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メンタルヘルス・マネジメントの考え方と管理監督者の役割

2016年5月17日更新

メンタルヘルス・マネジメントの考え方と管理監督者の役割

メンタルヘルス不調の第一次予防を目的とした「ストレスチェック制度」が義務化されました。予防の観点から日々元気に活動できる状況をつくり出すメンタルヘルス・マネジメントの考え方と取り組み、管理監督者の役割を解説します。

「ストレスチェック制度」は第一次予防が目的

職場のメンタルヘルス対策には、目的によって「第一次予防」「第二次予防」「第三次予防」の3段階に分かれます。

1)第一次予防:未然予防
メンタルヘルス不調を未然に防ぐとともに、労働者の心の健康を増進させる

2)第二次予防:悪化予防
メンタルヘルス不調者を早期に発見し、治療や就業上の措置などの適切な対処を行う

3)第三次予防:回復と再発予防
メンタルヘルス不調になり休業している人の職場復帰支援を行い、再発・再燃が起きないようにする

2015年12月から義務化された「ストレスチェック制度」は、社員自身のストレスへの気づきを促し、職場環境の改善を通じてメンタルヘルス不調を未然に防ぐ第一次予防が目的です。「ストレスチェック」という名称からはメンタル不調者の早期発見が目的で導入された印象を受けますが、そうではありません。ストレスチェックの結果に一喜一憂したり、職場で高ストレス者探しに躍起になったりしないよう注意が必要です。

管理監督者はメンタルヘルス対策で重要な役割を担っている

メンタルヘルス不調者を出さないためには、職場の上司がメンタルヘルス予防の視点を持つことがポイントです。上司、すなわち管理監督者は部下と日常的に接し、職場におけるストレス要因の改善を図る立場にあることから、職場のメンタルヘルス対策ではとても重要な役割を担っています。
管理監督者によるケアは「ラインケア」と呼ばれます。

企業には実態に沿った形でメンタルヘルス対策に積極的に取り組み、ケアを行う環境を整えることが求められ、各社員にはその環境を活用してセルフケアに努めることが求められています。その上で、管理監督者は部下に対するさまざまなサポートが求められています。社員・管理監督者・企業の“三位一体”の取組みが欠かせません。

部下へのサポート状況を振り返る

では、管理監督者はどこまで部下のサポートができるとよいのでしょうか? PHPゼミナールでは、第一次予防から第三次予防までの各段階別に全12項目について解説していますが、ここでは第一次予防での3項目を紹介します。

(1)職場環境の改善
・望ましくない職場環境があれば改善している

(2)労働時間の管理
・部下の労働時間を把握している
・過重労働の部下がいれば改善している
・部下の年次有給休暇の取得促進を図っている

(3)仕事の進め方
・仕事の指示を的確に出している
・仕事の意義や目的を部下は理解している
・一人ひとりのスキルや経験を考慮して仕事を配分している
・特定の部下に業務が偏りすぎないように配慮している
・部下が上司に意見具申したりする機会がある

いかがですか? 日常の業務に追われてしまい、“わかっているけどなかなか手が回らない”とおっしゃる管理職の方の声が聞こえてきそうです。まずは、ご自身の部下へのサポート状況の現状を把握することが大切です。そして、現状でできていない項目のうち優先順位の高いものから実施していけるように工夫しましょう。最初から完璧を目指す必要はありません。できる項目が1つ増えれば、その分だけ部下へのサポート力が高まっていきます。地道に取り組み、自分の身体にしっかり馴染ませて、半年後、あるいは1年後にメンタルヘルス・マネジメント力を備えた管理職をめざしていきましょう。

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若林邦江(わかばやし・くにえ)
1989年PHP研究所入社。1999年退社。その後、大学院にて臨床心理学、システムズアプローチ(心理療法)を学び、2007年大学院修士課程修了。2008年臨床心理士資格を取得し、国立医療センター心療内科にて心理療法士として勤務。2015年より官庁職員の職場復帰支援業務に従事。PHPゼミナール講師。

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