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職場の報連相のルールづくり、注意すべきポイントは?~報連相Q&A

職場の報連相のルールづくり、注意すべきポイントは?~報連相Q&A

(2019年1月28日更新)

 
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「報連相」の研修を全社員に実施したが、意識づけのために職場でのルールをつくりたいというご相談です。注意すべきポイントとは?

 

 

【質問】

職場での報連相のルールづくりについて質問です。私は自社の人事部門で人材開発の責任者をしています。私の会社では今期、職場の報連相の不備によって、重大な問題につながりかねない出来事があり、そのため報連相の全社的な意識向上のために、役員から一般社員まで階層ごとに報連相研修を実施いたしました。

報連相研修の効果で、現在は報連相に対する意識が全社的に上がっているように感じています。ただ、これまでの自社の経験を踏まえると、このままでは徐々に報連相の意識は薄くなっていくのではないかと感じています。そこで、社として「自社の報連相ルール」を作成してはどうかという案がでています。

しかし実際に行うとなると、どのように取り組めばいいのか、見当がつきません。標語をつくって定期的にポスターを掲示するのがよいのか、はたまた全社統一の細かなルールをつくるのがよいのか。どこからどのように手を付けたらよいのでしょうか。

(Sさん・人事人材開発部 部長)

 

*   *   *

 

職場の報連相の向上に取り組む場合、報連相のルールをつくることはとても良いことです。しかし、注意しなければならない点もいくつかあります。それぞれについて解説していきましょう。

 

【職場の報連相ルール作り 3つの注意点】

1.「一般論」や「べき論」にしない

2.ルールを増やしすぎない

3.振り返り、更新できる機会をつくる

 

 

1.「一般論」や「べき論」にしない

多くの組織では、報連相のやり方をどうするか、という「手段」に直行して表面的なルールを作成することが多いように思います。

たとえば「悪い事ほど早く報連相」「正直な報連相を心がけましょう」「状況が変化したらすぐに中間報告」といった具合にルールをつくったとしても、「一般論」や「べき論」は皆とっくに理解していますし、そのようなルールは誰もが大切だと分かっている一方で、抽象度が高すぎて実際の現場で役立つ実用的なものにはなりません。

では、どうして職場の報連相ルールが「一般論」や「べき論」になってしまいがちなのでしょうか。

職場の報連相ルールが「一般論」や「べき論」になってしまう大きな理由のひとつには、社員全員に共通した項目をつくろうとするところにあります。実際の仕事では、個々人によって、立場が違ったり、仕事内容が違ったり、報連相の相手が違います。そのような多様な人たちに共通するルールをつくるとなると、どうしても抽象度を上げた表現にせざるを得ないのです。しかし、抽象度が高まれば高まるほど、実際の現場では意識されにくいルールになってしまいます。個々人にとって、具体的な報連相のルールになっていないからです。

何のために報連相のルールをつくるのか、その原点(目的)に立ち返って考えることが大切です。ルールをつくる目的は、報連相の意識を高め、各自の報連相のさらなる向上を図るためです。そのために必要なことは、各自が大切だと思う報連相のルールを各自に考えてもらい、各自で実践してもらうことです。

私が、報連相のルールを職場で作ってもらうときにお勧めしているのは、

 

(1)職場の報連相で「これだけはやろう」「これだけはやめよう」という項目を、各自に考えてもらう

(2)「これだけはやろう」「これだけはやめよう」を考えてもらうときには、5W1H(いつ・どこ・だれ・なぜ・なに・どれくらい)のうち3つくらいをちりばめる

(3)各自が考えた「これだけはやろう」「これだけはやめよう」を、課やチームなどの最小組織の単位で、表にまとめて掲示する(注意:各自の意見は統合しない、表にはあくまで各自の意見を箇条書きにするにとどめ、各自の項目についての評価や批判も行わない)

 

という、3ステップです。この「これだけはやろう・これだけはやめよう」の表のことを日本報連相センターでは「報連相の手作りレベル表」と呼んでいます。

 

報連相レベル表

 

個々人の報連相ルールを箇条書きにした「報連相の手作りレベル表」を掲示するのは、あくまで自分が忘れないようにするため、そして他者の考えを知り、学ばせてもらったり助け合ったりするためです。そこで評価や批判を行ってしまうと、価値のある皆で学ぶべき「失敗事例を基にした教訓」などが出なくなってしまいます。

 

2.ルールを増やしすぎない

2つ目に気をつけてもらいたいことは、上記の個々人のルールをつくるとき、欲張って多くのルールをつくりすぎないことです。必要だからといってたくさんのルールを一気につくっても、それを現場で活用できなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。

報連相のルール「これだけはやろう」「これだけはやめよう」は各自各項目1つずつにしましょう。いくつか迷うものがあったとしても、1つずつ選んだらあとは勇気をもって破棄してください。勿体ないように感じてしまうかもしれませんが、たとえ選ばなかったルールを破棄したとしても、残したルールをしっかりと意識し、日頃の報連相を行えば、自身の仕事の進め方は全体的にレベルアップしていきますので安心してください。これは私の経験上、必ずそうだと断言いたします。

 

3.振り返り、更新できる機会をつくる

最後の注意点は、ルールを定期的に見直し、更新できる機会をつくることです。一度決めたら延々と続くルールをつくるのではなく、定期的にルールに対する自分の仕事ぶりを振り返り、ルールの更新(追加や入れ替え)を行うことをお勧めします。

仕事の進め方は、目的や状況や相手によって柔軟に変化していきます。それを固定化させて良いはずがありません。また、上記のような取り組みは、つくりっぱなしにしておくと形骸化してきます。ですので、定期的に振り返る機会を設けることが、取り組みを形骸化させず、個々人のそのときのレベルや関心事に即した「具体的で役に立つ報連相のルール」をつくることになるのです。

では定期的な振り返りの期間は、どれくらいがよいのでしょうか。これは一概には言えませんが、私の把握している限りでは、おおむね1カ月で取り組んでいる組織が多くあります。私が会社員時代に実践していた頃は1週間に一度のペースで、職場のメンバーで集まって振り返りを行っていました。時間は1時間程度だったと記憶しています。

しかし、そこまでの機会を持つことはなかなか難しいと思いますので、初回は1週間程度で一度振り返りを行い、その後は1カ月、職場の状況に合わせて四半期や半年といった具合に、ご自身の職場にあわせていろいろと期間を設定してみるのがよいのではないでしょうか。

 

 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。


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