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管理者として失敗の原因を考える

管理者として失敗の原因を考える

(2015年4月14日更新)

 
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仕事の成果が思うようにあがらなかったとき、うまくいかなかったとき、管理者として失敗の理由をどこに求めるべきでしょうか。原因帰属の考え方を、PHP通信ゼミナール『リーダーシップ開発プログラム』(高橋健策 監修)のテキストからご紹介します。
 

失敗の原因を他に求めたくなる

 
●失敗をどうとらえるか
失敗を避けたいという思いは、“評価されたい”“認めてもらいたい”という気持ちの裏返しでもあるのでしょう。また、“恥をかきたくない”という心理もあります。
あなたの場合なら“管理者としての立場や面子”もあるでしょう。この“恥をかきたくない”という心理は、プライドが高い人ほど陥りやすい傾向です。
逆に“どんな失敗をしても平然としている”というのも困ったものです。それがよほどの大人物でなければ、リーダーにふさわしい感受性・感覚のない人物といわざるをえません。リーダーには、失敗を失敗と理解できるくらいの知性や感受性、責任感が求められます。
失敗を避けたいという気持ちが強すぎると、失敗しないことしかやらなくなります。これでは、あなた自身や部下の成長、さらに長い目で見て職場の力をつけることができなくなります。“失敗から学ぶ”とは、古くからいわれ続けていることですが、真に学べるかどうかは、失敗という事実をどうとらえるかにかかっています。それが次に述べる“失敗に対する原因帰属”ということです。
 
●失敗の原因は?
“うまくいかなかった原因は何か”と考えます。これを組織心理学では“原因帰属”と呼んでいます。何を原因と考えるか、すなわちどのような原因帰属がなされるかは、失敗から学ぶ上で大変重要なことです。失敗の原因を詰めて、納得できる説明ができるか否かが、今後の進め方や予測、判断を決定づけてしまうからです。原因帰属は、次に示すように大きく“内部帰属”と“外部帰属”の2つに分けられます。
 
◇内部帰属(個人の内的な面に原因があると考えるもの)
個人の知識、スキル、感情、パーソナリティ、努力の程度など、その個人の内的な面にその原因を求めるものです。
 
◇外部帰属(個人要因以外の環境や状況に原因があると考えるもの)
経済状況、会社の制度やルール、課題の難易度、周囲の協力など、その個人から見た環境や状況のあり方に原因を求めるものです。
 
 
経験的にも理解できると思います。自分が行ったことについて、一般的に、うまくいったときは内部帰属、失敗したときには外部帰属させたいという心理が働くものです。
ところが他人のこととなると、帰属関係が逆になることがあります。すなわち、うまくいったときには外部帰属、うまくいかなかったときは内部帰属させたいという心理です。
たとえば、部下がある仕事についてうまくいかなかったとき、“部下はどんな手順で仕事をしたのか”“そのことについて部下は知識が足りなかったのではないか”“努力が足りなかったのではないか”など、部下の内的な要因に偏りすぎた見方をすると、正しい原因帰属ができなくなります。部下の失敗に対する原因を管理者自身の内的要因に結びつけてとらえる必要があります。
 
◎部下に対する仕事の指示は的確だったか?
◎進め方の基本をよく話し合い、共有できていたか?
◎仕事のプロセスを管理し、タイムリーな判断や助言をしたか?
 
これらは、すべて管理者としてのマネジメントの問題です。すなわち管理者自身の内的要因(部下から見れば外的要因)に結びつけて原因を考えることです。
正しい原因帰属ができて初めて“失敗から学ぶ”ことができるのです。
 
 
 
[出典]
 
Thinking and Training
 
リーダーに求められる知識とスキルを習得し、それを基に、自分の仕事に即したトレーニングプランを立案し、日々の仕事で実践することにより、組織を動かす自律的リーダーの養成をめざします。
 
 
[監修者プロフィール]
 
高橋健策 (たかはし・けんさく)
1948年、名古屋市に生まれる。1972年、関西大学工学部管理工学科卒業後、弱電メーカーおよび機械メーカーで事業計画、生産管理、生産技術の仕事に従事する。1978年、産業社会学研究室に入室。経営コンサルタント活動を始める。
人事管理制度の改善や財務管理、経営計画の策定と実践などを中心にした経営診断・改善業務および教育担当者養成研修、階層別研修を担当する。
著書に『新入社員研修マニュアル』(共著)、『成果主義経営マニュアル』(PHP研究所)
 
 
 
 

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