課長職にマネジメントの革新を!
RSS

中堅社員研修で使えるキャリアプラン作成シート

中堅社員研修で使えるキャリアプラン作成シート

(2015年3月10日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

中堅社員研修において、キャリアプランを描かせるうえでポイントとなるのは、3年後・5年後・10年後のキャリアを「会社の成長」と重ねて描かせること。「社内で習得したい、達成したいスキル」と「自分がどれだけ会社に貢献できるか」を、会社のビジョンにそって考える機会にしたいものです。

 

*  *  *  *  *

 

若手社員の将来への不安とキャリアプラン

先行きが不透明な時代、多くの若手社員が漠然と「将来への不安」を抱いている。まずは会社が、明確に将来の安定・成長に向けての地図を示す必要がある。3年後、5年後、10年後……。社会情勢の予測を踏まえて、自社はどうやって力をつけていくのか。

 

ただし、トップから明確な地図を渡されても、そこに自らの進路を重ねて描ける社員は少ない。ベテランや管理者ならともかく、「会社」と「自分のキャリア」は別と考える社員は多いものである。

 

「キャリアプラン」は扱い方によっては転職意思を刺激するものになるので、社内で実施する場合は注意が必要となる。あくまで、「社内で習得したい、達成したいスキル」と「自分がどれだけ貢献できるか」を、会社のビジョンにそって考える機会にしたい。

 

「ワーク・ライフ・バランス」という考え方が注目を集めている。しかし、中小企業では、社員が長く働ける環境づくりが未整備のところも多い。まず企業側が「ワーク・ライフ・バランス」を実現できる仕組みを整えること、また、モデルケースや事例を積極的に紹介することが必要である。

そして、社員には「長く雇用されること」のメリットを伝える。制度が未整備であれば「働き方で悩んだら相談してほしい」という姿勢を見せて、社員からの要望を吸い上げるところから始めるべきである。

 

次に用意した「キャリアプラン作成シート」は、社員の意欲向上を目指しつつ、会社が「長く雇う」ための情報収集ツールにもなりうる。積極的に活用してもらいたい。

 

キャリアプラン作成シートの活用

会社の今後の展開についてのレクチャーを踏まえて、自身のキャリアの今後を考えてさせる。

 

キャリアプラン作成シート

 

(1)実施状況

社員研修内、または事前に記入をさせる。その際、「わが社の3年・5年・10年プラン」を説明する資料を渡し、会社の成長目標を示す。

 

「今の皆さんに、いきなり『10年後はどんな仕事をしていたいか?』と質問しても、イメージが湧きにくいと思います。一方、会社には明確に今後の計画があります。皆さんは社員としてその計画や目標を知っていますか? まず、1.の左の空欄に今から『わが社の計画』を改めてお話しますので、記入してください。3年後、現在は業界シェア30%を50%にすべく、M&Aおよび流通先の拡大を……(以下、会社の事業計画を説明)。メモをとっていただいた横に、今度は皆さん自身の『3年後・5年後・10年後はどんな仕事をしているか?』を、現状の働き方を維持した場合で考えて記入してください。そのときの年齢も入れてください。また、一番右に『人生のイベント』とあります。結婚・出産・介護など、想定されるライフイベントを記入してください」

 

<シート1>の記入が終わった後に、簡単なまとめを入れる。

 

「会社が成長する中で、皆さんは家庭と仕事をどのように両立していくか、少し見えてきたのではないかと思います。その中で、一度キャリアを休まなければならない場面や、働き方を工夫する場面が出てくるかもしれません。その際には、まず上司に相談をするようにしてください。さて、今度はもう少し具体的に「目標を立ててキャリアを積む」ためのプランを考えてみましょう。皆さんの今持っているスキルやポジション・業務内容を、「現状」の欄に書いてください。一番右には「今すぐやらなければならない」課題克服のための行動や、勉強内容を具体的に書きましょう」

 

その後、3年後・5年後・10年後に持っていたいスキルや就いていたい仕事、それを達成するための行動目標を記入していきます。

 

(2)実施時間

1.をレクチャーと記入で15分程度、2.は15分程度。様子を見て時間調整。名前を記入してもらい、回収する。

後日コピーして返却。査定に響くものではないことを、しっかりと伝える。事前に回収することを伝えると本音が出ないので、言わないで進める。

 

(3)まとめ

「先を見通して仕事をする」ことの重要性を伝え、まとめる。時間があれば「10年後のために今日からすること」をテーマに、一人ずつ発表させることでさらに効果が上がる。

 

※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 
 
 
中堅社員研修
 
【著者プロフィール】
 
茅切伸明(かやきり・のぶあき) 
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
松下直子(まつした・なおこ) 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ