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ひきつける~松下幸之助「人を育てる心得」

ひきつける~松下幸之助「人を育てる心得」

(2016年7月 4日更新)

 
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指導者は何かしら人をひきつける魅力をもつことが望ましい

 

*  *  *

 

秀吉が北条氏を攻めた時、伊達政宗は招請を受けながら、形勢を観望してなかなか出かけなかった。しかし秀吉軍の優勢を見て、自分の非を覚り、叱責を覚悟の上、遅まきながら小田原にやってきた。

すると秀吉は、遅参に対しては詰問したものの、そのあと「一度この陣営を見せてやろう」といって、山の上にのぼり、いちいち指さして説明した。その時、秀吉は自分の刀を政宗に預け、小姓を一人連れただけだったが、全くそれを気にする様子はなかったという。

のちに政宗はこの時のことを人に、「あの時はただ恐れ入るだけで、太閤を害しようというような気は少しも起きなかった。全く、大器というか天威をもった人だ」と語ったという。さすがの政宗も完全に秀吉に心服してしまったわけである。

 

政宗だけでなく、九州の島津義久をはじめ秀吉に敵対した多くの人びとが、のちにはみな秀吉に心服している。徳川家の重臣であった石川数正ほどの人が、家康のもとを去り秀吉の臣下となったような例さえある。秀吉という人には、それほど人をひきつける魅力があったようである。それは秀吉の天性の人柄か、あるいは幼い時から諸国を流浪し、人情の機微というものを身をもって知り尽くしたことによるのか、それはわからない。が、いずれにしてもそうした秀吉の魅力が、あたかも磁石が鉄片をひきつけるように、多くの人を彼のもとに集めたのだろう。

 

そのような、ひきつける魅力というものをもつことが、指導者にとって、きわめて望ましいことだと思う。指導者に「この人のためなら……」と感じさせるような魅力があれば、期せずして人が集まり、またそのもとで懸命に働くということにもなろう。そういうものをもたずして、よき指導者となることはなかなかむずかしいと思う。

 

もっともそうはいっても、人柄といったものはある程度先天的な面もあって、だれもが身につけることはむずかしいかもしれない。しかし、人情の機微に通じるとか、人を大事にするとかといったことも、努力次第で一つの魅力ともなろう。また、自分自身でなく、自分の会社、自分の団体というものになんらかの魅力をもたすことでもいいと思う。

 

いずれにしても指導者は、そうした“ひきつける魅力”の大切さを知り、そういうものを養い高めていくことが望ましいと思う。

 

 

【出典】
 
 
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