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部下のストレスサインと対処法~職場のメンタルヘルスマネジメント

部下のストレスサインと対処法~職場のメンタルヘルスマネジメント

(2013年4月17日更新)

 
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部下に元気がなく、やる気がなさそうに見えるとき、何と言って声をかけていますか? 「しっかりしろ!」「やる気出せよ!」 そういってやる気が出るなら苦労はないでしょう。
 

やる気なく見えるのは、ストレスや職場不適応のサインなのかもしれません。うつ病のサインだったら、ますます悪化するかもしれません。

PHP通信ゼミナール「管理者のためのメンタルヘルス・コーチング」(監修・執筆 高原恵子)は、一人ひとりが活き活きと力を発揮して仕事をしている状態をつくり出すために、メンタルヘルスに取り組む際に必要な考え方や、そういった状態の部下への対応の仕方を、コーチングの考え方を踏まえて学習していく教材です。
ここでは、「部下のストレスサインについてご紹介します。

 

*  *  *  *  *

 

行動面に表れるストレス
あなたは、今いる部屋の中にどんなものがあるか、把握しているでしょうか?
例えば、目を閉じて、部屋の中にあった赤いものを思い出してください。記憶の中で、あなたは赤いものをいくつ思い出せましたか? ほとんどの人は、記憶の中では、あまり思い出せません。
目を開けて部屋の中を見回してみると、赤いものが次々と見つかります。自分自身では、いつも生活している場所のことを知っているつもりでも、意外に気づいていないことが多いものです。これは職場の他の人に対しても同様で、一緒に働いていても、相手の微妙な変化に気づかないものです。
そうした変化に気づくためには、「アンテナを立てる」ことが大切です。つねにアンテナを立てて変化に目を配っていると、部下の様子を見たときに、「あれ? いつもと違うな」と部下のストレスサインに気づきやすくなります。部下のストレスサインをキャッチするときは、行動面から見たほうがつかみやすいでしょう。
下記に、行動面に表れるストレスサインをあげています。ストレスサインを知っていることで、アンテナの感性はより高まることでしょう。


[行動面に表れるストレスサイン]

 

 ◇攻撃的な行動に出る場合

・口答えや批判が多くなる
・些細なことに腹を立てる
・歩くのも食べるのも速くなる
・落ち着きがない
・結論を急ぐ
・人の話を聞かない
・ミスや失敗を人のせいにする
・相手の都合を考えずに話をする


 ◇逃避的な行動に出る場合

・口数が少なくなる
・仕事中たびたび休んでいる
・ぼーっとしている
・トイレの回数が増える
・やる気が感じられない
・欠勤や遅刻が増える
・仕事の能率が落ちる
・自分から発言しなくなった
・ミスが多く、指示が実行されない


 ◇ライフスタイルの乱れとなって表れる場合

・ひげを剃らずに出社する
・同じシャツを続けて着ている
・タバコやお酒の量が増えている
・ギャンブルに凝り出す
・急に太ったりやせたりする
・欠勤や遅刻が増える
・最近、ズボンに折り目がない
・極端に辛いものや甘いものを食べる


こうしたサインは、その人の性格、趣味、嗜好の部分もあります。ですから、すべての人にあてはまるということはありません。しかし、放置してよいものと、放置してはいけないものがあります。
そのさじ加減を見極めるポイントが二つあります。一つ目は、本人がコントロールできているかどうかです。二つ目は、業務に支障があるかどうかです。例えば、お酒を飲みすぎて、次の日のクライアントの約束をキャンセルしてしまうのは、自分でコントロールができず、業務に支障が出ているということになります。
もし部下のこうしたストレスサインに気づいたら、「これは本人の性格だ」と決めつける前に、まずは「ストレスが高いのでは?」という視点から見るようにしましよう。そのほうが、上司として部下の力を活かす方向に関われることがあるからです。
いずれにしても、サインに気がついたら、話を聴くようにしてください。そして、そのサインの背景にあるストレッサーを確定することが大切です。

 

部下のメンタルヘルスを把握する

部下のメンタルヘルスはあなたのコミュニケーション次第で、良くも悪くもなります。普段から部下とのコミュニケーションを大切にして、部下のサインを見逃さず、そのサインに適切に関わる姿勢を持つことが大切です。


例えば、ストレスサインを出している部下がいるとき、次の二つのことを直接聞いてみるのも一つの方法でしょう。聞くポイントとしては、一つ目は身体症状です。ストレスレベルが高すぎるときは、不眠、食欲不振、胃痛、抑うつ、腰痛、頭痛、じんましんなどの心身の症状が出ます。まず、そうした症状がないか聞いてみましょう。
 

二つ目は、アフター5や休日の過ごし方を聞いてみてください。職場不適応になっている場合は、社内では元気がなくとも、社外では精力的にレジャーや趣味に没頭していることがあるのです。ただし、つきあいで行っている場合もありますから、楽しかったかどうかを確かめてください。

 

身体症状の有無と、休日は休んでいるか活動的かの組み合わせで、4つのブロックに分けることができます。この状態の特徴によって、その対処法も異なってきます。

 

chart of mental.jpg

まず、Aのブロックであれば、ストレスレベルが高すぎる状態です。この人には休養が必要です。休日はしっかり休むこと。時間を自分でコントロールできるようにし、新しい負荷は避けましょう。週末休めると思って頑張ってきたのに、休日の直前になって突然休日出勤をするように指示されると、とてもストレスに感じます。ですから、上司であれば、部下への休日出勤の指示はできるだけ前倒しで出すことです。


Bのブロックであれば、少し疲れている状態です。あまり過度の負荷をかけるとAへの移行の恐れがあります。
 

CやDのブロックであれば、職場不適応になっていることが考えられます。初めはDの「職場に不適応になる原因があって元気がない状態」だったのが、重くなってくると身体症状が表れてCの状態になってくることもあります。ストレスの原因を明確にし、対処法をコーチしてください。また、小さな成功から自信をつけることも有効です。
 

また、この中には、燃え尽きてしまっている人もいます。そういう人に「やる気を出せ!」とプレッシャーをかけても、車にガソリンがないのにアクセルを踏んでいるようなものです。こうした場合は、本人の内側からのエネルギーアップが必要です。それには傾聴とコーチングが有効です。

(第1章「職場のストレス・マネジメントとは」より)

 

【通信ゼミナール】
「管理者のためのメンタルヘルス・コーチング」

部下が職場で感じるストレスの大半は、上司と意思の疎通ができないなどのコミュニケーション問題です。本講座では、コミュニケーション・スキルであるコーチングを身につけ、部下のストレスに対処することで、良好な職場づくりをめざします。

 

[監修・執筆]

 

高原恵子 たかはら・けいこ

上智大学大学院修士課程修了。臨床心理学専攻。聖マリアンナ医科大学付属東横病院神経科にて臨床心理士として4年間勤務した後、(株)iBDにてコミュニケーションセミナー講師を14年間務める。1989~91年、iBD USA CO INCのGeneral ManagerとしてNew Yorkに出向。駐在員とその家族のメンタルヘルスにあたる。1998年、(株)コーチ21に取締役として出向。1999年、(有)コミュニケーション心理学研究所を設立。代表取締役。メンタルヘルス研修、カウンセリング、コーチングを中心に活動する。日本心理臨床学会正会員、日本精神分析学会正会員、横浜市教育委員会スクールスーパーバイザー。著書多数

URL http://www.keikotakahara.com/

 


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