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貴社の部長は部門経営者? それとも部門管理者?

貴社の部長は部門経営者? それとも部門管理者?

(2016年12月22日更新)

 
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部門経営を担う部長職の果たす役割は重要で、事業活動に及ぼす影響は非常に大きいものがあります。しかしながら、部長職の役割について言及した書籍・文献やセミナーは意外に少なく、多くの部長職の方がたが自身の役割を自己流に解釈しているのが実態です。

ある経営者が、「最近の部長は20年前の課長レベルの仕事しかしていない」という趣旨の発言をしていましたが、確かに最近は小粒な部長職が増えているのかもしれません。組織に大きな影響を及ぼす部長職の方がたが、果たすべき役割をきっちり遂行していなければ、事業の存続・発展も覚束なくなるでしょう。

では、部長職には何が求められ、どんな役割を果たす責務があるのでしょうか。部長職の育成にあたっては、まず、そうした点を強く認識させなければ、いくら研修を実施しても効果は上がりません。そこで、部長職の役割を明らかにするために、まず部長職の「立場」「主な仕事と機能」を整理しておきましょう。

 

部長職の立場

他の役職と比較して特徴的な、部長職固有の立場として以下のような項目があります。

・社員(役員以外)の中で最高の地位・立場

部下を預かる責任と権限(指示命令権)は社員の中で最も重く、また、会社全体を視野に入れた発想、すなわち経営者意識に立った行動が求められる立場に立っています

・経営トップの代行者、分身

経営理念やトップ方針を理解して実践すると同時に、全社目標の一部を分担し、その達成の責任の一端を負う立場とも言えます

・部門の最高責任者、意思決定者

全社方針・部門方針を部内に徹底するとともに、マネジメントとリーダーシップを使い分け、業績向上と将来への布石を行う立場に立っています

 

部長職の主な仕事と機能

部長職の取り組むべき主な仕事を列挙すると以下のように非常に多岐にわたります。そして、それらを目的別に整理しカテゴライズすると、発揮すべき機能が明らかになります。

業務遂行機能

・部門の日常活動の統括管理

・業績管理

・管轄する経営資源(人、モノ、カネ、時間、情報、など)の有効活用

維持・管理機能

・全社方針、経営トップの意思(ミッション、目標、方針など)の部内徹底

・自らの意思としての部門のビジョン、方針の策定と徹底

・社内他部門、社外関係者との連携、調整

・コンプライアンスマネジメント 

・部門の活性化、人材育成

変革・創造機能

・来期以降に向けての戦略、及び計画の立案

・変革、改善活動

・新しいアイデアの汲み上げ、創出

 

部門経営者と部門管理者

ここまで述べてきた、部長職の立場、仕事、機能などを「役割」という観点から整理すると、以下の3項目に集約されるでしょう。

 

《部長職 3つの役割》
1.成果を上げること
2.組織を強化すること
3.新しい価値を創り出すこと

 

上記3つの役割は、係長職から部長職まで、管理職に共通して求められる役割ですが、求められているレベルや内容は、役職(立場)によって大きく異なります。

管理職に求められる役割の比較

部長職のあるべき姿を一言集約するならば、「部門経営者」ということばで表現できるでしょう。ここでいう部門経営とは、部門を一つの独立した経営体であるととらえ、部門長が責任をもってその経営のすべてを遂行することであり、「部門管理」とは全く異なる概念を意味しています。松下幸之助は、このことを「自主責任経営」とよんで、部長職に繰り返し訴えていました。

ここで紹介した項目・内容は「理想の姿」であって、現実は部長職といえども目先の成果に追われていることが多いものです。しかし、理想の姿、すなわち部門経営者を目指して意識変容・行動変容のための努力を重ねることで、ほんものの部長職は育っていくのです。そのためにも新任・昇格研修は、部長職の置かれた立場、求められる機能を、腹の中から自覚してもらい、経営人材へと大きく育っていく「きっかけ」を与える場としたいものです。

 

部長研修 部長力強化コース

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所 直販普及本部研修企画部部長。

 


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