかの事後確認には、「ガニエの9教授事象」が役立ちます。

 

*    *    *

 

アイスブレイクで研修を一気に立ち上げる

研修の導入時や、昼食後の気持ちの切り替え時、カリキュラムの節目などに、初対面の参加者同士の抵抗感をなくしたり、グループ内のコミュニケーションを促進したり、受講者の視点を切り替えたり、受講者の不安を軽減することを目的として実施される簡易なグループワークを「アイスブレイク(もしくはアイスブレイキング)」と呼ぶ。

初対面同士の、氷のように緊張した気持ちをほぐすことができ、スポーツにおける柔軟体操のように、心をやわらかくして講師やメンバーの話をよく聴く手助けになってくれる。有効活用すれば研修効果の促進につながるが、多用しすぎると研修本来の目的から逸脱することになるので、注意していただきたい。

なお、アイスブレイクの中には、解釈のしようによっては特定の人を傷つけたり、プライバシーを侵害したりする可能性のある場合がある。人種、宗教、性差、その他メンバーや会の性格、目的に合わせて、適切なものを選ぶことも大切である。

 

インストラクターはデザイナーでもあれ

研修を実施するからには、受講者に何か伝えたいことがあるはずである。とはいえ、それを羅列して講義を行うだけでは、受講者の腑に落ちない。腑に落ちないものは、実行できない。

研修全体をいかにデザインするのか、それが講師の腕の見せ所のひとつでもあろう。また、研修当日のみならず、研修前後も含めて、一連の流れをデザインすることが大切である。

 

【研修の責任範囲】

 

研修の責任範囲

 

「ガニエの9教授事象」

ちなみに、インストラクショナル・デザインの発想の中に「ガニエの9教授事象」というものがある。これは、研修プログラムをデザインするときの事前確認、または講師のインストラクションが受講者にとって適切なものだったかの事後確認に役立つものである。

 

【ガニエの9教授事象】

1)学習者の注意を獲得する

受講生に対し「今、なぜこの学習が必要なのか」目的を伝えたり、本人に確認させたりする。

 

2)授業の目標を知らせる

「今日は、○○ができるようになることを目標にします」など研修後、どのレベルに到達することが目標なのか事前に知らせる。

 

3)前提条件を思い出させる

「前回の研修では○○を行ったので、今日は××を行います。前回の○○を覚えていますか」というように前回の学習を再確認する。

 

4)新しい事項を提示する

この研修で初めて登場する概念、知識を提示する。

 

5)学習の指針を与える

研修目標を達成するためのヒントを与える。「今日学習する内容を要領よく理解するポイントは、○○です」など。

 

6)練習の機会をつくる

いわゆる講義や演習を行う。

 

7)フィードバックを与える

講義や演習の結果、そのやり方が良かったのか、悪かったのか、正解なのか不正解なのか本人に伝える。講師講評やメンバー同士のフィードバックがこれにあたる。やりっぱなしは厳禁。

 

8)学習の成果を評価する

研修後、学習者の成果をテストやアンケートなどで確かめる。

 

9)保持と移転を高める

研修終了から一定期間を置いて、学習者が学んだ知識をどれだけ保有しているか、実務に役立てているかを確認しながら復習することである。いわゆる、フォローアップ。

 

いずれにせよ、まずは何よりも、講師自身しっかりとしたゴールイメージを持つこと。そしてそのイメージを受講者と共有すること。研修の冒頭に行うべきことがこの、イメージの共有化、すなわち、研修の目的やねらい、目標の確認ということになる。

 

 

 
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 

 
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【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき) 
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子(まつした・なおこ) 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所) 、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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