リーダーシップを育成する中堅社員研修プログラムの例
2015年2月 3日更新
中堅社員研修では、役割の自覚とリーダーシップの育成が重視されます。また、講義だけではなく、ゲームやディスカッションなどを盛り込むと効果的です。『実践 社員教育推進マニュアル』からの転載で具体的なプログラム例をご紹介します。
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【中堅社員研修のプログラム例】
1日目:中堅社員の役割とリーダーシップ
2日目:業務改善と部下指導力
【ねらい】
・中堅社員としての自覚を促し、期待される役割を認識する
・リーダーシップや後輩指導、業務改善への取り組みを促す
・自己のキャリアビジョンを明確に描き、自己革新計画を立てる
【研修プログラムの考え方】
(1)経営理念・行動規範を意識した仕事をする
入社後3年が経つとかなり仕事を覚え、自分の会社や仕事を振り返る余裕が出てくる。しかし一方で、この時期から将来に対する不安を感じ、転職を考える時期でもある。「この会社でよかったのか」「自分のやりたい仕事はこれなのか」など、将来の方向性に迷いが出てくる。会社の経営理念をしっかり理解させ、仕事に対する使命感を持つように教育しなければならない。
入社後5年以上経つと仕事にマンネリ感が出てくるので、異動や配置転換も検討する。この時期からマンネリ感で転職していくケースもあり、自己重要感や自己存在感を感じさせる教育が必要になってくる。
(2)スキルチェックにより強みと弱みを発見する
スキルチェックは前向きに向上心を持って確認するように促す。これまでの仕事ぶりを振り返り、まだ欠けている能力を認識するとともに、得意なことや長所を発見してもらう。自律型人材を目指して主体的に率先してキャリアを積んでいくように促す。
(3)組織の中での役割認識と求められるスキルを気づかせる
期待されている役割を認識し、スキルチェックによる現状把握とのギャップを実感として受け止めてもらう。今後、どのように役割を遂行するのか、さらに次期リーダーになるためにどのように行動していくべきかを考えてもらう。
今後、会社の中核を担う社員として求められるスキルを明確にする。リーダーシップやチームワーク、部下・後輩指導など対人スキルをゲームを通じて体感してもらう。
(4)新規事業や業務改善の企画を立案するスキルを教育する
仕事に対するやる気は「自分と会社の一体感」が感じられることでわき起こって来るものである。この時期、経営者の話をじっくり聴き、再度会社との一体感を体感することは極めて意義がある。
発想力や企画力を養成するだけではなく、自律型人材になるため、自分のやりたいことを仕事の中で発見し、それを自ら考え行動を起こすことに気づいてもらう狙いもある。ゲームや実習を通じて、自社の事業にとらわれず「新規事業」を考えたり、仕事のムリ・ムダ・ムラを発見し、「業務改善」の企画を立てるスキルを学んでもらう。さらに、仕事に対するモチベーションを促し、1枚企画書作成法を学んでもらう。
(5)自己革新計画を作成し決意表明する
キャリアプラン計画シートを作成することで、「今後何を学んで、どのように行動していくか」を考える。具体的に3年後・5年後・10年後を見据えて、獲得する知識・スキルと行動目標を明確にする。
最後に決意表明として、「どうやって将来のあるべき姿に近づいていくか」を全員の前で発表する。発表することで、意欲を高め、「有言実行」の風土をつくる効果もある。