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メンタルヘルスケアは上司から部下への働きかけがポイント

メンタルヘルスケアは上司から部下への働きかけがポイント

(2016年5月23日更新)

 
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心身ともに健康で活力ある職場づくりのためには、上司から部下への適切な働きかけがポイントになります。若林邦江氏の解説です。

 

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すぐに取り組めるのは職場コミュニケーションの改善

 

下図は、ストレスが心身の影響するしくみとして考えられた「職業性ストレスモデル」です。

 

職業性ストレスモデル

上司には、<仕事上のストレス要因>を低減したり、職場ストレスの悪影響を防ぐ<緩衝要因>を強化していく取組みが求められます。<緩衝要因>とは上司・同僚・家族・友人からの支援などです。職場のストレス軽減は、社員・管理監督者・企業の“三位一体”の取組みが欠かせないのは前回「メンタルヘルス・マネジメントの考え方と管理監督者の役割」述べたとおりですが、<緩衝要因>である職場コミュニケーションの改善はすぐに取り組むことができます。

 

PHP公開セミナー「メンタルヘルス・マネジメント研修」では、≪話し手のルール≫≪聴き手のルール≫を設定し、≪話を聴く流れ≫に沿って「話の聴き方の練習」をしていきます。≪聴き手のルール≫にアドバイスをしないという項目を作っているため、参加者からは「アドバイスを我慢するのが大変」「普段、部下の話を聴いているつもりだったが、アドバイスをしていたことに気づいた」との声がよく聞かれます。ついついアドバイスをしてしまう上司が多いようですが、「部下の話に口をはさまず、アドバイスをせず、とことん話を聴く」ことに集中するだけで、部下が安心して話せる場に変わっていきますので、ぜひ一度試してみてください。

 

自分から声をかけ、聴く機会を作る

ただ待っているだけでは部下は話をしてくれません。日常のコミュニケーションが少ないと、部下が困ったときに相談しにくくなります。気軽に相談できる雰囲気をつくっておくためにも、日常業務の中で上司から声を掛けていくことをお勧めします。「何か困っていることはない?」「この間のあの件は今どんな状況?」「パソコン操作でわからないことがあるんだけど、今聞いてもいい?」――どんなことでもいいので、上司から積極的に声をかけていきましょう。

部下に声をかけている時間がない、と思われる管理職の方もいるかもしれません。実は会話時間よりも声掛けの回数のほうが、相手の警戒心が薄れ、好感度が増していくことが研究で実証されています。認知心理学では、これを「単純接触効果(ザイアンスの法則)」と呼んでいます。部下へは、ひと言で構いません。上司から部下への声掛けの回数を積み重ねることによって、部下からの相談がもちかけられやすくなっていくのです。

 

自分のコミュニケーションの姿勢を振り返ってみよう

普段の自分のコミュニケーションを客観的に見ることは難しいですが、ここで一度、自分のコミュニケーションの姿勢をチェックしてみましょう。

 

□ 職場での朝の挨拶は、自分から声をかけている

□ 会話をするときには「○○さん」と部下の名前を呼んでいる

□ 会話をするときは相手の目(あるいは顔周辺)を見ている

□ 自分が部下と会話をしている姿をビデオで見たりして、自覚できている

□ 部下が話している途中で口を差し挟むことはない

□ 「ありがとう」「助かったよ」など、自分の感じた気持ちを言葉に出している

□ 部下の良い点に気づいたら、その場で部下に伝えている

 

いかがですか? コミュニケーションの基本は会話です。自分がまだ部下だったときのことを思い出し、“こんな上司のもとで働きたい”と思っていた上司のように振舞ってみるのもお勧めです。活力ある働きやすい職場にするのも、逆に働きにくい職場にするのも、上司であるあなた次第です。少しでもいきいき働きやすい職場になるよう、すでに働きやすい職場はさらに働きやすくなるよう、あなたができることに今日から実践していきましょう。

 

 


 

PHP公開セミナー「メンタルヘルス・マネジメント研修」

若林邦江講師が担当。職場風土に大きな影響を及ぼす管理職の方々に、メンタルヘルス・マネジメントの考え方を学んでいただき、心身ともに健康で活力ある職場づくりの実現を目的とした1日研修です。東京・京都開催。

メンタルヘルスマネジメント

 


 

メンタルヘルスの正しい知識を習得し、働きやすい元気な職場づくりを促進していく上で、従業員の教育は欠かせません。PHP研究所では、職場の状況にあわせて活用していただけるDVD、通信教育、eラーニング、書籍など多数の研修・教材をご用意しています。

詳しくは「メンタルヘルス研修・教育」のページをご覧ください。

 

メンタルヘルス研修・教育

 


 

若林邦江(わかばやし・くにえ)

1989年PHP研究所入社。1999年退社。その後、大学院にて臨床心理学、システムズアプローチ(心理療法)を学び、2007年大学院修士課程修了。2008年臨床心理士資格を取得し、国立医療センター心療内科にて心理療法士として勤務。2015年より官庁職員の職場復帰支援業務に従事。PHPゼミナール講師。


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