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若手社員・部下はなぜやる気をなくすのか

若手社員・部下はなぜやる気をなくすのか

(2014年12月10日更新)

 
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チームをまとめる課長が、若手のやる気を維持し、成果をあげさせられるかどうか、これは業績に直接かかわる重要課題の一つです。では、若手のモチベーションを高めるには、どんな要素があるのでしょうか。逆に、どんなときにやる気をなくすのでしょうか。

 
*  *  *
 
仕事の成果をあげるには、部下・メンバーの「やる気」をいかに維持向上させるかが重要であることは言うまでもありません。とはいえ、その実践となるとなかなか難しいものです。
そもそも、やる気が高まるのはどのような時でしょうか。おそらくあなたが思うものに共感する部下・メンバーも少なくないでしょう。ただ、世代の違いという点は無視できません。些細なことのように感じますが、社会情勢や教育事情は、その世代の考え方に大きく影響します。その点については考慮する必要があると思われます。
 
次にあげるのは、若手社員のやる気を高め、維持向上させるために上司が配慮すべき要素です。
 

1)お役立ち感(貢献感)

自分の仕事や存在そのものが社会の役に立っているという感覚をもたせること。なぜその仕事が必要なのか、誰にどのようなことを期待されているのかといった意義・ミッションを正しく理解させることで、部下自身が自らの仕事の価値や責任を確認することができ、やる気が高まります。
 

2)成長実感

仕事を通して自分の仕事上の能力が存分に発揮できている、あるいは自分自身が確実に成長しているという感覚や予感をもたせること。また、これまでできなかったことができるようになったという実感は、部下の成長を促し、人間としての幅を広げることにもつながります。
 

3)自己の存在価値(承認)

日頃の仕事への具体的な取り組みやプロセスに関し・上司や周囲が認めてくれているという実感をもたせること。そのためには、上司は常にその存在を認め、成果をあげればタイムリーにほめることが必要です。また、常に見守り適切なフィードバックをするなど、部下に対して関心をもっていることを示すことで、部下も安心感がもてるのです。
 

4)魅力的で実現可能な目標

部下に対し、チーム・組織の近未来(3年後)の魅力的なあるべき姿、ありたい姿を具体的に示すことが大切です。今は厳しい状況であっても、近い将来の夢や希望が示され、それが実現可能だと思えれば、部下は勇気とやる気をもって仕事に取り組みます。
 

5)有能感

誰の手も借りないで仕事ができる、自分には人より優れた能力があるという自信をもたせること。与えられた目標の達成という小さな成功体験を積ませることによって自信が生まれ、次の成長へとつながります。
 

6)自主自立性

自身の自主性や自立性が尊重されていると感じさせること。指示命令をするばかりではなく、部下の意思で決定させたり、目標達成の方法やプロセスなどを考えさせる機会を与えることで、自主自立性が育ちます。上司としては、できるだけ任せることが重要です。
 

7)関係性

上司との間に相互理解と信頼関係があるという実感をもたせること。自分は上司と理解しあっている、関心をもちあっている、期待しあっていると思える温かい雰囲気をつくることは、部下の安心感とやる気につながります。
 

8)達成感・充実感

目標を掲げて、それを達成したときの達成感や充実感をもたせること。目標は明確で具体的に、期限をはっきりと設定させることも重要です。
 

9)適正な評価と処遇

働きに対して適切に評価し、報いること。
いうまでもなく、上司による適正な評価や昇進・昇格は励みとなり、次へのエネルギーになります。
 

10)ロールモデル(お手本)の存在

手本とすべき上司・リーダーがいること。
やる気のない上司のもとでは、せっかくのやる気もダウンしてしまいます。部下のやる気に火をつけるには、まずは上司が、自分自身の心を燃やして仕事にあたることです。その姿を見て、部下・メンバーは「ああなりたい」「あの人についていこう」と仕事に励むようになるのです。
 
 
以上10項目の中でとりわけ重要なのが「お役立ち感(貢献感)」と「成長実感」です。かつて若い世代は、外的報酬(金銭的報酬・地位的報酬)を求めがちでした。しかし、金銭や地位ばかりでなく、内的報酬であるこの2つの「感」、すなわち「貢献感」「成長実感」に魅力を感じる人が多く見られるようになったことが、現代のマネジメント環境の特徴といえるでしょう。
 
 

若手社員はなぜ、やる気を失うのか

 
逆に、やる気を失う場合のことも考えておきましょう。
先に、若い世代のやる気を高め・維持向上させると考えられる要素を学びましたが、それらが欠如した状態になると、やる気を失うのです。
 
【やる気を失う要素】
(1)自分の仕事に意義が感じられず、社会の役に立っているという実感が得られない
(2)設定されたテーマや目標が魅力的でない
(3)指導・助言と評価・処遇が適切に行われない
(4)職場の雰囲気が悪く、環境整備が良好とはいえない
(5)やる気に燃える上司・先輩(ロールモデル)がいない
 
 
これらを見直し改善するのは、いうまでもなく課長職の役割です。それにはまず課長自身の意識革新が必要でしょう。
課長の関わり方、関心のもち方で部下・メンバーの「やる気」は変わります。つまり、部下のやる気の維持向上には・上司のコミュニケーション能力が大いに影響しているのです。
 
 
【出典】
 
【監修者紹介】
芦刈法明(あしかり・のりあき)
1979年、(株)PHP研究所入社。書籍・雑誌などの普及活動に携わる。89年から経営開発事業本部にて企業・団体への研修普及および研修企画開発を担当。現在(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部 主幹講師。
PHPビジネスコーチ(上級)
主な担当テーマは、ビジネスコーチング研修、マネジメント、リーダーシップをテーマとする研修、セールスパーソン研修 他。
現在、PHP公開セミナー「PHPコーチング ベーシックコース」「課長職マネジメント革新コース」を担当。

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